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ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第75巻-3システム・ダウン

2007-06-10 14:26:17 | 第071巻~第075巻

■システム・ダウン(第259話) 発表1986年7月

評価   ★★★★★

依頼人  リーズ生命保険ルグラン会長

ターゲット リーズ・アメリカ マイケル・ブラッケン社長/ヨーコ・マッキンレー調査部長

報酬    $500,000+死亡生命保険金$2,000,000

今回弾丸発射数      3/ 通算弾丸発射数 1,499

今回殺害人数        3/ 通算殺害人数   1,647

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    89

<ストーリー>
ゴルゴへのコンタクト方法が明らかに!ゴルゴが築き上げたクライアントとの連絡網が何者かによって破壊された。対するゴルゴは・・・

<この一言>
最近・・・変わった事はないか・・・

<もう一言>
引き受けよう・・・ただし、2度と俺のシステムに手を出すな・・・

<解説>
リーズ生命保険アメリカ支社の「マイケル・ブラッケン社長」は、高額契約者の死亡率が高く、保険金の支払いにより収支が悪化していることを懸念、ヨーコ・マッキンレー調査部長に原因分析と対策実行を指示する。
調査の結果、高額契約者の不審な死亡件数は13件あり、1件は事故死、12件は他殺であることが判明。事故死扱いとされたミステリー作家「マッジ・ペンローズ」はゴルゴに殺害されており(第43巻-1『ミステリーの女王』参照)、13件全てがゴルゴによる他殺であることを知ったヨーコは、ゴルゴの活動を封鎖するために、ゴルゴの連絡網を破壊することを思いつく。ヨーコが調べ上げたゴルゴへのコンタクト方法は3種類。

①聾唖の終身刑受刑者「マーカス・モンゴメリー」に手紙を出す(第17巻-1『柩に誓いを』
→モンゴメリーがラジオ局に「賛美歌13番」をリクエスト
→ゴルゴが新聞に「G13型トラクター買いたし」という3行広告を掲載、連絡先を記す

②ナスダック上場の「ユナイトホライズン土地開発株式会社」の株を買い、暴騰させる
→ゴルゴが新聞に「G13型トラクター買いたし」という3行広告を掲載、連絡先を記す

③ラスベガスの「ウィークエンド」というカジノのオーナーに合い言葉を伝える
→オーナーがスロットマシンでジャックポットを発生させ、新聞記事にする
→ゴルゴが新聞に「G13型トラクター買いたし」という3行広告を掲載、連絡先を記す

ヨーコは「モンゴメリーの保釈活動」「ユナイトホライズンの株式購入」「スロットマシンの不正告発」を行い、ゴルゴのコンタクト・システムを遮断させる。やがてゴルゴはコンタクト・システム妨害を企てているのがリーズ生命保険アメリカ支社と知り、リーズ生命保険会長「ルグラン」を訪ねる。ルグランは、自身の地位を狙うブラッケン社長とヨーコの殺害をゴルゴに依頼しようとしていたのだが、ゴルゴへのコンタクトが成らず焦燥していたのであった。ブラッケンとヨーコがゴルゴのコンタクト網を破壊していたことを聞かされたルグランは、二人の死亡生命保険金の受取人をゴルゴに変更、迷惑料を上乗せすることでゴルゴへの殺害依頼を行う。ゴルゴはこれを受諾、自身のコンタクト・システムを復旧させる。

ゴルゴへのコンタクト方法が明らかになる重要作品。登場人物の過去と現在をつなぐ節目にゴルゴが位置しており、物語に深みを与えている。モンゴメリーの弁護士選任と費用負担をゴルゴが行っていたことが明かされている。しかし、その悪徳弁護士「アレックス・ウェーバー」はリーズ保険の顧問弁護士でもあるのだが、守秘義務違反によりゴルゴの有罪判決を受け死刑を執行されている。また、カジノ「ウィークエンド」のオーナーはゴルゴに狙撃依頼を行って「ウィークエンド」を手に入れたらしい。様々な人間模様が交錯しながらひとつのストーリーを織りなす本作は、名作の一つとして数えられていいだろう。

