ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第118巻-3老いた獅子

2008-06-29 00:51:10 | 第116巻~第120巻

■老いた獅子(第396話) 発表1996年5月

評価   ★★★

依頼人  クルド民族司令部

ターゲット イラク・バビルライオン部隊司令官アマド

報酬    不明

今回弾丸発射数       1/ 通算弾丸発射数 2,133

今回殺害人数         1/ 通算殺害人数   4,271

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   105

<ストーリー>
クルド民族の「老師バゼリ」は、かつて獅子と呼ばれた闘士であった。敵対するイラク司令官「アマド」の殺害依頼を受けたゴルゴに対しバゼリは・・・

<この一言>
こんな場所で同じ種類の人間が邂逅するのを、偶然と思えるほど、俺は楽天家じゃない・・・

<もう一言>
臆病者ほど、、お喋りだという事だ・・・

<さらに一言>
お前に俺は殺せない・・・なぜならお前は腰抜けだからだ・・・

<解説>
イラン・イラク・トルコの国境が接する山岳地帯に暮らすクルド民族の歴史は、迫害の歴史であった。クルド民族司令部は、同胞を毒ガスで虐殺したイラク・バビルライオン部隊司令官「アマド」の殺害をゴルゴに依頼する。

クルド民族の「老師バゼリ」は、かつてアマドを狙撃する機会を得たが、イラク人からの報復を恐れそのままやり過ごした過去を引きずっていた。拷問の恐怖におののき逃げ帰ったことを悟られまいと、自身の右腕を撃ち抜き仲間の元に戻ったバゼリであるが、その後アマドの毒ガス使用により、クルド人数千名が虐殺されたのだ。バゼリはアマドに肉薄した英雄として「獅子」と崇められていたが、自身の過去を克服しすべくゴルゴに接触する。

ゴルゴに近づいたバゼリであるが、アマドは自分が仕留めるとしてゴルゴの命を3度狙う。殺気を察したゴルゴはその都度バゼリの挙動を封じるが、命を取ることはせず行動を共にする。アマドがゴルゴの射程圏内に入った刹那、バゼリがゴルゴに先んじてアマドに向かって発砲、そのままイラク兵に単身突入していく。ゴルゴがアマドを仕留めるも、バゼリはイラク兵の銃撃により殺害される。しかし、バゼリは獅子としての威信を取り戻したことで過去を克服したのであった。

三度までもゴルゴの命を狙ったバゼリを何故ゴルゴは許したのであろう?センチメンタルな見方をすれば、老いたバゼリに、ゴルゴは自分の将来を重ね見たのではないか?ゴルゴがプロフェッショナルとして決して許せないであろう「臆病者」「腰抜け」になった時こそ、自身の引き時であると自戒の意味を込めてバゼリを泳がせたのではないか。ただ単にバゼリにプライドを取り戻させる程、ゴルゴはお人好しではなかろう。

ズキューン

ゴルゴ13 (118)巻掲載
ゴルゴ13 148巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

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ゴルゴ13第118巻-2遺作

2008-06-14 23:58:03 | 第116巻~第120巻

■遺作(第395話) 発表1995年10月

評価   ★★★

依頼人  エレーナ・シュトライヒャー

ターゲット シュトライヒャー撮影のフィルム

報酬    不明

今回弾丸発射数       3/ 通算弾丸発射数 2,132

今回殺害人数         2/ 通算殺害人数   4,270

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   105

<ストーリー>
ヒットラーの最期を撮影した女流カメラマン。彼女が最後の仕事として選んだ被写体は・・・

<この一言>
あんたが俺への依頼の前に笑顔を見せられる女だという事は分かった・・・だから、すぐに用件に入ってもらおうか・・・

<解説>
第二次世界大戦末期、ヒトラーの愛人となり記録映像を撮影した「エレーナ・シュトライヒャー」。ヒトラーの映像を守るために被弾し、義眼となった彼女はカメラを回すことなく隠匿していた。しかし、ゴルゴの存在を知った彼女は、ゴルゴの狙撃シーンを最後の仕事にすべく行動に出る。

