ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第139巻-4フィアレス

2009-06-22 00:13:26 | 第136巻~第140巻

■フィアレス(第461話) 発表2001年3月

評価   ★★★★

依頼人 なし

ターゲット 元KGB職員イギーリ・ソルベノ

報酬 なし

今回弾丸発射数        3/ 通算弾丸発射数 2,524

今回殺害人数       3/ 通算殺害人数   4,845

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   112

<ストーリー>
死を恐れず自爆覚悟でゴルゴを襲う刺客たち。陰で糸を引いているのは・・・

<この一言>
死の恐怖・・・恐怖だけが我々を危険から遠ざけてくれる。そうすれば生き残っていく事ができる・・・俺は・・・そうしてきた・・・

<解説>
自爆覚悟でゴルゴを襲う者が続出。自らの体を貫通させてゴルゴの射殺を試みる男、列車の通路で自らの体内に仕掛けた爆弾で爆殺を試みる少年。情報屋を使って刺客の共通項を調べてみると、いずれもが大事故や災害を生き残った者ばかり。ゴルゴは情報屋にインターネットに長けた人材を釣り上げるよう依頼する。

情報屋がネットに流した呼びかけは『事故・救出・誘拐の三題噺』。このキーワードに応じたのは年端もいかない”オタク”少年。恐怖心を失った”フィアレス”がこの三題噺の解であると少年は説く。ゴルゴの面前でFBIのコンピューターに進入した少年は、フィアレスを操っているのが元KGB職員『イギーリ・ソルベノ』であることを突き止める。FBIの記録には『ソルベノは、”あるスナイパー”に職務上の証人を何人も射殺され、そのことに対して異常な憎しみを抱いている』と記されていた。

ゴルゴは決着をつけるべく、ソルベノの隠れ家へと向かう。ゴルゴを迎撃するソルベノは、次々とフィアレスを繰り出すが、ゴルゴはこれを退けソルベノの屋敷にたどり着く。暗闇に乗じゴルゴを陥れようとするソルベノであるが、ゴルゴに心臓を射抜かれ最期を迎える・・・。

自爆テロを企てる”フィアレス”を次々とかわすゴルゴが素晴らしい。その一方で、え?と思わせる描写もあり、楽しませてくれる。ホテルにチェックインしたゴルゴは、ボーイにアタッシュケースを預けている。M16を格納していると思われるケースをボーイに預けるとは、ゴルゴらしくない。それとも、ボーイがフィアレスと見抜いていて、わざと渡したのだろうか?爆発後にアタッシュケースを取りに行かなかったところを見ると、M16も仕込んでいなかったのかもしれない。このホテルは5階建てだが、エレベーターはないのだろう。ゴルゴとボーイがエレベーターに同乗したタイミングで、自爆すればゴルゴを仕留められたのだから。慎重なゴルゴのこと、エレベーターのないホテルを予約したのに違いない。とすると、作品冒頭のエレベーター内での襲撃はどうだろう?銃撃ではなく爆殺を企てていれば、ゴルゴ・シリーズが終わってしまうところだった・・・。駐車場での攻防も興味深い。迎撃を想定していたゴルゴであるが、スロープで前後からトラックに挟まれたゴルゴは驚きに目を見開いている。さらに、車から飛び降りるシーンでは、目と口を最大限に開いているのが確認できる。危険度としては相当高かったのであろう。さらに!ゴルゴは2ちゃんねるユーザーではないかとの疑惑が!!2ちゃんねるでは、偽の書き込みをして他のユーザーを反応させることを”釣り”というが、ゴルゴは『インターネットで釣り上げてほしいものがある』と情報屋に依頼している。ゴルゴの情報アンテナは2ちゃんをも網羅しているのか・・・。

ゴルゴ13 (139) 巻掲載
ゴルゴ13 (152) 巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