「あんたが俺を呼んだのは仕事の話か・・・?」というゴルゴの問いに対し、「まさかあんたに保険に勧めてもはいるはずもあるまい!ははは・・・」というリーズ保険会長ルグランの返答は最高だ。生命保険という死亡時に備える商品をゴルゴに提案するとは、かなり大胆な行為である。ルグランもすぐに気付き、「いや、失礼。悪い冗談だった!」と詫びを入れているのが可笑しい。

なお、本作発表時点で明らかにされているゴルゴへのコンタクト方法には、孤児院を営む「エゴータ夫人」に仲介を頼むというものがある(第7巻-4『番号預金口座』)。

ズキューン

ゴルゴ13 (75) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

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ゴルゴ13第75巻-2バトル オブ サンズ

2007-06-09 23:53:53 | 第071巻~第075巻

■バトル オブ サンズ(第258話) 発表1987年5月

評価   ★★★★

依頼人  イラン・ジラール長官

ターゲット ニール・レッドマン

報酬    $1,000,000

今回弾丸発射数     33/ 通算弾丸発射数 1,496

今回殺害人数       45/ 通算殺害人数   1,644

今回まぐわい回数    1/  通算まぐわい回数    89

<ストーリー>
イラン・イラク戦争は決着がつかないまま7年目に突入、戦況は激化する一方であった。イランはゴルゴにイラク特殊部隊教官の殺害を依頼する・・・

<この一言>
俺の死んだ夢か・・・それとも目玉をえぐり出される夢か・・・

<解説>
1980年9月に勃発したイラン・イラク戦争は、長期化に伴い戦況が激化、タンカー攻撃・石油備蓄基地の攻撃によりペルシャ湾は修羅場と化していた。イラクは水中特殊部隊を設立、ペルシャ湾での活動を活発化させるが、対するイランは事態を打開すべく、ゴルゴにイラク水中特殊部隊教官「ニール・レッドマン」の殺害を依頼する。

イラク秘密基地に乗り込んだゴルゴは、基地内に爆弾を仕掛け特殊部隊にダメージを与えるが、レッドマンを仕留める前に捕らえられてしまう。殴る蹴るからはじまったゴルゴに対する拷問は、ジープでの引きずり回しや逆さ吊りにしての水責めにエスカレート。グロッキー状態に陥るゴルゴであるが、スキを突いて脱走する。基地内各所に仕掛けた爆弾をリモコンスイッチで爆破するとともに、ゴルゴを追ってきたレッドマンをヘリごと爆破。イラク側に捕らえられるのもゴルゴの計算によるもので、全てはレッドマンをおびきよせる為の布石であった。

ゴルゴの戦闘能力が余すところ無く描かれている秀作。ゴルゴの破壊工作の凄まじさと、ゴルゴが受ける拷問の惨たらしさが、本作の見所であるが、戦時における人間の狂気を描ききっていると言えよう。ゴルゴとイランを裏切っていたのが女性工作員というオチも、伏線が各所に散りばめられており、唸らせられる。

ゴルゴのゴルゴたる所以を再定義している作品でもある。随所にゴルゴのプロフィールが記されており、ゴルゴ像を把握するのに最適だ。本作に記されているゴルゴのプロフィールを列挙する。
・ゴルゴダの丘で宗教者イーサー(キリスト)を磔刑にかけた13番目の男(第1巻-1『ビッグ・セイフ作戦』)
・ユダヤ教でもなく、イスラム教徒でも仏教徒でもない
・国籍、出生地、生年不明
・CIAでは日系人(第12巻-3『潜入ルート”G3”』)、MI6では日本人、KGBでは日独混血(第15巻-1『モスクワ人形』)としている
・7カ国以上の言語に通じ、銃器、爆発物および劇毒物に詳しい
・ライフル射撃では世界の5指に入る
・所属機関はなく東側も西側もなく自己の信念だけで行動
・他人に利き腕を預ける”握手”を好まない(第1巻-2『デロスの咆哮』)
・無防備の背後に立ったり、回り込んだりする事を許さず、そのような場合、防衛本能により反射的に相手を攻撃する(第1巻-1『ビッグ・セイフ作戦』)

