ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第120巻-3世紀末ハリウッド

2008-09-14 12:33:44 | 第116巻~第120巻

■世紀末ハリウッド(第403話) 発表1996年9月

評価   ★★★★

依頼人  ロイ

ターゲット リーを襲う人間の排除と、それを命令している人物の抹殺

報酬    不明(ターゲットの報告が一日遅れる毎に報酬が加算)

今回弾丸発射数      74/ 通算弾丸発射数 2,242

今回殺害人数        78/ 通算殺害人数   4,380

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   105

<ストーリー>
ハリウッドに本格参入しようとする香港映画スターの『リー』。しかし、アメリカ映画産業とアメリカ政府上層部はリーの抹殺を企て・・・

<この一言>
俺は基本的にボディーガードは引き受けない・・・

<解説>
香港映画スター『リー』はハリウッドに本格参入すべく、マネージャーの『ロイ』とともにアメリカ国内で映画撮影を開始した。しかし、ハリウッド映画を通じてアメリカの消費文化・価値観を全世界に浸透させようとするアメリカ政府は、既得権の確保と新規参入を阻止すべくリーの抹殺を企てる。

ロイはゴルゴにリーのボディーガードを依頼するが、ゴルゴは『俺は基本的にボディーガードは引き受けない・・・』とにべもなく断る。ロイは依頼内容を『リーを襲う人間の排除と、それを命令している人物の抹殺』と変更し、ゴルゴの快諾を得る。以降、ゴルゴはリーの身辺警護を完璧に行い、リーの命を狙う者を徹底的に排除する。

リーを襲う勢力には国家権力の影が見え隠れしていたが、黒幕はDIA(国家情報局)『アラン』であった。アランはリーのボディーガードがゴルゴと知るや、DIAの精鋭を集めゴルゴとリーの抹殺を指示する。ゴルゴはDIAの襲撃を予測し、リー・ロイとともに華僑の秘密ビルでDIAを迎撃。DIA特殊部隊の集中砲火、分散攻撃を完全に制圧するゴルゴであったが、圧倒的な人員数の前にDIAに包囲されてしまう。ゴルゴに残された弾丸は1発とグレネードランチャーの1弾のみ。消火用スプリンクラーを狙い撃ちハロゲンガスを充満させた後、グレネードランチャーで窓ガラスを撃ち破る。室内に充満した高圧ガスが一気に窓外へ吹き出し、DIA特殊部隊は窓の外へ放出され殲滅させられる。

ゴルゴの大立ち回りが見物である。DIAの精鋭集団を相手に一歩も引かず、次々と殺戮排除していくゴルゴであるが、その表情には鬼気迫るものはなく、常に冷静沈着。状況に応じて武器を使い分け、ピンポイントで敵をいなしていく様は、正に「コンバットゲーム」。K弾で床下から貫通弾を撃ち込むシーンが象徴的。多勢に無勢で追い込まれながらも、最後の一発の弾丸をキープして状況を打破するラストシーンも圧巻である。映画を国策産業とするアメリカへの批判を折り込んだストーリー展開も素晴らしく、読み応えのある作品となっている。

ズキューン

ゴルゴ13 (120)巻掲載
ゴルゴ13 (150)巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

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ゴルゴ13第120巻-2乳白の闇

2008-08-23 16:15:01 | 第116巻~第120巻

■乳白の闇(第402話) 発表1996年2月

評価   ★★★

依頼人  ①ムンツ ②なし

ターゲット ①不明 ②Dr.タップス

報酬    ①不明 ②なし

今回弾丸発射数       2/ 通算弾丸発射数 2,168

今回殺害人数         2/ 通算殺害人数   4,302

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   105

<ストーリー>
兄をゴルゴに殺された男が復讐を企て、殺し屋を差し向ける。ゴルゴに向けられた銃口から放たれたのは・・・

<この一言>
!!

<解説>
ゴルゴに兄を殺された男が復讐に立ち上がる。殺し屋『Dr.タップス』に接触した男は、ゴルゴに殺害依頼を行った『ムンツ』を事故にみせかけて始末するように依頼する。Dr.タップスは、レーザーガンで運転中のムンツの目を照射、失明に陥れ事故を誘発させムンツを葬る。Dr.タップスの仕事内容に満足した男は、Dr.タップスにゴルゴの殺害を依頼する。

Dr.タップスはゴルゴを「依頼人を選び、仕事を選び、神業ともいえる技術で仕事を遂行する、古いタイプの流行らない男」と評し、殺し屋としての己のポジションを確立すべく、ゴルゴとの対決に臨む。

