■HAPPY END(第420話) 発表1997年8月
評価 ★★
依頼人 ①不明 ②サミュエル・スヴェンソン
ターゲット ①東部から来た不動産王 ②サミュエル・スヴェンソンの防弾チョッキ
報酬 ①不明 ②不明
今回弾丸発射数 2/ 通算弾丸発射数 2,307
今回殺害人数 2/ 通算殺害人数 4,602
今回まぐわい回数 0/ 通算まぐわい回数 107
<ストーリー>
人気漫画作家”スヴェンソン”は、アクション・ヒーローものを描くのに疲れ切っていた。連載を打ち切るためにゴルゴに接触したスヴェンソンは・・・
<この一言>
・・・
<解説>
人気漫画家『サミュエル・スヴェンソン』は、長期連載しているアクション・ヒーロー『ゲーリー・ライトニング』を書き続けるのに辟易していた。マンネリ化した作風により自らの成長がないこと、マニアックなファンからストーカーのようにつきまとわれるなど、作品を描き続けていくには限界であった。
休暇を取って旅にでたスヴェンソンは、海岸沿いのリゾートでくつろぐゴルゴを見かける。プールサイドで休んでいても、一時も緊張を弛緩させないゴルゴを見て、ただ者でないと感じたスヴェンソンは、ゴルフを終えてきたゴルゴに声をかけ、ラウンドを申し込む。スヴェンソンの申し出を受け入れたゴルゴは、自らカートを運転しスヴェンソンとゴルフをプレーする。ナイスショットを放つゴルゴに、スヴェンソンはある狙撃の依頼を行う。
休暇から戻ったスヴェンソンは、ファンとの集いに参加する。スヴェンソンは、ゴルゴに対し防弾チョッキを着用するので、胸を狙撃してほしいと依頼していた。漫画のヒーロー『ゲーリー』に撃たれて死亡したことにして、隠居し別の作品を描くことを決めたのである。ゴルゴがスヴェンソンに向かって弾丸を放つのと同時に、ストーカーまがいのマニアックなファンが、スヴェンソンに向かって至近距離から拳銃を放つ。マニアはゲーリー連載を打ち切ることが許せず、スヴェンソンを逆恨みして引き金を引いたのであった。スヴェンソンは防弾チョッキを着用していたが、同時に2発の弾丸を受けたため、弾丸が心臓に到達してしまい、死亡してしまう。
ゴルゴとその作者さいとうたかををセルフ・パロディにした作品。ゴルゴとさいとうたかを本人、ゴルゴファンを面白おかしく記している。
・世界を股にかける破壊工作員”ゲーリー・ライトニング”
・女にもてて、敵の弾丸は向こうからよけて飛んでいく
・ファンは、どの作品のどの場面で何回笑ったか、何人の敵をいつ、どの武器で倒したか分かっている
作者自身については、どこまで本気か分からないが、
・何度やめようとしたか、わからんよ・・・だが、周囲は許してくれなかった
・何度も殺してやろうと考えた。だが、奴は不死身なんだ!
・もうトシさえとりはしない
・もはや作者である俺さえも奴を始末できなくなってしまった
と自虐的にスヴェンソンを描いている。
セルフ・パロディもここまでくると面白い。本作もある意味、ゴルゴの最終回として考えられた作品の一つであろう。が、単体のゴルゴ作品として評価すると本作の評価は低い。本作のゴルゴは、マニアの不可抗力があったとはいえ、ミッションに失敗している。スヴェンソンの依頼はスヴェンソンを殺したように見せかけることにあって、殺してはいけないはず。とまあ、こんなつっこみをすると作者を悩ませてしまってゴルゴが終わってしまうなんてことは、絶対ありませんね・・・。
ズキューン
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ゴルゴ13の倒し方を話し合う、ホームページかブログでは、確か作者の殺害は禁じ手になっていました。
>セルフ・パロディもここまでくると面白い
このストーリーを考えたのはまさか・・・。敵の弾丸は向こうからよけて飛んでいく以外はそのままですね。(ゴルゴンも意外と弾に当たっています)
本日の一句「パロディも、ここまでくると、面白い」
>作者の殺害は禁じ手
この作品を描いたときの、さいとう先生の心境はいかに?ですね。多分、スタッフと笑いながら描いたのだと思います。
さて、この作品が発表された数年後、同じビッグコミック誌上でこの話のラストのごとき事態がおきました。
石ノ森章太郎氏の「HOTEL」は作者の死去により連載は終了する筈でした。
しかし残されたスタッフにより作品は描かれ続け、現在も増刊号で連載は続いているのです。
さいとう氏はこれをどんな気持ちで観てるのでしょうか・・・。
コメントありがとうございます。
>現在も増刊号で連載は続いているのです。
「HOTEL」がまだ連載されているとは知りませんでした。
石ノ森章太郎氏とさいとう・たかを氏は親友同士だったのですよね。さいとう氏がどう思っているか、知りたいですね。
少々事例は異なりますが、TVCMで『サザエさん』一家のその後が放映されています。ワカメが宮沢りえだったり、イクラちゃんがCEOになっていたりと、なかなかイイ味出してますね。長谷川町子先生はどうお感じになっているのでしょうか。
この話、忘れがちですが意味深で面白いですよね
>ゴルゴの寿命はどうなる!
(笑)ビッグ・セイフ作戦のころからは、成長の跡が見られますが、ほんとどうするんでしょうね~
年をとらない同士、サザエさんシリーズにゴルゴが乱入という異色コラボも見たい!
依頼をする場面でスヴェンソンが「”ライトニング”は決して頭は狙わない・・・必ず心臓を打ち抜く・・・」とゴルゴに念押ししているので、
スヴェンソンはゴルゴに、狂言で死んだふりをする、ということを言わずに「ゲーリーとして私を殺してくれ」というような依頼をしたのではないでしょうか?
狂言であることを言っているならば、「頭は打たないでくれ」なんて言うまでもありませんし。
お留守番のマリヨ神父です(笑)
既にさいとう・たかを氏のオリジナル他作品の「雲盗り暫平」や「影狩り」では別の作者による新作品がコミック乱等で連載されていますので、間違いなくさいとう・たかを氏にもしもの場合があっても連載は続くと思われます!
ただ、ドラえもんや最近では「クレヨンしんちゃん」等のようにギャグ漫画ではなくリアル系劇画なので、ゴルゴが80歳過ぎまで働けるのか?と云う疑問符は付きますが…
…どうなんでしょうかねぇ!?