ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第98巻-2ジョーカーを砕く

2007-09-30 17:36:28 | 第096巻~第100巻

■ジョーカーを砕く(第331話) 発表1992年5月

評価   ★★

依頼人  ホワイトハウス

ターゲット ラミィ・キューブのタイル

報酬    不明

今回弾丸発射数       1/ 通算弾丸発射数 1,835

今回殺害人数         0/ 通算殺害人数   3,997

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数    95

<ストーリー>
イスラエルで開催された「ラミィ・キューブ」世界選手権。その裏では、次期国連事務総長の承認と毒ガスサンプルの取引が進行していた・・・

<この一言>
誰、の殺人未遂だ・・・?

<解説>
国連事務総長「デクエヤル」は任期満了を控え、次期総長「ガリ」への禅譲を考えていた。「ガリ」新総長承認の意志があれば「ラミィ・キューブ」世界選手権に代表団を派遣するよう、主要先進国に対し働きかけたデクエヤルは各国の出方を伺う。

イスラエルで開催されるこの「ラミィ・キューブ」世界選手権には主要先進国が参加を表明し、ガリ事務総長の承認なされた。しかし、同時期にゴルゴが会場近くに現れたことで、イスラエル情報機関「モサド」は極度の緊張状態に陥る。世界選手権会場にはイスラエルの大臣が臨席しており、狙撃を阻止すべくゴルゴを徹底的にマークするモサド。モサド職員の監視の下、ゴルゴはラミィ・キューブ世界選手権の会場に向かって弾丸を放つ。

モサド職員に身柄を拘束されるゴルゴであるが、ゴルゴが射抜いたのはラミィ・キューブのタイルであった。ゴルゴが射抜いたタイルは、東ドイツから南アフリカに手渡されたガスのサンプルで、もう一つのタイルに仕込まれた気体と混合させると毒素を発生させるものであった。ホワイトハウスが、この取引を察知しゴルゴに片方のタイルの狙撃を依頼していたのである。
新国連事務総長となった「ガリ」に対し、一番始めに引き継がれたのはゴルゴに対するコンタクト方法であった・・・

国連事務総長の交代を、ラミィ・キューブ(というゲーム)に絡めて描いた作品。しかし、ラミィ・キューブを絡めようとしたばかりにストーリー展開に無理がある。また、ゴルゴがモサド職員に包囲されたまま狙撃姿勢に入り、背後を無防備に晒しているのも疑問が残る。ラミィ・キューブを取り上げる必然性があるのだろうか?と考えさせられるほど不自然な作品。ちなみに本作で登場するラミィ・キューブ世界選手権優勝者「桑原正人」氏は実在の人物のようだ。

ズキューン

ゴルゴ13 (98)巻掲載
ゴルゴ13 (146)巻(最新刊)
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ゴルゴ13第98巻-1シベリアの汽笛

2007-09-29 23:43:23 | 第096巻~第100巻

■シベリアの汽笛(第330話) 発表1992年1月

評価   ★★★★

依頼人   外務省 伊達審議官

ターゲット シベリアを紛争状況に陥れる

報酬    ¥200,000,000

今回弾丸発射数       5/ 通算弾丸発射数 1,834

今回殺害人数         5/ 通算殺害人数   3,997

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数    95

<ストーリー>
シベリア開発を目的とした日ソ合弁事業が立ち上がった。利権確保のため通産官僚とヤクザが蠢くが・・・

<この一言>
国民が望んだ結果だろう?・・・

<解説>
シベリア資源開発を目的とした日ソ合弁事業が立ち上げられた。日本の資金を利用してシベリア開発を行おうとするソ連側の目論みと、ソ連に進出することで利権を貪ろうとする政治家・通算官僚「檜山」・インテリやくざ「四条」の思惑が合致する。

しかし、外務審議官「伊達」は目先の利益にとらわれることなく長期的戦略をもってソ連と対するべきとして、合弁事業を頓挫させようとゴルゴに接触する。私財をなげうって伊達がゴルゴに依頼したのは「紛争状況を作り出す」こと。日本からの視察団がシベリアを訪れた際、民族紛争がシベリアの地にあるかのような工作をして欲しいというのである。

