ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第134巻-1 害虫戦争

2009-03-29 23:58:20 | 第131巻~第135巻

■害虫戦争(第442話) 発表1999年10月

評価   ★★★

依頼人 中国農業部部長

ターゲット ハイクロップ種子産業株式会社が育成している害虫

報酬   不明

今回弾丸発射数       1/ 通算弾丸発射数 2,383

今回殺害人数      0/ 通算殺害人数   4,680

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   109

<ストーリー>
アメリカのトウモロコシ市場を席巻すべく、殺虫剤の効かない害虫を大量発生させ既存トウモロコシを全滅させ、害虫に耐性のあるハイブリッド種子を売り込もうとする陰謀が・・・

<この一言>
世話になった・・・

<もう一言>
冷静になれ・・・静かに話すのだ・・・

<解説>
トウモロコシの種子メーカー『ハイクロップ種子産業株式会社』は、後発故遺伝子改良種子で遅れをとっていた。圧倒的なマーケット・シェアを確保すべく、驚くべき陰謀が進行していた。トウモロコシを食い荒らす”アワノメイガ”を遺伝子改良にて、殺虫剤に耐性のある種を作り出す。一方で、そのアワノメイガに対して耐性のあるトウモロコシ種を完成させる。アワノメイガを放ち、既存のトウモロコシを全滅させた後、アワノメイガに耐性のあるトウモロコシ種を販売するというのだ。

この陰謀に気づいた中国農業部は、ゴルゴに陰謀阻止を依頼する。アワノメイガの幼虫に作用する細菌を弾丸に仕込んでハイクロップ社の工場の給水塔に弾丸を撃ち込み、アワノメイガを全滅させるというだ。工場は厳重な警備に守られており、給水塔から最も近い射撃地点まで5キロあるという。

ゴルゴは武器職人に、デンプンでできた弾丸に細菌を組み込みマイナス80度の極低温状態で冷凍させる。ゴルゴが放った弾丸は、積乱雲近辺に発生する上昇気流に乗り、5キロ先の給水塔に見事カップイン。給水塔から漏れた細菌が、アワノメイガを全滅させハイクロップ社は倒産する。

遺伝子改良食品、ハイブリッド種に対する警鐘を鳴らす作品。だが、本作のウルトラCはさすがに、やりすぎではなかろうか。5キロ先の給水塔に弾丸を放り込む、しかも上昇気流に乗せて・・・。この射撃については、あまりにも荒唐無稽なので長距離射撃ランキングに入れるのもはばかられるが、栄えある最高記録として記しておく。
①第134巻-1『害虫戦争』5,000m
第42巻-2『海神が目覚める』1,500m
第7巻-1『AT PINHOLE』1,020m
第27巻-2『60日間の空白への再会』1,000m
第48巻-3『ゼロの反撃』1,000m
第114巻-3『アメリカンドリーム』1,000m
第110巻-3『冷血キャサリン』800m
第51巻-2『橋は崩れた』800m
第18巻-1『動作・24分の1』700m
第83巻-2『シビリアン・コントロール』600m
第11巻-1『ROOM No.909』500m
第22巻-1『スエズの東』400m

本作に登場する武器職人、デイブ・マッカートニーの息子ではなかろうか?ゴルゴが全幅の信頼を寄せていること、おそらくアメリカ在住であろうこと、雰囲気がデイブに似ていることから、デイブの息子である可能性大である。
ちなみに依頼人である中国農業部部長がゴルゴとのコンタクトで用いた合い言葉は
『缶コーラが13本あります・・・』。
万里の長城で中国農業部の部長がアメリカの象徴であるコーラを”13”本売るというのは、痛烈な皮肉だ。

ズキューン

ゴルゴ13 (134) 巻掲載
ゴルゴ13 (151) 巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