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ゴルゴ13第139巻-3 炎の証言

2009-06-20 00:29:56 | 第136巻~第140巻

■炎の証言(第460話) 発表2000年12月

評価   ★★★

依頼人 パトリオット社『ニールセン』社長

ターゲット カルト教団教祖

報酬 不明

今回弾丸発射数        3/ 通算弾丸発射数 2,521

今回殺害人数      82/ 通算殺害人数   4,842

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   112

<ストーリー>
カルト教団の教祖の狙撃を依頼されたゴルゴ。跳弾狙撃を狙ったゴルゴだが、教祖の死因は焼死だった・・・

<この一言>
俺に偽りの依頼をしたという事だ・・・これは、俺のルールに反する・・・

<解説>
カルト教団への立ち入り捜査を巡り、教団内部に立て籠もった信者とFBIが撃ち合いに。FBIは催涙弾を建物内部に打ち込む。武器メーカー『パトリオット社』の社長『ニールセン』から教祖の殺害依頼を受けていたゴルゴは、跳弾狙撃により教祖殺害に挑む。ニールセンの情報を元に、金属製のランプを狙ったゴルゴであるが、ゴルゴの放った弾丸がランプをかすめるや爆発が引き起こり、建物が炎上する。FBIは引火性の催涙弾を使っていたのである。

この事件で夫と娘を失った『イヴリン』は、三流ゴシップ誌のカメラマンとなっていた。そのゴシップ誌の記者『ジャコブ・アルマン』はイヴリンの過去を知り、事件の真相を探る。FBI捜査官に探りを入れると、その捜査官が殺される。事件の裏には、パトリオット社が密かに開発していた生物兵器の隠滅が潜んでいたのである。

極秘で開発してた生物兵器をカルト集団に盗まれたパトリオット社は、証拠隠滅のためFBIに引火性の催涙弾を使わせ、ゴルゴに教祖狙撃の依頼を行うことで、建物に火災を引き起こし、生物兵器の消滅を図ったのであった。証拠隠滅のために偽りの依頼をされたゴルゴは、ニールセンに死罰を与える。

ピューリッツア賞獲得の夢を取り戻しジャーナリズムへ回帰するアルマン、自らの過去を清算すべく真実に迫ろうとするイヴリン、二人の再生の物語が美しい。本作は2000年発表で物語の舞台も2000年と想定されるが、1993年に発生した事件を7年間もゴルゴは追い続けたのだろうか。ニールセンもゴルゴとの会話の中で「ずいぶん前の話」と言っているので、相応の時間が経っていることは確実だ。ゴルゴの執念と情報収集力、恐るべし・・・。

ゴルゴ13 (139) 巻掲載
ゴルゴ13 (152) 巻(最新刊)
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ゴルゴ13第139巻-2 錆びた黄金

2009-06-15 00:18:05 | 第136巻~第140巻

■錆びた黄金(第459話) 発表2000年8月

評価   ★★

依頼人 南アフリカ共和国鉱山エネルギー省 サイモン・ロイド長官

ターゲット アメリカ合衆国 ゴア副大統領(依頼不成立)

報酬 依頼不成立

今回弾丸発射数      3/ 通算弾丸発射数 2,518

今回殺害人数       3/ 通算殺害人数   4,760

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   112

<ストーリー>
南アフリカ共和国の政府高官がアメリカ合衆国副大統領の暗殺を計画。依頼を受けたゴルゴは・・・

<この一言>
お前は・・・南アを救うどころか、危機に陥れようとしている・・・

<もう一言>
もういい。お前は俺の依頼人になるには不適格だ・・・。札束を積んだからといって、誰もが世界に手を出す資格があるわけではない・・・

<さらに一言>
言ったはずだ・・・札束と資格は・・・別だ、とな・・・それに、殺人の目撃者になったお前が、このまま生きて帰れると・・・思っているのか・・・?

