ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第85巻-4 14Kの謎

2007-07-29 23:52:54 | 第081巻~第085巻

■14Kの謎(第292話) 発表1989年3月

評価   ★★

依頼人  駐日中国大使館参事官(中国中央調査部)趙慎行

ターゲット 香港最大の地下組織”14K”の首領 陳秀清

報酬     不明

今回弾丸発射数      2/ 通算弾丸発射数 1,624

今回殺害人数        2/ 通算殺害人数   3,789

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    92

<ストーリー>
返還を目前に香港最大の地下組織”14K”が日本でも動き始めた。14Kの首領と日本の政治家の接点とは・・・

<この一言>
この依頼は・・・外交官としてか・・・?

<解説>
中国への返還を前に香港最大の地下組織”14K”が蠢き出した。中国返還後には取締が厳しくなることを見込み、日本進出を進めていたのである。中国調査部はこの動きを察知、日本での調査を進めていたが、”地上げ”案件を調査するうちに、江川不動産→保守党長老「黒井信介」→14Kの繋がりを突き止める。黒井は日中戦争当時、中国秘密結社の幹部を助けた縁で、裏社会とのパイプを脈々と育んできたのである。

中国調査部は、江川不動産と黒井が14Kの首領”陳秀清”に面談することをキャッチ、ゴルゴに陳の殺害を依頼する。香港返還後、中国当局は裏社会の根絶を図ることをアピールすべく、ゴルゴが陳を狙っていると言う情報を事前に流し、黒井の面前で陳を殺害するという条件の依頼内容であった。

ゴルゴは条件通り、事前予告をした上で陳を殺害、ゴルゴに勝負を挑んできた黒井の忠実な部下(息子?孫?)「ヨシオ」も葬り去る。

バブル絶頂の日本と返還前の香港を描いた作品。バブル期の地上げや中国犯罪集団の上陸など、日本社会のターニングポイントが描かれているのが分かる。しかし、ストーリー的には締まりがなく、①黒井の過去と現在の結びつきが曖昧②「ヨシオ」と黒井の関係も曖昧③「ヨシオ」とゴルゴの対決の必然性がない、といった印象を受ける。ゴルゴのルーツにからみ、その結果「ヨシオ」とゴルゴの血縁関係が疑われる、という展開だったらこの作品の評価も違ったものになっただろう。

ズキューン

ゴルゴ13 (85) 巻掲載
ゴルゴ13 145巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

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ゴルゴ13第85巻-3インディアン・サマー

2007-07-26 23:55:53 | 第081巻~第085巻

■インディアン・サマー(第291話) 発表1989年5月

評価   ★★★

依頼人  ネバタ・ファミリーのドン ウイリー・デカーロ

ターゲット カジノ強盗犯

報酬     不明

今回弾丸発射数      1/ 通算弾丸発射数 1,622

今回殺害人数        1/ 通算殺害人数   3,787

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    92

<ストーリー>
ネバタ州のカジノが強盗に襲われ、80万ドルが奪われた。犯人はユタ州に逃げ込んだという。ネバタ・ユタの州境のモーテルに、ゴルゴと保安官が鉢合わせ・・・

<この一言>
うまかったよ・・・

<解説>
ネバタ・ユタを結ぶルート80号沿いにあるモーテルにゴルゴが現れる。盲目の母とともにモーテルを営むシンディは、出稼ぎに出た兄「ハンク」の帰りを待っていた。そんな折、保安官が現れ、ネバタ州のカジノで80万ドルが奪われ犯人がユタ州に逃げ込んだことをシンディらに告げる。保安官が去った後、ハンクがモーテルに帰ってくる。ハンクはシンディらに隠れてテッドをモーテルに招き入れる。ハンクとテッドこそが、ネバタ州で発生した強盗の犯人であり、”ボス”に強奪した現金を渡すためにモーテルに立ち寄ったのだった。

シンディはテッドに気付かなかったが、盲目の母はテッドの気配に気付きハンクの部屋に押し入る。盲目の母は、息子ハンクがカジノ強盗であることを察知し、息子を悪の道に導いたテッドを射殺しようとする。ハンクとテッドがもみ合うなか、盲目の母の放った銃弾がハンクを捉える。テッドは逃げ出すが、シンディと母はハンクの亡骸のもとで悲しみにくれる。

