ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第80巻-3熱砂の彼方に

2007-07-05 23:45:20 | 第076巻~第080巻

■熱砂の彼方に(第276話) 発表1988年12月

評価   ★★★★

依頼人  国連食糧農業機構 特別委員会『プロジェクト・スコルピオ』
      実行委員長ロレンソ・トリガーノ

ターゲット ユニオン・アフリカーヌの『ゴッド・ファーザー』ジョルジュ・レ・バン

報酬    $1,000,000

今回弾丸発射数     29/ 通算弾丸発射数 1,582

今回殺害人数       38/ 通算殺害人数   3,733

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    91

<ストーリー>
アフリカン・マフィアが食糧政策を歪め、寄付や義援物資を横流ししていることを重く見た国連は、ゴルゴにボスの殺害を依頼する・・・

<この一言>
わかった・・・引き受けよう。ただし条件が一つ。依頼者とは以後無関係・・・二度と会うことはない・・・

<解説>
国連食糧農業機構は、アフリカの飢饉は人為的なものであると発表する。アフリカン・マフィア”ユニオン・アフリカーヌ”が暗躍し、援助物資や義援金を横領したり、アフリカ国内の食料が不足しているにもかかわらず食料輸出で富を築くなど、食料と富の偏在が作り出されていたのである。事態を重く見た国連は、ゴルゴにユニオン・アフリカーヌのボス「ジョルジュ・レ・バン」の殺害を依頼する。

ゴルゴは西アフリカのマリ共和国にて行動を開始、人気の無い村で一人の少年と出会う。父親をレ・バンに殺された少年は、ゴルゴをレ・バンのいるトゥアレグに案内しながら、ゴルゴよりも先にレ・バンを殺すと息巻く。少年はレ・バンの手下に殺されてしまうが、死の直前、「これで、やつを(殺してくれ)」とゴルゴにダイナマイトを託す。

ここからのゴルゴが熱い。少年の思いに応えるべく、M16を撃ちながら丘を全力で駆け下りレ・バンの屋敷を占拠、レ・バンの手下を次々になぎ倒す。最後はレ・バンのペットである豹に少年から預かったダイナマイトをくくりつけ、レ・バンに向かって解き放つ。豹を抱き寄せたレ・バンは、ダイナマイトを見て最期を悟るのであった。

ゴルゴの戦闘能力が如何なく発揮される作品。少年の最期の願いを汲み取るゴルゴの男気が読者の涙を誘う。少年がゴルゴに託したモノが明らかになるラストシーンは、パズルが解けたような爽快感を味わえる。

ズキューン

ゴルゴ13 (80) 巻掲載
ゴルゴ13 145巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

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ゴルゴ13第80巻-2レバノンの焦燥

2007-07-02 01:39:28 | 第076巻~第080巻

■レバノンの焦燥(第275話) 発表1987年7月

評価   ★★★

依頼人  ジョージ・エドモントン上院議員

ターゲット 誘拐犯ベン・メンデレス/ムハマド・ハシム/アメード・サラ

報酬    不明

今回弾丸発射数      2/ 通算弾丸発射数 1,553

今回殺害人数        3/ 通算殺害人数   3,695

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    91

<ストーリー>
レバノンでアメリカ人大学教授夫妻が誘拐された。仲介役を買って出たエドモントン上院議員は犯人2人を同時に射殺する計画を立てる・・・

<この一言>
弾丸は自前で用意した・・・

<解説>
レバノンでアメリカ人「ハリソン教授夫妻」が誘拐された。犯人は「イスラム聖戦革命細胞」を名乗り、身代金を要求。ハリソン夫人と愛人関係にある「ジョージ・エドモントン上院議員」は、犯人との仲介役に名乗りを上げ、人質救出作戦を立案する。その作戦とは、誘拐犯二人を同時に射殺した後、もう一人の犯人を射殺するというもの。エドモントンは元SWAT(連邦捜査局特別狙撃チーム)のスナイパーに狙撃を依頼するが、「同時に射殺」は不可能として断られてしまう。

