ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第66巻-2デッド・アングル

2007-04-30 14:09:13 | 第066巻~第070巻

■デッド・アングル(第228話) 発表1984年5月

評価   ★★★

依頼人  国防省 & CIA

ターゲット バイール・マハダ ヨルダン国王特使

報酬    不明

今回弾丸発射数      2/ 通算弾丸発射数 1,326

今回殺害人数      13/ 通算殺害人数   1,429

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    79

<ストーリー>
国防省とCIAの依頼を受けたゴルゴ。国務省からゴルゴの殺害依頼を受けた「カッツ」。アーマライM16トとレミントンを愛用するプロ同士の対決は・・・

<この一言>
・・・

<解説>
国防省とCIAからゴルゴになされた依頼は、JFK空港での「ヨルダン国王特使」殺害。一方、国務省はゴルゴの殺害を「カッツ・ドーベル」に依頼する。このカッツ、経歴がもの凄い。オックスフォード大学を主席卒業後、マサチューセツ大学でコンピューターを専攻。ライフル射撃の世界記録を持つレミントン撃ちの名手という異色の人材。
カッツは国務省のコンピューターを駆使してJFK空港におけるゴルゴの狙撃ポイントを割り出す。ゴルゴを迎撃すべく愛銃レミントンを手に待機するカッツであったが、コンピューターも予測し得なかったポイントにゴルゴが出現。ゴルゴはカッツを仕留めた後、管制塔とターミナルビルの僅かな間隙をぬって、特使の乗ったヘリを撃墜する。

JFK空港の建物配置図面を読み解きながら、狙撃ポイントを考えると非常に練られた内容であることが分かる。知的興奮を呼び起こす好作品。本作の中で、国務省部長が「国防省が保有しているゴルゴ13に関するデータは、すべて入手できる!」と語っている。その国防省はゴルゴに関する200件以上の殺害データを保有していることが 第65巻-1『メジャー・オペレーション』で明らかになっている。また、分解したアーマライトM16を組み立てるのに28秒を要することが本作で判明。

ズキューン

ゴルゴ13 (66) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

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ゴルゴ13第66巻-1シーザーの眼

2007-04-29 23:11:33 | 第066巻~第070巻

■シーザーの眼(第227話) 発表1985年2月

評価   ★★★★

依頼人  ①警視庁外事一課 丹下課長 ②博通 第三連絡局 AE 鎌田広平

ターゲット ①ソ連工作員”顔のないミスターM”(博通 第三連絡局 八杉局長) ②爆破犯

報酬    ①$500,000 ②$400,000

今回弾丸発射数      2/ 通算弾丸発射数 1,324

今回殺害人数        2/ 通算殺害人数   1,416

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    79

<ストーリー>
「シーザー電子」が核兵器を無力にする技術を開発。ソ連の工作員が技術情報を盗み出し国外に持ち出そうとするが・・・

<この一言>
スコープを使えば・・・ここは回りの建物から自由に狙撃できる・・・そこへ身をさらすほど俺は自信家じゃないだけだ・・・

<もう一言>
俺を捜しているようだが・・・俺を捜し回る理由を、聞こうか!・・・

<さらに一言>
断っておくが・・・依頼理由のウソも、依頼者の裏切りも・・・俺は許さない!

<解説>
「影山盛人」会長率いる「シーザー電子」が盗聴不可能な通信技術「ビーム・マイクロスクランブラー」を開発した。影山会長は技術情報の漏洩を防ぐため、シベリア抑留時代の部下で広告代理店「博通」の「八杉局長」に、博通の若手営業マン「鎌田」をシーザー電子に出向させて広報宣伝活動をするよう依頼する。鎌田は科学万博「つくば’85」の会場に籠もりきりで業務を行う。そのような折、「警視庁外事一課」の「生島」が鎌田を訪問、マイクロスクランブラーは核兵器を無力にする技術を備えており、ソ連の日本人工作員「顔のないミスターM」がこの情報を入手した事を伝える。一方、警視庁外事一課「丹下課長」は警視総監の命を受け、「顔のないミスターM」の狙撃をゴルゴに依頼する。

新春の日本を舞台に繰り広げられる、外事一課の面々とソ連大使館員の神経戦がスリリングだ。生島達は初詣参拝客でごった返す明治神宮でミスターMと接触した大使館員を逮捕し、スクランブラーの機密情報がソ連に漏れることを未然に防ぐ。ゴルゴはミスターMを狙撃するが、ミスターMの正体は「八杉局長」であった。八杉はシベリア抑留時代に洗脳工作を受け、日本に工作員として送り込まれていたのである。