檜山、四条、伊達ら日本側の視察団がシベリアを訪れるや、ゴルゴは紛争状態を演出する。ロケット弾が飛び交い、ドラム缶が爆破され、ジープが吹っ飛び、油田が火を噴く。混乱に乗じて四条は伊達を殺そうとするが、その直前、一発の銃弾が四条のこめかみを貫く。命からがら逃げ出した視察団は、救援ヘリに乗り込みかの地を脱出する。伊達はゴルゴに思いを馳せ無事を祈るが、当の救援ヘリを操縦しているのはゴルゴであった・・・

外務官僚「伊達」、通算官僚「檜山」、インテリやくざ「四条」、各登場人物の生き様が描きこまれており、緊迫したドラマが展開される。伊達の一本気な性格に呼応するゴルゴの活躍も素晴らしい。日本が誇るスーパー・スポーツ「NSX」をゴルゴが運転しているのも、ファンにとって嬉しい限りである。

ズキューン

ゴルゴ13 (98)巻掲載
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ゴルゴ13第97巻-3静かなる記念日

2007-09-26 23:57:03 | 第096巻~第100巻

■静かなる記念日(第329話) 発表1992年4月

評価   ★★★

依頼人   ミラン・マコビッチ

ターゲット セルビア人部隊の殲滅

報酬    古い指輪

今回弾丸発射数      50/ 通算弾丸発射数 1,829

今回殺害人数        58/ 通算殺害人数   3,992

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数    95

<ストーリー>
セルビア人とクロアチア人との勢力争いの分岐点となるブコバロア村。この村は十年前のある事件を契機に民族紛争のエアポケットとなった・・・

<この一言>
用件を聞こう・・・

<解説>
ユーゴスラビアの山間部「ブコバロア村」はセルビア人とクロアチア人の分岐点に存する小さな村。民族紛争が続くこの国において、ブコバロア村だけは民族衝突の発生しないエアポケットとなっていた。

MI6を退職した男がこの村の秘密を探り、十年前の驚くべき事件に到達する。

セルビア人に制圧されたブコバロア村の住民は、ゴルゴを雇うことでセルビア人部隊を撃退することを企てる。村民の中から選ばれた5人がゴルゴとの待ち合わせ場所に向かうが、情報漏れによりセルビア人部隊の奇襲にあう。5人のうち「ミラン・マコビッチ」だけがゴルゴとの待ち合わせ場所に辿り着くが、待ち受けたセルビア人部隊より銃撃を受け、ゴルゴへの報酬となる宝石を川中に落としてしまう。負傷したミランは、母親にもらった古い指輪をゴルゴに差し出し、セルビア人部隊の殲滅を依頼する。ミランの余命が短いことを見たゴルゴは、この依頼を応諾、50名ものセルビア人部隊を一夜にして殲滅させる。以来、ブコバロア村はゴルゴに依頼をした村として恐れられ、民族紛争のエアポケットとなったのである。

資産価値のほとんどない「古い指輪」でミランの依頼を受けるゴルゴの男気が熱い。死に行く者の意向を汲み取るシーンは何度も登場するが、ゴルゴは何を思って依頼を引き受けているのだろう。ちなみにこの事件が発生したのは13日の金曜日とされている・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (97)巻掲載
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ゴルゴ13第97巻-2最後の顧客

2007-09-25 23:29:12 | 第096巻~第100巻

■最後の顧客(第328話) 発表1992年6月

評価   ★★★★

依頼人   シュリット財閥社長ハインリッヒ

ターゲット シュリット財閥会長ランバート

報酬    不明

今回弾丸発射数       3/ 通算弾丸発射数 1,779

今回殺害人数         1/ 通算殺害人数   3,934

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数    95

<ストーリー>
アウザー・ハイツ銀行5代目当主のハイツ氏は、親友で命の恩人であるシュリット財閥「ランバート」がゴルゴにより殺害されたことを知り・・・

<この一言>
なんのまねだ・・・これは・・・?