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ゴルゴ13第133巻-3 総統の揺りかご

2009-03-21 23:59:29 | 第131巻~第135巻

■総統の揺りかご(第441話) 発表1999年6月

評価   ★★

依頼人 サイジル製薬エヴァンジェリン・ヒンクル副所長

ターゲット 研究所内コールドルーム内液化窒素タンクのバルブ

報酬   不明

今回弾丸発射数       2/ 通算弾丸発射数 2,382

今回殺害人数     15/ 通算殺害人数   4,680

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   109

<ストーリー>
ヒトラーのDNAから、ヒトラーのクローンが誕生する?ナチスを信奉するマッドサイエンティストの野望をゴルゴは・・・

<この一言>
俺の質問にお前は、まだ答えていない。

<もう一言>
冷静になれ・・・静かに話すのだ・・・

<さらに一言>
俺の”仕事依頼”に必要なのは・・・”真実”だ・・・

<解説>
ベンチャー製薬会社『サイジル製薬』は独自のインポテンツ治療薬を開発し、シェアを伸ばしていた。サイジル製薬研究所の副所長『エヴァンジェリン・ヒンクル』は、ゴルゴに接触、自社の研究所の狙撃を依頼する。

ゴルゴに狙撃理由を問われたヒンクルは、弱いアメリカへの絶望と強さへのあこがれが、極右思想へと昇華しナチス信奉が研究所ではびこっていることを訴える。ナチスに傾倒しているサイジル製薬社長『ダニエル・ドッジ』は、ヒトラー愛用のブラシを入手、ブラシに付着した毛根細胞からヒトラーのDNAを抽出に成功した。ヒンクルの卵子とドッジの精子を人工授精させた受精卵にヒトラーのDNAを組み込み、ヒンクルを母胎としてヒトラーのクローン誕生を目指しているというのだ。

しかし、ヒンクルは母性に目覚めドッジとの結婚を望んだが、ドッジはこれを拒否。ヒンクルをクローン誕生の母胎としか考えないドッジに失望したヒンクルは、受精卵とともに研究所を爆破することをゴルゴに依頼したのであった。ゴルゴは研究所の外部から、液化窒素のタンクを狙う。液化窒素が漏れて液化酸素に置換された後、二発目の弾丸を撃ち込み、研究所もろともヒトラーのDNAを爆破する。

クローン人間をテーマにした作品。ナチスとは因縁深いゴルゴであるが、ヒトラーのクローン製造を拒むとは・・・。出来れば、クローン・ヒトラーとゴルゴの直接対決を見たかった、と言ったら不謹慎か・・・。
ゴルゴが回転する換気扇の羽根と羽根の間隙を狙撃する際、必要となる弾丸の速さを速算しているが、検証してみる。
『直径30センチの換気扇の羽根が、1秒に2回転・・・』
→1秒間に720度 ・・・①
『羽根の隙間は10度、外周部を狙った場合にブレット(弾頭)がしめる幅は2度』
→羽根に当てることなく、隙間の両端に2度ずつの余裕を持たせると、
  通過可能な隙間は6度 ・・・②
①②より、弾丸が通過する6度の隙間が動く時間をx秒とすると、
1秒:720度=x秒:6度
x秒=6/720=120分の1秒

『120分の1秒の間に、厚さ5センチの羽根を長径1.2センチのブレットが通過し終えればいい』
→必要なブレットの速さをy(センチ/秒)とすると
  y=(5+1.2)/(1/120)=744(センチ/秒)

『秒速7.5メートル以上の速度があれば狙撃が可能という事か・・・』
→744(センチ/秒)≒7.5(メートル/秒)
(Q.E.D)

ズキューン

ゴルゴ13 (133) 巻掲載
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ゴルゴ13第133巻-2戦域ミサイル防衛 TMD幻影