直属の上司がソ連の工作員であったことに困惑する鎌田であるが、筑波万博会場のシーザー電子ブースの仕上げに取り掛かる。開幕が20時間後に迫ったとき、シーザー電子が出展する「東菱館」に爆弾を仕掛けたとの脅迫電話が入る。建物の一部に雷管を仕込み、遠方より狙撃するという。鎌田は生島とともにゴルゴを捜し、爆破行為を防いでもらうよう依頼する。ゴルゴは爆破犯を「東菱館」より狙撃、無事に「つくば’85」が開幕する。

爆破犯が読売巨人軍の帽子をかぶっているのが可笑しい。この爆破犯をゴルゴが狙撃して事件は無事解決となっているが、雷管は取り除かれておらず、ブースは危険にさらされたままである。犯人は単独犯として描かれているが、これほど手の込んだ仕掛けを単独で行えるはずもなく、雷管の処理がなされないのは疑問が残る。また、会場入り口から「東菱館」は見えるのだが、ゴルゴの狙撃が来場者から丸見えというのも無理があり、エンディングに物足りなさを感じてしまう。万博開幕記念ということで、ゴルゴも大盤振舞いをしたのだろう・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (66) 巻掲載
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ゴルゴ13第65巻-3闇の封印

2007-04-28 18:11:30 | 第061巻~第065巻

■闇の封印(第226話) 発表1984年1月

評価   ★★★★

依頼人  自民党最高顧問 根岸慎三の秘書 飯田

ターゲット 鬼頭 辰五郎

報酬    不明(拘束期間中のキープ料 ¥10,000/秒 = 時給 ¥36,000,000)

今回弾丸発射数      5/ 通算弾丸発射数 1,322

今回殺害人数        5/ 通算殺害人数   1,414

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    79

<ストーリー>
太平洋戦争末期にソ連・スターリンと日本統治を密約したとされる「S-書簡」は存在するのか?国会議事堂・首相官邸には秘密の地下施設が存在するのか・・・

<この一言>
質問に答えてもらおう!

<解説>
太平洋戦争末期、日本の戦後処理をソ連に委ねることを画策した超党派のグループがあった。秘密工作は失敗に終わり事実は闇に葬られていたが、その首魁は自民党の長老として基盤を築いていた。ソ連に日本を売ろうしたその行為は、政治家のアキレス腱となるものであるため封印する必要があった。スターリンと日本統治を密約した「S-書簡」が永田町地下に残存しており、派閥闘争の決着をつけるべく与党政治家達が「S-書簡」を巡って暗闘する。

自民党最大派閥の長「中田丸助」は、首相の座を退いたものの闇将軍として権力を握っていた。政敵「幸田武吉」が戦争末期にソ連と秘密工作をしていたことを明るみに出そうと、永田町の地下鉄工事を進め「S-書簡」の発掘を図る。戦前からの政治裏面史を知り尽くす「鬼頭 辰五郎」が現場に向かい、「S-書簡」を手にしたその刹那、ゴルゴの銃弾が鬼頭を撃ち抜く。ソ連との交渉を主導した「自民党最高顧問 根岸慎三」は中田の動きを阻止すべく、ゴルゴに鬼頭の殺害を依頼したのであった。

本作は、終戦直前の敗戦処理を巡る歴史考察、自民党の派閥闘争、東京地下施設の謎をからめた非常に密度の濃いミステリー作品に仕立てられている。言うまでもなく「中田丸助」は「田中角栄」・「幸田武吉」は「福田赳夫」で、「角福戦争」を描いている。また、皇居・国会議事堂・首相官邸を結ぶ地下道・地下施設が存在するという謎は未だ解明されていないが、「何か」が存在するのは間違いない。

依頼人である自民党長老「根岸慎三の秘書・飯田」は、地下鉄工事の進捗により鬼頭の殺害タイミングを図っていたが、ゴルゴをキープするために期間拘束料を払っている。飯田曰く「キープしておくために、一秒ごとに万札が消えていった・・・」。拘束料は時給換算で¥36,000,000!ゴルゴはこの間、地下施設を下見していたが、本番直前には地下に潜伏し暗闇の中「24時間、場合によっては48時間」待つ必要があった。本作の時間推移からするとゴルゴは1週間程度の業務拘束を受けていたことになり、
拘束料=¥36,000,000/時間 × 24時間 ×7日間 =¥6,048,000,000
約60億円の報酬を受けたことになる。自民党の裏金、恐るべし・・・。
第65巻-1『メジャー・オペレーション』でゴルゴは120時間もの間、蛇の穴に潜っていた。依頼人の飯田は『メジャー・オペレーション』事件でのゴルゴの行動を知っていて、長時間地下に待機する今回のミッションを依頼したのであろうか。