ズキューン

ゴルゴ13 (75) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
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ゴルゴ13第75巻-1G線上の狙撃

2007-06-08 23:52:36 | 第071巻~第075巻

■G線上の狙撃(第257話) 発表1986年5月

評価   ★★★★★

依頼人  バイオリン奏者トーマス・シンプソン

ターゲット セルゲイ・ケルンスキーが演奏中のバイオリンの弦

報酬    不明

今回弾丸発射数      1/ 通算弾丸発射数 1,463

今回殺害人数        0/ 通算殺害人数   1,599

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    88

<ストーリー>
演奏中にバイオリンの弦が切れ立ち往生してしまった世界的バイオリン奏者「トーマス・シンプソン」。ソリストの座を降ろされたトーマスは、後任ソリストの演奏中の弦を・・・

<この一言>
ゆっくりだ・・・

<もう一言>
それだけだ・・・

<解説>
世界的バイオリニスト「トーマス・シンプソン」は、『G線上のアリア』を演奏中に「G線」が切れたため立ち往生してしまい、観客にブーイングを浴びせられる。これがトラウマとなり、人前で演奏することができなくなってしまったシンプソンは、フィラデルフィア管弦楽団との共演を降ろされてしまう。後任のソリストはロシアの巨匠「セルゲイ・ケルンスキー」に決定するが、シンプソンは屈辱に耐えきれずゴルゴに接触を図る。

サウナの13号室で密会をするゴルゴとシンプソン。シンプソンの依頼内容は、ケルンスキーの演奏中に「G線」を狙撃してほしいというものであった。
ゴルゴはホテルのロビーで「ケルンスキー」の演奏ビデオを見る。一心不乱に繰り返し「ケルンスキー」の映像を見るゴルゴに他の宿泊客が引いているのが可笑しい。その後、ゴルゴは盟友「デイブ・マッカートニー」を訪ね、M16のカスタマイズを依頼する。ゴルゴに無理難題を押しつけられることの多いデイブだが、今回のゴルゴの依頼は軽微なものであり、拍子抜けしているデイブが面白い。なお、デイブは『AT PIN-HOLE!』(第7巻-1)『軌道上狙撃』(第39巻-1)第54巻-2『穀物戦争 蟷螂の斧』に続き4回目の登場。

ゴルゴはコンサートホールの映写室に忍び込み、ケルンスキーの演奏中にG線の狙撃に成功する。しかし、ケルンスキーはD線を緩めて演奏を続け、シンプソンとの格の違いを見せつける。仕事を終え淡々とホールを去るゴルゴと、打ちのめされるシンプソンの対比が絶妙だ。
短編ながら非常によく練られた作品。各登場人物の心情が巧みに描写されており、人間ドラマとしても秀逸だ。『G線上のアリア』をはじめゴルゴにからめたギミックが散りばめられており、極めて完成度の高い作品と言えよう。

余談だが、パチスロ『ゴルゴ13 THE PROFESSIONAL』で本作が演出に取り入れられている。「ケルンスキー」が登場するとボーナスの可能性濃厚で、滅多に見ることのできないレア演出のため、スロッターを魅了している・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (75) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
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ゴルゴ13第74巻-3西経175度