2009-03-15 00:58:46 | 第131巻~第135巻

■戦域ミサイル防衛 TMD幻影(第440話) 発表1999年8月

評価   ★★★★

依頼人 台湾一のコンツェルン”新竹カンパニー”孫大儀会長

ターゲット 財界若手グループに潜む中国スパイのあぶり出しと抹殺

報酬   不明

今回弾丸発射数       2/ 通算弾丸発射数 2,380

今回殺害人数      2/ 通算殺害人数   4,665

今回まぐわい回数     1/  通算まぐわい回数   109

<ストーリー>
右手がしびれる持病が再発!一度は依頼を断るゴルゴだが・・・

<この一言>
病気が・・・再発した・・・

<もう一言>
”仕事は、引き受けられない”・・・今言えるのは、それだけだ・・・

<さらに一言>
俺は、ただ・・・依頼者が絶対的に求める、技量と価値観を身につけるよう心がけているだけだ・・・・

<解説>
右手がしびれるゴルゴの持病が再発!突発的に再発する『ギランバレー症候群』とおぼしき症状が発生したゴルゴは、台湾に向かう。ゴルゴは『漢方雲南堂』にて、”十五種類の薬草をブレンド”した漢方薬の処方を受ける。ゴルゴと店の主人の会話に「いつもの通り」というやりとりがあることから、この『漢方雲南堂』はゴルゴのいきつけの店であることが判明。

その台湾の経済界では、独立を堅持しようとする長老保守派と、台湾・香港・中国の経済開放を目論む若手急進派とが対立していた。台湾一の総合コンツェルン”新竹カンパニー”の孫大儀会長は、政界にもにらみをきかす経済界の重鎮。アメリカが開発する戦域ミサイル防衛システムTMDを導入し、中国を牽制しようとする孫大義であるが、あからさまな導入はいたずらに中国を刺激するだけと考え、政界を巻き込んだ工作を画策する。一方、孫大義の息子『孫明』は、新竹カンパニー内にコンピューター会社を立ち上げ、台湾の技術・香港の経済・中国の労働力の統合を目指す台中合同プロジェクトを、香港の経済界ニューリーダー『白文興』らとともに立ち上げる。

白文興は中国共産党の回し者で、言葉巧みに孫明に近づき、孫明の父・孫大義は、孫明の母と妹『明明』を中国本土に置き去りにして台湾に逃れたと吹き込む。孫明は父親である孫大義に反感を抱き、台湾の対中国政策に対しても強固に反発する。長老保守派グループがTMD導入を目論んでいることをつかんだ孫明は、TMDに台湾の資金が投入されれば、台中合同の経済プロジェクトが頓挫すると考え、長老達との全面対決に出る。

若手グループに中国のスパイが入り込んでいることを掴んだ孫大義は、ゴルゴと接触。ゴルゴにスパイのあぶり出しと抹殺を依頼するが、ゴルゴは右手が使えないため依頼を断る。しかし、土下座をして頼み込む孫大義の意志をくみ、ゴルゴは依頼を引き受ける。長老対若手の会議が幕を開けた直後、白文興の元にゴルゴが白文興を狙っているとの情報がもたらされる。会議を中座した白文興を、孫大義の側近『朴周銘』が追う。この朴周銘こそが、中国のスパイであった。二人の接触現場をおさえたゴルゴは、左手で拳銃を撃ち朴周銘を狙撃。しびれがなくなった右手に拳銃を持ち替え、白文興を殺害する。