エドモントンとCIAは「同時に射殺」という同条件でゴルゴにスナイプを依頼する。ゴルゴは200m離れた誘拐犯二人を一発の銃声で仕留め、さらにもう一人の誘拐犯を狙撃、人質救出を遂げる。
ゴルゴは「NATO-M198実包」弾という二重弾を使用し、一石二鳥射撃を行ったのだった。この二重弾、距離100ヤード先の狙点の半径20インチに着弾するという。実戦で本当に「一石二鳥」が可能なのだろうか?恐ろしい兵器が存在することに戦慄を覚える・・・

CIA「サンディ・スコット」が「俺の怖いのはAIDSだけさ」と、CIA女性職員と軽口を交わしている。本作発表の1987年は、世界的にAIDSに対する認知と脅威が広まった時期と一致する。世界保健機構(WHO)が「世界エイズデー」を制定したのが1988年だ。一方の「ハリソン夫妻」。夫人とエドモントン議員の不倫がバレてしまったのだが、その後の夫婦関係はどうなったのだろう・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (80) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

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ゴルゴ13第80巻-1楽園の汚染

2007-06-28 23:57:44 | 第076巻~第080巻

■楽園の汚染(第274話) 発表1987年11月

評価   ★★★

依頼人  国連人権擁護委員会ウィルソン女史

ターゲット 売春シンジケートのボス フランク・ボネ

報酬    不明

今回弾丸発射数     10/ 通算弾丸発射数 1,551

今回殺害人数       14/ 通算殺害人数   3,692

今回まぐわい回数    1/  通算まぐわい回数    91

<ストーリー>
カリブ海の”セント・トーマス島”は売春が産業化、人身売買が横行していた。売春シンジケートのボスの殺害依頼を受けたゴルゴは・・・

<この一言>
ふしぎな所に、警察があるんだな・・・

<解説>
カリブ海”セント・トーマス島”に停泊中の貨物船からコンテナに詰め込まれた60名の少女が発見され、そのうち28名が死亡という事件が発生。セント・トーマス島では売春が産業化しており、大規模な売春・人身売買シンジケートの存在が疑われていた。国連人権擁護委員会は、シンジケートのボス「フランク・ボネ」の抹殺を決断、ゴルゴに依頼を行う。

セント・トーマス島に上陸したゴルゴは、ボネの経営する売春宿を訪れ、ボネの娘「アンジェラ(アンジー)」に近づく。ゴルゴを誘ったアンジェラは、なんとSM愛好家でムチを持参。ゴルゴをムチで叩き、恍惚の表情を浮かべる。一方のゴルゴも顔に汗を流しながら熱の入ったハードなプレイで応酬、アンジェラに「ちくしょう。な、なんて男なのっ。やめたら殺すから!!」とまで言わせている。

プレイ直後にボネの手下に捕らえられるゴルゴであるが、アンジェラのSMプレイに続き、ここでも縛られてムチ打たれる。本作は緊縛とムチ打ちといったサディズムが裏テーマか?
ゴルゴは見張り2名を殺して脱出、さらにはボネの手下8名をなぎ倒した後、ボネの乗る飛行機を爆破し、依頼を完遂する。

ゴルゴがSMプレイに挑む異色作。アンジェラのエキセントリックなキャラが面白い。ゴルゴを誘った直後、下着姿にブーツでムチを持って現れるなど、リアルなSM愛好家であることが伺われる。一連の発言もぶっ飛んだ感覚で貫かれていて笑いを誘う。
「わたしは売り物じゃないけど、わたしがあんたを買ってあげる」
「このひきしまった肉を打つ音!たまらないわ!ふふ・・・」
「ち、ちくしょう!!ペニスを切り落としてやる!!」
さすがのゴルゴも最後のセリフには耐えられまい・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (80) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)
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ゴルゴ13第79巻-3ペルソナ・ノン・グラータ

2007-06-26 23:39:56 | 第076巻~第080巻

■ペルソナ・ノン・グラータ(第273話) 発表1988年2月

評価   ★★★

依頼人  CIA ?