<解説>
格差拡大とエイズ禍に悩まされている南アフリカ共和国。エイズ蔓延を食い止めるため、アメリカ帰りの『カレル教授』は、アメリカ製のエイズ治療薬のコピー作成に勤しんでいた。しかし、アメリカ副大統領『ゴア』は、治療薬コピーに対する規制を打ち出す。

アメリカ副大統領の意向に不安を抱いたカレル教授は、エネルギー省長官『サイモン・ロイド』に南ア政府の見解を問う。アメリカ副大統領の死をに匂わす発言をしてカレルの元を去ったロイド長官は、ゴルゴとの接触を仲介する長老の元へ向かう。長老はロイドが副大統領暗殺を企図していることに不安を抱くも、ゴルゴとの待ち合わせ場所をロイドに伝える。

ロイドはボディ・ガードを従え、ゴルゴとの会見に臨む。札束にモノを言わせ依頼を強要するロイドに対し、ゴルゴは”もういい。お前は俺の依頼人になるには不適格だ・・・。札束を積んだからといって、誰もが世界に手を出す資格があるわけではない・・・”と言い放ち、依頼を拒絶する。ボディ・ガードとともにロイドを葬り去ったゴルゴは、ロイドとの仲介に立った長老にも死罰を与えるのであった・・・。

アメリカ副大統領ゴアの暗殺を断るゴルゴ。政治・宗教にとらわれることなく、自身が納得しなければ依頼を引き受けないゴルゴであるが、”政治的判断”により依頼を断っている点において、本作は異色である。ロイドの不躾な態度が依頼拒絶の一因であることは確かだが、主たる拒絶要因は”南アを救うどころか、危機に陥れようとしている”ロイドを食い止め、世界秩序の維持を優先したものと考えられる。ゴルゴが政治的意図を持って依頼を拒否したのは、本作だけではなかろうか?世界に手を出す資格を得るには、ゴルゴの承諾を得なければならない。某国のゴルゴ好き総理大臣には、その資格は与えられないだろう・・・。

ゴルゴ13 (139) 巻掲載
ゴルゴ13 (152) 巻(最新刊)
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ゴルゴ13第139巻-1 冥王の密約

2009-06-12 00:48:32 | 第136巻~第140巻

■冥王の密約(第458話) 発表2000年10月

評価   ★★★★★

依頼人 不明

ターゲット ラスベガスの”ボス”

報酬 不明

今回弾丸発射数     14/ 通算弾丸発射数 2,515

今回殺害人数      15/ 通算殺害人数   4,757

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   112

<ストーリー>
瀕死のゴルゴが被爆?地下核実験の震度が浅く、原子雲が地上に吹き出すフォールアウト事故に遭遇したゴルゴ。居合わせた老医師に救われたゴルゴは・・・

<この一言>
あんたの目的など俺には興味のない事だが・・・あんたは危険を冒して俺を救った・・・借りは返す・・・俺に、出来る事があれば、いつでも呼んでくれ・・・

<解説>
ラスベガスの”ボス”を仕留めるべく、本拠ビルに乗り込んだゴルゴ。ゴルゴと対峙したボスは、自らの命と引き替えにデス・スイッチを押す。ビル全体に仕掛けられた爆弾が炸裂、ゴルゴは瀕死の重傷を負う。ボスの手下に追われたゴルゴは、ネバタ核実験場に逃げ込み、敷地内の廃屋に身を隠す。核実験に晒されたこの廃屋の放射線を量測定に来た『ドクター・アーノルド・ノイマン』は、重傷を負ったゴルゴと遭遇する。

追っ手が廃屋に迫り来るその刹那、地上にピンク色のキノコ雲が現れる。地下核実験の深度が浅く、放射能が地上に吹き出すフォールアウト事故が勃発したのである。事態を把握したゴルゴは、ノイマンに対し自分に構わず逃げるよう忠告する。しかし、医者としての使命を全うすべく、ノイマンはゴルゴを地下室へ運び治療を行う。被爆の危険を顧みず、ゴルゴの命を救ったノイマンに対し、ゴルゴは『借りは返す・・・俺に出来る事があれば、いつでも呼んでくれ・・・』と感謝の意を伝える。翌朝、ノイマンが目を覚ますと、ゴルゴへの連絡方法を記したメモが残されているのみで、ゴルゴの姿はなくなっていた・・・。