突然右手がしびれる持病について、具体的に記されているのは第6巻-1『喪服の似合うとき』第13巻-3『キャサワリー』のみ。『キャサワリー』は72年4月発表の作品だから、27年ぶりの再発となる。もっとも、『漢方雲南堂』の主人が、ゴルゴの持病を熟知していて何度も漢方薬を処方している旨の発言があること、孫大義も『ゴルゴ13は、何年かに一度、目的不明だが台湾を訪れて、その間は、どんな人物からの接触も許していない』と発言していることから、我々が把握している以上の頻度でこの症状が発生していると推測される。
第131巻-1『西洋の狭間に』に登場した”台湾政界黒幕 王基明”が再登場しており、前回依頼の謝礼を報酬とは別に振り込んだと伝えたところ、『余計な事だ・・・増額分は返しておいた・・・』と一刀両断されてているのが可笑しい。
また、娼婦『明明』が抱かれた後ゴルゴに惚れてしまったところ、『娼婦は客を”男”と思わないことだ』と軽くいなしているのもいい。
さて、本作のテーマTMDだが日本にも配備されている。作中ではミサイルをゴルフに例え『どこかに隠れた相手がボールを打ち出した瞬間に気づき、自分もあわててティーショットを打ち、互いのボールを空中で衝突させる』ようなものと説明されている。折しも、北朝鮮がミサイル発射(北朝鮮は人工衛星打ち上げと説明)を予定しており、日本国内に落下してくる場合は、MDで打ち落とすという。ゴルフボールのたとえを読んで、MDの精度が不安な私としては、ミサイル発射直後あるいは発射直前にゴルゴにミサイル爆破をしてもらいたい。某国(亡国?)のゴルゴ好きな総理、当然ゴルゴへの依頼は済んでますよね?外務省機密費をゴルゴへの報酬に使うのであれば、金額の如何に関わらず賛成する。

ズキューン

ゴルゴ13 (133) 巻掲載
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ゴルゴ13第133巻-1 黒い記憶

2009-03-08 23:55:35 | 第131巻~第135巻

■黒い記憶(第439話) 発表1999年12月

評価   ★★★★

依頼人
①組織
②ボストン医科大学 テッド・アンダーソン学長
③国立医学研究所デビッド・マコーマー

ターゲット
①FBI潜入捜査官エリック・マコーマー
②US・メディシン社 ジョン・フーバー会長
③―

報酬   ①②③不明

今回弾丸発射数       5/ 通算弾丸発射数 2,378

今回殺害人数      5/ 通算殺害人数   4,663

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   108

<ストーリー>
過去の記憶に悩まされる脳医学者。その脳医学者の黒い記憶とは・・・

<この一言>
約束の時間だ・・・

<解説>
国立医学研究所の『デビッド・マコーマー』は若き俊英。画期的な肥満解消薬を開発したデビッドは、大衆薬メーカー『US・メディシン社』フーバー会長とこの新薬を実用化しようとしていた。しかし、大衆薬メーカーであるUS・メディシンが新薬を開発し医学界でのステイタスを向上させると、学界向けの寄付金が減ることが想定されるため、『ボストン医科大学 テッド・アンダーソン学長』はゴルゴに接触、US・メディシン社会長『フーバー』の暗殺を依頼する。

アンダーソン学長とゴルゴが接触したとの情報がもたらされ、フーバーとデビッドはゴルゴに命を狙われていることを知る。父親が殺される場面に居合わせる夢に悩まされていたデビッドは、”ゴルゴ13”という単語に反応、自分が悩まされている夢にゴルゴが関連していると考え、調査を進める。

父親の死の謎と夢の謎を解く鍵は、ゴルゴに直接あたるしかないと考えたデビッドは、ゴルゴとのコンタクトを決意する。ガードマンを雇い、父親が殺された場所でゴルゴとの会見に臨むデビッド。ガードマンがゴルゴに撃たれる瞬間、幼少時の記憶が蘇る。デビッドの父親はFBIの麻薬潜入捜査官であったが、正体を見抜かれていた。組織はゴルゴを雇ってデビッドの父親を殺害させる。その現場に居合わせてしまったデビッドは、父親の最期の言葉「見たことすべてを忘れろ」を忠実に守ってきたのであった。すべてを悟ったデビッドであるが、父親と同じ場所でゴルゴの弾丸により絶命する。デビッドの父親は、ゴルゴの殺害シーンを目撃してしまったデビッドを守るために記憶を消すよう命じていたが、デビッドは真実を追い求め記憶を取り戻した刹那、命を失ったのである。