ターゲット KGB暗殺専門工作員”クリューチ”

報酬    不明

今回弾丸発射数      1/ 通算弾丸発射数 1,541

今回殺害人数        1/ 通算殺害人数   3,678

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    90

<ストーリー>
ロンドンでKGB職員が殺された。第一発見者の娼婦”ダイアナ”とゴルゴの関係は・・・

<この一言>
令状を見せてもらおう・・・

<解説>
ロンドンでKGB職員が殺された。第一発見者の娼婦”ダイアナ”を取り調べたロンドン警視庁マクレガー主任は、被害者を隠し撮りした写真にゴルゴが写っているのを発見する。ゴルゴの素性を知ったマクレガーはゴルゴを拘束し、KGB職員殺しの自供を迫るがゴルゴは応じない。娼婦”ダイアナ”をそそのかし、ゴルゴを犯人に仕立てようとするマクレガーであるが、ダイアナはこれを拒否。証拠不十分のまま釈放されたゴルゴをマークするロンドン警視庁を尻目に、第二のKGB職員殺人事件が発生。マクレガーは、ゴルゴの無罪を確認する羽目になる。

一方のゴルゴはロンドン空港で、ダイアナとすれ違う。ダイアナをKGBの殺し屋”クリューチ”と見破っていたゴルゴは「CIAがゴルゴを雇ってクリューチ殺害に乗り出した」との情報を流し、ダイアナをロンドン空港におびき寄せたのであった。ゴルゴは宿泊中のホテルで外部と連絡を取っていることから、”クリューチ”殺害を請け負ったと想定されるが、依頼人がCIAかどうかは未確定である。

娼婦ダイアナがKGB暗殺専門工作員”クリューチ”であるという、意外な展開が面白い。ラストのダイアナとゴルゴの対決は、激しい動的なシーンを敢えてスローモーション風にコマ割りして描かれている。ダイアナの放ったナイフをすんでの所で避けるゴルゴや、ゴルゴの弾丸にのけ反るダイアナは、映画『マトリックス』の描写を先取りしているかのようだ。
東西諜報機関の対決を主題にした作品であるが、冷戦構造の終焉と共産主義崩壊の兆しが窺われ、当時の国際情勢を反映していると言えよう。

なお、MI6のゴルゴ・プロフィールにある「眼・正常無矯正」というのは、言わずもがなの感があるが、具体的に記されたのは本作が初めてである。

ズキューン

ゴルゴ13 (79) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)
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ゴルゴ13第79巻-2二十年目の毒

2007-06-25 00:36:45 | 第076巻~第080巻

■二十年目の毒(第272話) 発表1987年8月

評価   ★★★

依頼人  ベトナム政府高

ターゲット ウエスト・パーカー(本名ウィリアム・ブーン)/”ソンミ村事件”を撮影したフィルムの焼却

報酬    不明

今回弾丸発射数      2/ 通算弾丸発射数 1,540

今回殺害人数        2/ 通算殺害人数   3,677

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    90

<ストーリー>
1965年の海兵隊によるベトナム”ソンミ村”虐殺事件のカギを握る「ウエスト・パーカー」。彼はソンミ村事件のフィルムを何処に隠したのか・・・

<この一言>
あんたの奥さんに・・・花でもあげてくれ・・・

<解説>
ベトナム戦争中の1965年、”ソンミ村”の住民700名が海兵隊に虐殺された。銃器による虐殺とされたが、実際は化学兵器実験のために住民が犠牲になったのであった。この事実を記したマイクロ・フィルムを持ちオーストラリアに逃れた「ウエスト・パーカー」は、アメリカ陸軍情報部に捕らえられる。アメリカは脱走兵としてパーカーの身柄を確保するも、パーカーは肝心のフィルムの所在を明らかにしない。

一方、ソンミ村事件で家族を失ったベトナム政府高官は、忌まわしい事件の記録を抹消するために、パーカーの殺害とマイクロ・フィルムの焼却をゴルゴに依頼する。ゴルゴはパーカーを通常よりも破壊力のある銃弾で狙撃し、頭部を粉々に砕く。パーカーは手術によりマイクロフィルムを頭部に埋め込んでいたのであった。

パーカーの頭部にマイクロフィルムを埋め込む手術をした医者から話を聞いたゴルゴは、謝礼として現金を渡す。老医者がこれを拒むと、「あんたの奥さんに・・・花でもあげてくれ・・・」と渋いセリフで現金を受けとらせるゴルゴがニクい。なんの変哲もないストーリーだが、ラストのこのセリフが物語に”花”を添えている・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (79) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)
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