エレーナはテレビ局にヒトラーの足跡と現在のナチスシンパを映像化する企画を持ち込み撮影を開始する。一方、元夫にヒトラー最期の映像を持ち込み、ナチスシンパの上映会が開催されるように画策する。同時にゴルゴに対して、上映会の最中にフィルムを狙撃しフィルムを抹殺するように依頼する。

全ての舞台を整えたエレーナは、自らの義眼にカメラを埋め込み、ハンディビデオカメラを携え、湖に浮かぶボートに身を隠しながらゴルゴの狙撃シーンを撮影する。狙撃の瞬間を撮影したエレーナであったが、レンズの反射光に気付いたゴルゴにより義眼を撃ち抜かれ、湖中にカメラもろとも沈む。

ゴルゴの狙撃シーンを撮影しようとして返り討ちにあうパターン。ナチスと因縁の深いゴルゴであるが、ヒトラーの元愛人と対峙する羽目になろうとは思いも寄らなかったに違いない。若き日の艶めかしい表情が印象的なエレーナだが、50年を経ても当時のプロポーションを維持しているのがコワイ。お付きのワンツも50年前と変わらず、エレーナに対し憧憬の念を抱いているがこちらは何とも痛々しい・・・。

ズキューン

ゴルゴ13 (118)巻掲載
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ゴルゴ13第118巻-1未明の標的

2008-06-08 19:38:35 | 第116巻~第120巻

■未明の標的(第394話) 発表1995年12月

評価   ★★★

依頼人  ボビーの父親

ターゲット インド人 バイディア

報酬    不明

今回弾丸発射数       1/ 通算弾丸発射数 2,129

今回殺害人数         1/ 通算殺害人数   4,268

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   105

<ストーリー>
ターゲットを乗せた飛行機がハイジャックされた。飛行機を着陸させ、機内に籠城したハイジャック犯に対してゴルゴは・・・

<この一言>
俺のスタイルは気にしないでくれ・・・用件に入ってもらおうか・・・

<解説>
北イングランドでボビーの首なし死体が発見された。ボビーの父親は、ボビー殺しの犯人がインドの有力一族出身の「バイディア」であることを知る。しかし、バイディアはインドに強制送還され減刑されることが明白であった。ボビーの父親は、ゴルゴに天誅を下して欲しいと依頼する。

インドの飛行場でバイディアの送還される飛行機を待ち構えるゴルゴであるが、飛行機の異変を感じ取る。バイディアの乗せられた飛行機はハイジャックされ、犯人が籠城していたのである。インドのウラ人脈に通じた老人を訪ね、盗聴のエキスパートの紹介を受けたゴルゴは、機内の状況を盗聴させのバイディアの座席位置を特定させる。

ハイジャック犯制圧のためNGS(インド国家保安隊)が乗り出すことになったが、ゴルゴはNGS隊員になりすまし機内に潜入。バイディアを確認すると、ハイジャック犯を狙う素振りを見せてバイディアを射止める。ハイジャック犯の顔面に弾丸をかすらせてバイディアを狙撃するあたり、芸が細かい。NGSがハイジャック犯一味を制圧するスキにゴルゴは姿をくらます・・・

リバプールで依頼を受けてからすぐにインドに飛び、ハイジャックという不測の事態にも対応した上で仕事を完遂するゴルゴがスゴイ。依頼を受けるときの服装とバンガロールで飛行機を待ち受ける時の服装が同じ(いずれもチェック柄のシャツを着用)ということは、本作は依頼からミッションコンプリートまで、ごくごく短時間でなされたことが分かる。突発事象に対しても俊敏かつ完璧な段取りを行うゴルゴの仕事ぶりを見習いたいものである・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (118)巻掲載
ゴルゴ13 148巻(最新刊)
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