■プログラム・トレーダー(第300話) 発表1990年2月
評価 ★★★★
依頼人 前SEC(米証券取引委員会)委員長シャーク
ターゲット ①グラス ②ハミルトンとコンピューター
報酬 不明
今回弾丸発射数 3/ 通算弾丸発射数 1,690
今回殺害人数 1/ 通算殺害人数 3,833
今回まぐわい回数 1/ 通算まぐわい回数 94
<ストーリー>
インサイダー取引と”ブラックマンデー”で職を失った元証券マン「ハミルトン」。ウォール街に復讐を誓ったハミルトンは・・・
<この一言>
わかった。やってみよう・・・
<もう一言>
引き続き一任する
<解説>
証券取引を監視するSECの委員長「シャーク」は、インサイダー取引容疑者「ポリャンスキー」に『マフィアがポリャンスキーの命を狙っている』とブラフをかます。ポリャンスキーの持つグラスをゴルゴに狙撃させると、ポリャンスキーはインサイダー取引を自白し保護を要請する。
ポリャンスキーのインサイダー取引を幇助していた証券マン「ハミルトン」は、SECにより多額の課徴金を請求された上、1987年の大暴落「ブラックマンデー」によりリストラされる羽目に。証券市場に恨みを抱いたハミルトンは、マーケットに恨みを抱き復讐を誓う。
会計事務所に転職しM&Aを担当するようになったハミルトンは、「ユナイテッド航空持株会社UAL」の買収を任される。UAL買収を発表することでUAL株を吊り上げ、今度は買収不調を発表することで株価を下落させる。さらに急落した株価をさらに暴落させるため、プログラム売買により売り浴びせる。加えて、コンピューターウイルスにより世界中のマーケットを暴落させることを企てるハミルトン。しかし、シャークはハミルトンの企てを察知し、ゴルゴにハミルトンの殺害を依頼。日本マーケットが開く直前にゴルゴの黄金の銃弾がハミルトンと彼のコンピューターを貫き、世界同時株安は阻止される。
本作のエピソード一つ一つがバブル末期のマーケット事情と、アメリカ型資本主義を追従している日本の今日を描き出しているのが面白い。
・株価下落のスパイラルを招く「プログラム売買」
→金融工学(デリバティブ)の進歩と各国市場の連動による世界的株価連鎖
・80年代から90年代に吹き荒れたアメリカでのM&Aブーム
→20年遅れの日本市場/アメリカ型資本主義の追従
・インサイダー取引など証券市場監視強化
→日本版SECの設立は未だならずも、市場ルールの整備進行
また、ゴルゴの窓口となる美人秘書が登場しているのも興味深い。彼女は「秘書」なのか、それもと「秘書代行業」をゴルゴが利用しているのか。この秘書は「G13型トラクター」を合い言葉に、ゴルゴとシャークのアポイントを調整している。また、オランダの「ランベトラ」投資信託会社がゴルゴから一任勘定で資産の運用を任され、「年利26%」で運用益をあげていることも判明。秘書がゴルゴからの伝言「引き続き一任する」をランベトラに伝え、取引を継続している。ゴルゴの一任勘定に穴はあけられないだろう・・・。運用担当者のプレッシャーは相当なものに違いない。
ズキューン
<script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>