Dr.タップスはレーザー光線をゴルゴの目に照射すべく待ち伏せ攻撃を行うが、不発に終わる。自分を狙う存在に気づき、その男の武器がレーザーガンであると知ったゴルゴは、渓谷にDr.タップスを誘い込む。時間の経過とともに川霧が立ちこめるのを待ってゴルゴはDr.タップスの前に正対する。レーザー光線が霧で乱反射し、直進しないことを見切ったゴルゴは真正面からDr.タップスを射抜く。

短編ながら味わい深い作品。新世代の殺し屋がハイテク武器を用いてゴルゴを狙い、返り討ちにあうというパターンであるが、ゴルゴの冷静沈着な対処が渋い。「し、しかし終わりさ!お前さんのようなタイプのプロの時代は・・・も、もう終わりなのさ!」というDr.タップスの最期のセリフが示唆しているように、本作の続編とでもいうべき長編が存在する。第146巻-1『いにしえの法に拠りて』は、レーザー兵器にゴルゴが被弾(?)して危機に陥るストーリー。こちらも必読である。

ズキューン

ゴルゴ13 (120)巻掲載
ゴルゴ13 (149)巻(最新刊)
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ゴルゴ13第120巻-1 偽りの星条旗

2008-08-03 23:41:43 | 第116巻~第120巻

■偽りの星条旗(第401話) 発表1996年10月

評価   ★★★

依頼人  大統領補佐官タッカー

ターゲット アメリカ軍捕虜救出を拒むもの

報酬    不明

今回弾丸発射数      21/ 通算弾丸発射数 2,166

今回殺害人数        16/ 通算殺害人数   4,300

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   105

<ストーリー>
民族紛争が続くボスニアで、停戦監視中のアメリカ軍兵士が捕らえられた。大統領選を控えたアメリカ国内では、現職大統領と次期大統領候補が救出作戦を巡り陰謀の火花を散らす・・・

<この一言>
よろしく・・・

<解説>
旧ユーゴスラビアから独立したボスニアでは民族紛争が絶えず、アメリカ軍を中心とした停戦監視のための多国籍軍が駐留していた。一方アメリカ国内では、再選を目指すマッケンジー大統領と次期大統領を目指すオニールとがつばぜり合いを演じていた。

そのような折、停戦監視団のアメリカ兵がセルビア人ゲリラに拘束される。選挙を前にし、捕虜となったアメリカ兵を救出することでポイントを稼ごうとするマッケンジー大統領は、補佐官タッカーに対し、特別チームを編成して捕虜を救出するよう命ずる。一方、アメリカ兵救出が失敗に終われば大統領の失政となると考えたオニールとその参謀メイソン将軍は、特別チームに捕虜救出作戦を邪魔するメンバーを潜り込ませる。

タッカーはオニールが救出作戦を邪魔してくることを見込み、特別チームにゴルゴをアサインし邪魔者の殺害を依頼する。ゴルゴを含む5名の特別チームは、捕虜のいる寒村を襲撃する。特別チームが一人、また一人とメンバーを失いながらも捕虜を奪還、帰路につこうとした刹那、メンバーの一人が捕虜に銃口を向ける。『こいつに無事帰国してもらったら困るんだよ』とトリガーをひく寸前、ゴルゴが登場、メイソンの雇ったメンバーは眉間を撃ち抜かれ、陰謀は不成立に終わる。

ボスニア民族紛争とアメリカ大統領選を絡ませた陰謀を描く作品。アメリカ大統領およびその対抗候補が、アメリカ兵士を政治のコマとしてしか捉えておらず、どす黒い選挙戦の裏面として描かれているのが興味深い。選挙と戦争においては、複数の利権が絡み合うため、本作のようなドロドロした陰謀が深く張り巡らされていることが容易に想像できる故、本作からは生々しいリアリティが感じられる。

ズキューン

ゴルゴ13 (120)巻掲載
ゴルゴ13 (149)巻(最新刊)
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ゴルゴ13第119巻-3臆病者に死を

2008-07-21 22:12:53 | 第116巻~第120巻

■臆病者に死を(第400話) 発表1996年8月

評価   ★★★★

依頼人  ニューヨーク市警キース部長

ターゲット 爆弾犯の仕掛けた時限爆弾

報酬    不明

今回弾丸発射数       1/ 通算弾丸発射数 2,145

今回殺害人数         0/ 通算殺害人数   4,284

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   105

<ストーリー>
ニューヨーク警視総監宛にビル爆破の予告電話が。心に傷を負う元爆弾処理係とゴルゴが爆弾処理にあたる・・・

<この一言>
手の動きに迷いも戸惑いもなかった・・・見事な腕だ・・・

<解説>
ニューヨークで連続爆破事件が発生。犯人から警視総監に爆破予告が届き、爆発物処理に「マッケイ」をあたらせ、狙撃手を一人用意せよとの指示がでる。ニューヨーク市警キース部長は、ゴルゴにコンタクトを取り、マッケイと行動を共にするよう依頼する。