<解説>
シュリット財閥会長「ランバート」が登山中に事故死した。会長亡き後のシュリット財閥の資金を預かることとなったスイス・プライベートバンク「アウザー・ハイツ銀行」の5代目当主ハイツ氏は、シュリット財閥を調べあげ様々な事実を掴む。
・シュリット財閥の預入資金はウランの闇売買で得た資金である
・シュリット財閥会長「ランバート」は「ハインリッヒ」社長がゴルゴに殺害依頼をしたため殺された
・ランバートはハイツ氏を幼少時代に助けた命の恩人であり無二の親友であること

ハイツ氏はゴルゴの資産も運用していたが、ゴルゴ口座にハインリッヒからの入金があることをつきとめ、ハインリッヒがランバートの殺害をゴルゴに依頼したことを突き止める。ハイツ氏にとってランバートは命の恩人であり、侵してはならない存在であったが、ゴルゴがランバートの命を奪ったと知り、ハイツ氏はゴルゴに復讐を企てる。

ハイツ氏はゴルゴの資産運用の契約継続を装ってゴルゴに接触、ゴルゴを銀行の金庫に呼び出す。金庫室内で会合する二人であるが、ハイツ氏は金庫に鍵をかけ外部への脱出の道を閉ざす。自身とランバートの関係をゴルゴに語り、自害するハイツ氏。密室である金庫からの脱出は不可能かと思われたが、ゴルゴは自信が預けた金塊に隠した爆薬で金庫室の壁を爆破。ハイツ氏の遺体を残して、金庫室を後にする。

ハイツ氏とランバートの幼少時代のエピソードが泣かせる。幼いころに生き別れになった親友同士の再会が、ランバートの死後というのが切ない。親友の死に対し、命を賭して復讐しようとするハイツ氏の頑なさは、スイス・プライベート・バンカーとしての律儀な性格が顕れている。
「この世の中は、病的な臆病さを持ち合わせたもののみが、生き残る資格を持っている」という名言を残しているゴルゴであるが、プライベート・バンクに信託する財産の中にまで、自らの身を守る術を凝らしている病的な臆病さに感服せずにはいられない。
本作で、『レポンティネ新聞に「フォンデューを二人だけで食したい」という広告を出す』という新たなゴルゴへのコンタクト方法が判明する。

ズキューン

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ゴルゴ13第97巻-1覚醒・クーデターの謎

2007-09-23 23:54:12 | 第096巻~第100巻

■覚醒・クーデターの謎(第327話) 発表1991年11月

評価   ★★★★

依頼人   ボリス・エリツィン

ターゲット ソルコフ大佐

報酬    9,000,000,000ルーブル相当の現金(ドル?)

今回弾丸発射数       7/ 通算弾丸発射数 1,776

今回殺害人数        16/ 通算殺害人数   3,933

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数    95

<ストーリー>
1991年8月、ゴルバチョフ大統領の休暇中にクーデターが発生。クーデターは失敗に終わったが、エリツィンとゴルゴは・・・

<この一言>
無気力化したクーデターを・・・エリツィンが制圧する・・・と、いうわけか?・・・

<解説>
1991年8月、ソ連軍「ソルコフ大佐」がゴルバチョフ失脚を狙いクーデターを企てる。ソルコフ大佐は保守的思想でソビエト連邦大統領ゴルバチョフの改革路線を批判し、ウクライナに飛ばされていた。

虎視眈々とゴルバチョフの後釜を狙うロシア共和国大統領「エリツィン」は、クーデターの情報を聞きつけると、クーデターを制圧することで求心力を失ったゴルバチョフの後任の座を射止めるべく、ゴルゴにクーデター軍ソルコフ大佐の殺害を依頼する。

ウクライナに飛ばされたウクライナ地方の血を引く「ニコライ」、ニコライの旧友でウクライナ独立運動を展開する「ナーシャ」は、ゴルゴに遭遇、クーデター軍と一戦を交える。ゴルゴはニコライをエサにソルコフ大佐をおびき寄せ、戦車の主砲内に弾丸を撃ち込んで戦車ごと撃破、ソルコフ大佐を殺害する。ナーシャは、ウクライナ独立運動内に潜むスパイで、軍とも反目する旧体制維持派であった。ゴルゴに正体を見抜かれたナーシャはゴルゴに刃向かったために殺害される。廻りに翻弄され続けるニコライだけが、ソ連の政局を見ることができるのは皮肉である。

ソビエト連邦末期の所謂「8月クーデター」を描いた作品。クーデターに乗じてその後エリツィンが権力を掌握するのは、歴史の示す通りである。エリツィンの陽気さと腹黒さがリアルに描かれているのが興味深い。ゴルゴへの依頼金は、ロシア共産党の資産に相当する90億ルーブル相当であるが、エリツィン自ら「安心してくれ、ルーブルじゃあないよ、ははは」と笑い飛ばしているのが可笑しい。

ズキューン

ゴルゴ13 (97)巻掲載
ゴルゴ13 (146)巻(最新刊)
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