テッドは”ボス”に強奪した金を渡しに行くが、ボスの裏切りに合い殺されてしまう。カネを独り占めしたボスの前にゴルゴが立ちはだかる。ボスの正体は保安官で、ゴルゴは強盗犯の殺害をネバタ・マフィアのドンより依頼を受けていたのであった。拳銃の抜き合いとなるが、”田舎の保安官”はゴルゴの敵ではなくあっけなく勝負がつく。

盲目ゆえ、すべてを気配で察する母親が物悲しい。息子への愛情が仇となり息子ハンクを死に至らしめてしまう。しかし、その銃口は確実にテッドの心臓を捉えており、目が見えない分、恐ろしいまでに嗅覚・聴覚・皮膚感覚が優れているのだろう。そんな母親のゴルゴ評:あの男は”普通”じゃない・・・あの男はけだものの臭いがする・・・、そうピューマのような息づかい・・・なんだよ。

ズキューン

ゴルゴ13 (85) 巻掲載
ゴルゴ13 145巻(最新刊)
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ゴルゴ13第85巻-2公開処刑の日

2007-07-25 23:39:00 | 第081巻~第085巻

■公開処刑の日(第290話) 発表1989年11月

評価   ★★★

依頼人  イスラエル モサド ネーマン部長

ターゲット 絞首台のロープ

報酬     $500,000

今回弾丸発射数      1/ 通算弾丸発射数 1,621

今回殺害人数        0/ 通算殺害人数   3,786

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    92

<ストーリー>
イスラエル・モサド工作員がイラク公安警察に逮捕され、死刑判決を受けた。モサドはエージェントを必ず取り返すというポリシーに基づき・・・

<この一言>
さあな・・・

<解説>
イスラエル・モサド工作員「モシェ・バルカ」が、イラク秘密警察に逮捕され死刑宣告を受けた。モサドエージェントはなんとしても取り返すというポリシーのもと、モサドのネーマン部長は部下にイラク入りを命ずる。フランス放送局の特派員に化けたモサド工作員は、「モシェ・バルカ」の公開処刑を撮影するよう指示を受け待機する。

各国報道陣や人権擁護団体が見守る中、モシェ・バルカがイラク秘密警察に連れられ、絞首台の前に現れる。バルカの首にロープがはめられ、足下の板が外されたその刹那、ゴルゴの銃弾がロープを射抜く。バルカは宙づりになることなく地面に落下、死刑執行は失敗に終わる。

各国報道陣監視の中、失敗した死刑執行を再度執り行うことは恥の上塗りになるため、サダム・フセインは死刑をあきらめざるを得なくなったのである。

サダム・フセインが実名で登場する作品。CNNがその名を馳せるのは1991年の湾岸戦争であるが、1989年発表の本作は映像ジャーナリズムが権力の監視役になることを提言している作品でもある。しかしながら、現実には湾岸戦争の映像は戦争の抑止力とはなり得ず、戦争のテレビゲーム化とでも言うべきリアリティの希薄化をもたらした。

ズキューン

ゴルゴ13 (85) 巻掲載
ゴルゴ13 145巻(最新刊)
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ゴルゴ13第85巻-1イタリアン・コネクション