マッケイは5年前、爆発物処理中の事故により己の限界を悟り現役を引退、爆発物処理の教官となり現場から遠ざかっていた。事故のトラウマから逃れられないマッケイであるが、ゴルゴの沈着なサポートを受け徐々に自信を取り戻す。爆破犯が高層ビルに仕掛けた2つの爆弾を処理した後、マッケイは爆破犯が自分の師匠「クラスマン」であることに気付く。

クラスマンはニューヨーク市警の天才爆発物処理担当であったが、マッケイのミスにより利き腕を失い、警察を辞めて姿をくらませていた。クラスマンは警察とマッケイへの復讐のために、爆弾を仕掛けたのである。マッケイは、クラスマンがエレベーターに爆弾を設置し、下降するエレベーターが50階を通過した瞬間に爆発させる仕掛けを見抜く。ゴルゴは1階のエレベーターホールから下降するエレベーターを待ち受け、50階に達する直前に電源装置を狙撃してビル爆破を防ぎ、静かに現場を立ち去る。

爆発物処理担当として師弟関係にあるクラスマンとマッケイの因縁と爆発物処理の息詰まる展開がからみ合う見事な作品。冷静沈着なゴルゴの静謐さがストーリーに緊迫感を与えている。マッドサイエンティスト・クラスマンの狂気、善人マッケイの自信回復、様々な爆弾ギミックと、ハリウッド映画さながらの仕掛けが面白い。作中にも「”ダイ・ハード”みたい!」とのセリフもあり、アクション映画を意識して仕上げられた作品と推測される。

ズキューン

ゴルゴ13 (119)巻掲載
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ゴルゴ13第119巻-2間違われた男

2008-07-20 00:11:10 | 第116巻~第120巻

■間違われた男(第399話) 発表1996年12月

評価   ★★★★

依頼人  マイアミのボス ブラッツ

ターゲット アイスマン

報酬    不明

今回弾丸発射数       1/ 通算弾丸発射数 2,144

今回殺害人数         1/ 通算殺害人数   4,284

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   105

<ストーリー>
ゴルゴと依頼人の待ち合わせ場所に居合わせた「トニー・トウゴウ」。ゴルゴと間違われた男の運命は・・・

<この一言>
科白なし

<解説>
マイアミのボス「ブラッツ」から、「アイスマン」の殺害依頼を受けたゴルゴ。ブラッツの手下「クーンツ」との打ち合わせ場所にたまたま居合わせた電気工具のセールスマン「トニー・トウゴウ」は、ゴルゴに間違われてしまう。

クーンツは黒塗りのリムジンにトニーを乗せ、トニーをホテルに案内する。最上階の部屋を用意され、娼婦をあてがわれたトニーは気前のいいクライアントに巡り会えたと呑気に構えるが、やがて殺人依頼のオーダーであることを知り、尻込みをする。

トニーをゴルゴであると信じて止まないクーンツは、トニーと最終調整を行い、アイスマンのいる決行現場へと向かう。後に引き返せなくなったトニーも破れかぶれの心情でアイスマンに向かって引き金を引く。その刹那、別の場所から僅かな間隙を縫ってゴルゴの銃弾がアイスマンの眉間を捕らえる。クーンツはトニーがアイスマンを仕留めたと最後まで誤解を続け、トニーを「完璧な保証」の男として崇める。

ゴルゴ・シリーズで異色のセルフ・パロディ。ゴルゴと風貌の似たトニー・トウゴウのすっとぼけ振りが面白い。また、凡人トニーを最後まで誤解し続けるクーンツも笑わせてくれる。本作に登場する”ベタな”ゴルゴ・イメージを記す。
・怒らせるとヤバい相手
・他人に腕を預けるような”握手”の習慣がない
・ひとより先に車に乗らない
・仕事道具はポーターに預けない
・目立たないホテルに宿泊し、ホテル最上階の非常口に近い部屋をリザーブ
・仕事の前にベッドの中で燃える
・プロの娼婦をダウンさせてしまうほど、”あっち”の方でも超一流

ズキューン

ゴルゴ13 (119)巻掲載
ゴルゴ13 (149)巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

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