アメリカ兵士が核兵器の人体実験に使われていたことを告発する『被爆復員兵士の会』のメンバーであるノイマンは、ネバタ核実験場で情報収集にあたっていたのである。『被爆復員兵士の会』で今回のフォールアウト事故を報告したノイマンは、決定的証拠としてこの事故を公にすることを決意する。しかし、原子力推進派は『被爆復員兵士の会』の動きを察し、メンバーの殺害を企てる。この情報を掴んだゴルゴは、原子力推進派の襲撃からノイマンを救うものの、ノイマンは放射線被曝により煩ったガンで命を落としてしまう・・・。

被爆の危険を顧みずにゴルゴの命を助けたドクター・ノイマンの献身が心を打つ。一方のゴルゴも、”借りは返す・・・”との約束通り、15年後に第134巻-2『パッチワークの蜜蜂たち』で、ノイマン夫人に対し義理を果たしている。『パッチワークの蜜蜂たち』では、最上級の敬語をノイマン夫人に使っていたゴルゴが印象的であるが、本作でドクター・ノイマンの献身ぶりが明らかになると、ゴルゴの心情・態度が理解できよう。ノイマンの正義と使命を貫く姿勢と、義理堅いゴルゴの生き様とが、静かな感動を引き起こす名作。

ゴルゴ13 (139) 巻掲載
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ゴルゴ13第138巻-3フロリダ・チェイス

2009-06-06 23:49:01 | 第136巻~第140巻

■フロリダ・チェイス(第457話) 発表2000年6月

評価   ★★

依頼人 キューバ外相補佐官マガリス・アルメーダ

ターゲット ホセ・カンポス終身刑受刑者

報酬 不明

今回弾丸発射数      9/ 通算弾丸発射数 2,501

今回殺害人数       1/ 通算殺害人数   4,743

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   112

<ストーリー>
フロリダに収監されているキューバ人が、現金輸送車を奪って逃走。バズーカ砲をも跳ね返す現金輸送車内のターゲットの殺害依頼を受けたゴルゴは・・・

<この一言>
どんな要塞にも・・・構造上の弱点は必ずある・・・

<解説>
麻薬の密売を繰り返し売人を殺した罪により、フロリダの刑務所に収監されている『ホセ・カンポス』終身刑受刑者。ホセは恋人に最新鋭の現金輸送車を盗ませ、移送中に脱走、現金輸送車での逃亡を行う。この現金輸送車は、ガラス・装甲とも完全防弾でバズーカ砲をも跳ね返す動く要塞であった。

キューバ外相補佐官『マガリス・アルメーダ』は、海外でキューバ人のイメージが悪化することを恐れ、ゴルゴにホセの殺害を依頼する。

ゴルゴはネット技術担当の女性アシスタント(?)に、現金輸送車の設計図を盗ませ、この車の弱点を探る。シャーシとマフラーに弱点があると読んだゴルゴは、地元警察官に変装し装甲車に対峙する。突進してくる装甲車の下に潜り込んだゴルゴは、マフラー管を貫き助手席に座るホセを射殺する。

走る要塞とでも言うべき現金輸送車の下に潜り込み、シャーシ越しに狙撃を行うアイデアが秀逸である。が、少々描写に問題がある。
 ・現金輸送車は左ハンドルで、助手席(右座席)にホセが座っている
 ・ゴルゴは現金輸送車に正対し、車体中央部のバンパーを左手で握り、右手に銃を構えている
 ・ゴルゴの右手側は運転席側にあり、助手席側を狙うのは困難
作者チームもこのあたりを考慮したのか、ゴルゴに”角度は・・・”と語らせているが、助手席側を狙ったようには見えない・・・。アラをさがしてもしょうがないが・・・。
本作で目を引くのは、ゴルゴの助手らしき女性が登場していることだ。ネットのハッキングに精通しているこの美人女性、どうやらゴルゴの引き受けたミッションも把握している様子。ゴルゴがミッション内容まで伝えると言うことは、全幅の信頼を寄せているのだろう。二人がどのような関係なのか非常に気になるところである。

ゴルゴ13 (138) 巻掲載
ゴルゴ13 (152) 巻(最新刊)
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