2007-06-07 21:53:22 | 第071巻~第075巻

■西経175度(第256話) 発表1988年3月

評価   ★★★

依頼人  不明

ターゲット フィジー南太平洋大学 副理事長カセンガド

報酬    不明

今回弾丸発射数      2/ 通算弾丸発射数 1,462

今回殺害人数        2/ 通算殺害人数   1,599

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    88

<ストーリー>
フィジーの英国領脱退に乗じて「フィジー南太平洋大学」を独占しようとする動きが。日付変更線を跨いだゴルゴの秘策とは・・・

<この一言>
帰投してくれ・・・

<解説>
フィジーの英国領離脱に際し、近隣諸国と国連の援助で設立された「南太平洋大学」の取り扱いを巡り各国の思惑が交錯する。副理事長カセンガドは南太平洋大学をフィジーに帰属させようとするが、当大学への出資者はこれを拒むべくゴルゴにカセンガドの殺害を依頼する。大学設立趣旨書の条項に基づき、1988年3月25日までにカセンガドの殺害を実行する必要があった。

ゴルゴは3月26日に日付が変わってもカセンガドを殺害せず、依頼人はゴルゴのミッション失敗に失望する。しかし、ゴルゴは、カセンガドを西経175度におびき寄せ、戦闘機ハリーアーからカセンガドを狙撃。日付変更線を越えた西経175度では3月25日であり、期限内にミッション完遂をさせたのであった。

日付変更線を用いたトリックが面白い。これほど手の込んだ仕掛けを施さず、素直に殺害すればいいものを・・・などと言うのは野暮だろう。本作の隠し味は、ゴルゴの特徴と過去のエピソードに触れている点にある。
<ゴルゴの特徴>
・身長6フィート
・レザーのような眼
・シガリロを愛用
・粗暴犯と違い常にクレバーな仕事をする冷酷な頭脳犯
・世界中のどんな人間もゴルゴ13の仕事を阻止できなかった
<過去エピソード>
「ゴルゴ13が仕事に失敗したのはただ一度、それも不発弾という、偶発的なもののみ」
第15巻-3『アクシデンタル』
「ネオナチの本部まで破壊し得た、あのゴルゴ13が・・・」
第53巻-1『崩壊 第四帝国 狼の巣』

ズキューン

ゴルゴ13 (74) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
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ゴルゴ13第74巻-2ワイルドギース

2007-06-06 23:23:24 | 第071巻~第075巻

■ワイルドギース(第255話) 発表1986年2月

評価   ★★★★

依頼人  CIAロバーツ

ターゲット ウガンダ軍事評議会議長

報酬    不明

今回弾丸発射数     30/ 通算弾丸発射数 1,460

今回殺害人数       16/ 通算殺害人数   1,597

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    88

<ストーリー>
傭兵派遣業を営む「マイク・ホートン」は、「傭兵250人とゴルゴ1人、どちらが強いか」という賭けを受けてしまう。ゴルゴ抹殺を企てるホートンは・・・

<この一言>
・・・

<解説>
傭兵派遣業を営む「マイク・ホートン」は、ワールド・ポーカー・シリーズに参加するギャンブラーでもある。ポーカー・シリーズの会場で、「傭兵250人とゴルゴ1人、どちらが強いか」という賭けを受けてしまう。ゴルゴを排除すれば傭兵派遣の受注が増えると見込んだホートンは、ウガンダの軍事政権に傭兵を派遣する一方、CIA「ロバーツ」を通じてゴルゴに軍事評議会議長の殺害を依頼、傭兵部隊とゴルゴの闘いを企てる。しかし、ゴルゴは傭兵部隊を撃破しホートン側近を殺害。ホートンの狙いを察したゴルゴは、ニセの依頼を行ったロバーツとゴルゴを抹殺しようとしたホートンに、死をもって償わせる。

次々と傭兵部隊をなぎ倒し、地雷原を駆け抜けるゴルゴが強烈な印象を残す作品。本作はエンタテイメントとしても優れているが、「傭兵派遣業」を取り上げた社会性の強い作品でもある。2003年刊行P.W.シンガー著『戦争請負会社』は、国家の軍事部門を請け負う民間会社の存在を明らかにしたが、1986年発表の本作が傭兵派遣業を取り上げていることに注目したい。

ズキューン

ゴルゴ13 (74) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

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