ズキューン

ゴルゴ13 (65) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
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ゴルゴ13第65巻-2アイリッシュ・パディーズ

2007-04-26 23:41:51 | 第061巻~第065巻

■アイリッシュ・パディーズ(第225話) 発表1984年12月

評価   ★★★

依頼人  MI5

ターゲット IRA爆弾係

報酬    不明

今回弾丸発射数      1/ 通算弾丸発射数 1,317

今回殺害人数        1/ 通算殺害人数   1,409

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    79

<ストーリー>
イギリスでIRAによる爆弾テロが発生、MI5はゴルゴに爆弾係(ボンバー)の殺害を依頼する・・・

<この一言>
そこじゃない、横に乗るんだ・・・

<解説>
1984年10月12日、イギリス首相サッチャーを狙った爆弾テロが発生。MI5は被害拡大を防ぐため、ゴルゴにIRA(アイルランド共和軍)爆弾係の殺害を依頼する。

失業中のアイルランド人『エド』は日雇人夫の父親を蔑み、「おれは親父とは違う」を口癖に昼間から飲んだくれている毎日であった。大きな「仕事」をしようと上院議員殺害のため高級ホテルに向かうも、あまりの警備の厳しさに尻込みをしてしまう。同じホテルで、IRA爆弾係の顔を持つエドの父親はゴルゴにより殺害される。殺された爆弾係が父親とは知らないエドが、「爆弾係か・・・そんな大物でもしくじることがあるんだなあ・・・」とつぶやくラストが哀しい。父子の葛藤を描くサイドストーリー的作品。父親の偉大さは、父親を亡くして初めて分かる・・・

ズキューン

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ゴルゴ13第65巻-1メジャー・オペレーション

2007-04-25 23:43:28 | 第061巻~第065巻

■メジャー・オペレーション(第224話) 発表1984年9月

評価   ★★★★

依頼人  ゲリラ専門部隊コッブ大佐

ターゲット ブラジル陸軍参謀総長キルカ・グロッソ大将

報酬    不明

今回弾丸発射数      3/ 通算弾丸発射数 1,316

今回殺害人数      18/ 通算殺害人数   1,408

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    79

<ストーリー>
アメリカ国防省はアフガン侵攻に備えゲリラ戦の分析をコッブ大佐に指示、大佐はゴルゴを使ったリアル・シミューレーションを実施する。丸腰のゴルゴは200名のゲリラ攻撃を逃れることができるのか・・・

<この一言>
アメリカ軍ゲリラ専門部隊が、なぜこんな面倒な手を使ってまで、俺を狙う・・・?

<解説>
アメリカ国防総省ワインバーガー長官は、アフガン侵攻に備えゲリラ戦分析レポートの提出をコッブ大佐に命ずる。コッブ大佐はベトナム戦争においてベトコン・ゲリラの襲撃を受け部隊を全滅させられた苦い経験を持っていた。ベトナムでの作戦の正当性を証明すべく、コッブ大佐はベトコン・ゲリラと同等の作戦を展開、丸腰のゴルゴを襲撃し、ゴルゴでさえゲリラ攻撃からは逃れられないことを示そうとする。偽の依頼でアマゾンに誘い込まれたゴルゴは、コッブ大佐率いる200名超のアメリカ・ゲリラ部隊に襲撃される。丸腰でジャングルを逃げまどい、ブービー・トラップを回避し、アメリカ兵を撲殺する。蛇の巣穴に潜り込むことでゲリラ部隊の追跡を逃れ、ジャングルから生還する。生きた蛇を貪りながら、120時間(丸5日間)穴にこもり続けたゴルゴの執念が凄まじい。

圧倒的な戦闘能力と危機回避能力を見せつけるゴルゴのスーパー・ソルジャー振りが圧巻。ジャングルの戦闘では銃器・刃物を一切使わず、「日本の古武道」のような格闘技を用い一撃必殺にてアメリカ兵を倒している。コッブ大佐の部下がもらした感想は、ゲリラ戦の本質ではなく、ゴルゴの生き様そのものを物語っていると言えよう。
「ゲリラ戦の本質は、敵との持久戦を戦い抜く強靱な精神力にある」

余談だが、SAGA(戦略分析局)は「ゴルゴが請け負った2百を越える殺しの行動データをすべてコンピュータに収めてある」という。本作は224話目(SPコミックス収録順)であるが、SAGAはほぼ全てのゴルゴの殺しを把握しているようだ。アメリカ国防総省の情報収集能力、恐るべし・・・。
なお、今回の殺害人数にはアマゾンの大蛇「アナコンダ」と「ジャガー」が含まれている。

ズキューン

ゴルゴ13 (65) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

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