ゴルゴの殺害シーンを目撃してしまった息子を守るために、記憶を消すように命じたデビッドの父親、父親の哀願を受け入れ一度はデビッドを撃たなかったゴルゴ、そして、全てを思い出してしまったが故に殺害されたデビッド。三者の想いが交錯するシーンが印象的である。デビッドの最期のセリフが泣かせる。
”ごめんよ父さん、父さんの命令に背いてしまって・・・これから謝りに行くよ・・・”

ズキューン

ゴルゴ13 (133) 巻掲載
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ゴルゴ13第132巻-3少女サラ

2009-03-05 17:33:58 | 第131巻~第135巻

■少女サラ(第438話) 発表1999年7月

評価   ★★★★

依頼人 FLB(ブルターニュ解放戦線)エディス

ターゲット カルナック

報酬   不明

今回弾丸発射数       1/ 通算弾丸発射数 2,373

今回殺害人数      2/ 通算殺害人数   4,658

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   108

<ストーリー>
ボーイフレンドが地下鉄で掏った財布には細菌テロのキーとなる情報が記されていた。財布を預かった家出少女『サラ』は追われる身となるが・・・

<この一言>
彼女のことは心配しなくっていい・・・彼女もわかっている。これを乗り切らないと自分を救えないと・・・な。

<もう一言>
彼女を始末する気なら・・・まず、俺を始末するしかないぞ

<さらに一言>
俺には興味のない事だ・・・むだな演説だ、な・・・

<解説>
地下鉄で掏りをはたらく『パトリック』。パトリックは掏り盗った財布をガールフレンドである家出少女『サラ』に渡し、現行犯逮捕を免れていた。いつものように”仕事”をこなし、財布をサラに渡したパトリックであるが、偶然にもパトリックは細菌テロにまつわるメモを盗んでしまった。メモを取り返すべく『ナイフのアラン』は、サラを追い回す。アランがサラに迫ったその刹那、ゴルゴが現れサラを窮地から救う。今度はパトリックを脅してサラの居場所に迫るアランであるが、またもやゴルゴがサラに助けの手を差しのべる。サラを取り逃がしたアランが『カルナック』に電話を入れているところに、ゴルゴが現れサラの居場所をカルナックに伝える。

カルナックはFLB(ブルターニュ解放戦線)のメンバーであったが、もともと政治信条に興味はなく、大量虐殺テロを夢想する狂人であった。FLBの活動資金を盗んだカルナックは、FLBからも狙われる身となるが、FLBの追っ手を返り討ちにする。カルナックはコレラ菌を大量培養させパリにばらまくことを計画しており、サラが持っているメモにはコレラ毒を作る大腸菌遺伝子の塩基配列が記されていたのである。FLBはカルナックがなんらかの大規模テロを企てていることを察知し、ゴルゴにカルナックの殺害を依頼していたのであった。

サラとともにホテルの一室でカルナックを待ち受けるゴルゴ。カルナックが接近したのを知るや、サラをバスルームに隔離、ゴルゴはカルナックとの一騎打ちに出る。自らの身を盾にサラを守るゴルゴに、サラは心を打たれる。カルナックを倒し、ホテルを後にするゴルゴ。そして、改心して家に帰るサラ・・・。

ゴルゴが家出少女の更生に一肌脱ぐという感動ストーリー。”一肌脱ぐ”と言ってもそこはゴルゴ、ホテルで二人きりになるが、少女相手にまぐわったりはしない。教育者ばりに『これを乗り切らないと自分を救えない』と語り、サラの更正に手を貸すとはゴルゴにどのような心境の変化があったのだろう。そんな穿った見方をせず、静かな余韻に浸りたいハートウォーミングな作品。

ズキューン

ゴルゴ13 (132) 巻掲載
ゴルゴ13 (151) 巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

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