2007-07-23 23:56:56 | 第081巻~第085巻

■イタリアン・コネクション(第289話) 発表1989年10月

評価   ★★★

依頼人  ファッションデザイナー「ジュリオ・コルドーニ」の母コルドーニ夫人

ターゲット マフィア幹部ドン・チェザーレ

報酬     不明

今回弾丸発射数      1/ 通算弾丸発射数 1,620

今回殺害人数        1/ 通算殺害人数   3,786

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    92

<ストーリー>
イタリアの若手ファッションデザイナー「ジュリオ・コルドーニ」が殺された。息子を殺された母親はゴルゴに接触し・・・

<この一言>
本当の事を・・・話してもらおう、か・・・

<もう一言>
わかった・・・”話”に、うそはないようだ・・・

<解説>
イタリアの新進デザイナー「ジュリオ・コルドーニ」はヨーロッパ・アメリカで人気を博していた。これに目をつけた日本の商社「全日商事」はコルドーニと商談、コルドーニブランドの日本での独占販売権を獲得する。コルドーニはマフィア幹部ドン・チェザーレの庇護の下に人気を拡大してきたが、コルドーニはチェザーレの傘下にいることを快く思わず、またチェザーレもコルドーニが独自の行動を取ることを苦々しく思っていた。そのような折、イタリアの麻薬密輸ルートを調査していたDEA(アメリカ合衆国麻薬取締局)ダリオ・ソシエールは、チェザーレが取り仕切る麻薬密売を内偵、日本でチェザーレの部下を逮捕する。

チェザーレは部下が逮捕されたのはコルドーニの裏切りによるものと誤解し、コルドーニを殺害する。ソシエールはかつて自分の息子をコルドーニに助けられたことがあり、コルドーニ殺害は自分のせいであるとの呵責から、コルドーニの母親と共にゴルゴチェザーレの殺害を依頼する。

依頼通り、ゴルゴは成田空港でチェザーレを殺害する。チェザーレの愛人アンジェリーナの肩パットに隠してあった麻薬が発見され、日本への密売ルートは閉ざされた。

登場人物の欲望が生々しく描かれている。マフィアの後ろ盾ではなく自身の力でのしあがったと思いたいコルドーニ。麻薬密売で権力と富と女をものにするチェザーレ。コルドーニの恋人「アンジェリーナ」が、実はチェザーレの愛人という設定がエグい。また、コルドーニの母親にチェザーレ殺害の報酬を支払わせながら、自身の復讐も相乗りさせてしまうソシエールもなかなかの腹芸を見せている。
1989年発表の本作にはバブル絶頂の日本が描かれている。
『金儲けのためなら地獄の底にだって行く、という日本の商社』
『恋の時間まで”円”で買われちゃかなわない!』
「武道館で開催されるファッションショー」
世界を買い漁っていたバブルマネー、今は昔の物語だ・・・

ズキューン

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ゴルゴ13第84巻-3ロンサム・ジョージ

2007-07-22 23:16:44 | 第081巻~第085巻

■ロンサム・ジョージ(第288話) 発表1988年11月

評価   ★★★

依頼人  サー・ウインストン・ロス

ターゲット ゾウガメを殺しに来るKGB工作員

報酬     $500,000

今回弾丸発射数      1/ 通算弾丸発射数 1,619

今回殺害人数        1/ 通算殺害人数   3,785

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    92

<ストーリー>
ガラパゴス諸島ピンタ島でゾウガメが絶滅の危機に瀕していた。サー・ウインストン・ロスはメスのゾウガメを探した者に懸賞を出すと発表、ピンタ島に懸賞目当ての人々が群がる・・・

<この一言>
国外に来ている本物の日本人記者なら、頭を下げると言う日本流の挨拶を、わざとらしくはしないものだ・・・

<解説>
ガラパゴス諸島ピンタ島では、ゾウガメが絶滅の危機に瀕していた。サー・ウインストン・ロスは、メスのゾウガメを探した者に懸賞金を出すと発表、ピンタ島にはゾウガメ目当ての人々が大挙して押しかけてきた。やがてメスのゾウガメが発見され、ゾウガメ絶滅は回避されるかに思われた。

一方、歴史的に生物学に弱いソ連は、キューバの若手生物学者がゾウガメの研究に乗じて西側に亡命することを恐れ、ピンタ島にゾウガメ暗殺の刺客を送り込む。

ソ連の動きを察したウインストンはゴルゴにゾウガメの”警備”を依頼する。ゴルゴはピンタ島にやってきた日本流のお辞儀をする男をマークし、ウガメの飼育小屋に忍び込んだ男を始末。

ガラパゴス諸島の自然と絶滅種をテーマにした作品。ガラパゴス諸島とダーウィンの進化論、ソ連の遺伝学・生物学の考え方が詳述されている。ゴルゴはあくまで脇役で、珍しく警備の依頼を受けている。

ズキューン

ゴルゴ13 (84) 巻掲載
ゴルゴ13 145巻(最新刊)
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