goo blog サービス終了のお知らせ 

ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第130巻-3 硝子の要塞

2009-02-11 15:37:11 | 第126巻~第130巻

■硝子の要塞(第432話) 発表1999年3月

評価   ★★

依頼人  不明(英国関係者?)

ターゲット ファーガス・ウォルトン

報酬    不明

今回弾丸発射数       1/ 通算弾丸発射数 2,359

今回殺害人数      1/ 通算殺害人数   4,645

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   108

<ストーリー>
イギリスとアイルランドの間に位置する人工島。社会更正施設を謳っているこの島では、臓器提供者を養成するビジネスが行われていた・・・

<この一言>
空からも、海からも狙撃不可能・・・まさに、鉄壁の”硝子の要塞・カエル・ヴォワルル”と、いうわけか・・・

<解説>
イギリスとアイルランドの間に位置する人工島『イル・ド・ヴォワルル』。表向きは未就業者や薬物中毒者の更正施設を謳っているが、実態は女性を中心とした社会的弱者を言葉巧みに連れてきて、臓器提供を強要する悪巧みがなされていた。しかも、臓器提供売買による利益は、IRAの活動資金となっていたのである。

事態を重く見た英国関係者は、人工島の臓器ビジネスをとりまとめる『ファーガス・ウォルトン』殺害をゴルゴに依頼する。しかし、ウォルトンの住む人工島は防弾硝子で守られており、通常の狙撃では不可能であった。人工島内にあるプール水面を利用した”跳弾”をもってしても、入射角・反射角を検証するとウォルトンを射止めることは不可能と思われた。

”硝子の要塞”内のウォルトンを狙撃すべく、ゴルゴはヘリコプターをチャプター、島の上部を旋回する。人工島のプールで水遊びをする女達が作る水面の波を狙うゴルゴ。ゴルゴの放った弾丸は、隆起した波の頂点をかすめ、ウォルトンのこめかみを射抜く。

波の隆起と跳弾を計算し尽くしたゴルゴの狙撃がスゴい、と言いたいところだが、ちょっとやり過ぎの感が否めない。跳弾狙撃だけでも、リアリティが乏しいのに(現実に”狙って”できるのだろうか?)、波の隆起を利用するとなると、余りにも荒唐無稽すぎる。単純な跳弾では飽き足らなくなった、ゴルゴの新機軸であろうか・・・
一方、本作のテーマとなっている臓器移植問題は難しい。中国では死刑囚の臓器が売買されているというのは公然の秘密。本作で記されているように、女性の死刑囚というのは絶対数が少ないので、提供される臓器が少ない、というのも現実問題としてあろう。死刑囚の臓器をビジネスにする、という発想も倫理的に許されるのか?善意の臓器提供者が少ない現状ではやむを得ないのか?非常に難しい問題である。。

ズキューン

ゴルゴ13 (130) 巻掲載
ゴルゴ13 (151) 巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

<script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>

ゴルゴ13第130巻-2 死刑執行0:01AM

2009-02-08 23:56:58 | 第126巻~第130巻

■死刑執行0:01AM(第431話) 発表1998年9月

評価   ★★★

依頼人  ユーリ・カレコフ

ターゲット 元CIA『ヘンリー・ミッチェル』の死刑執行妨害阻止

報酬    不明(生命保険金を充当)

今回弾丸発射数       1/ 通算弾丸発射数 2,358

今回殺害人数      1/ 通算殺害人数   4,644

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   108

<ストーリー>
CIAを裏切りKGBに情報を売った”ヘンリー・ミッチェル”。ミッチェルの情報が元で兄を殺された”ユーリー・カレコフ”。カレコフはミッチェルに復讐を企てるが・・・

<この一言>
四時まで待つ・・・それまでに頼む・・・

<解説>
CIAの”スチュアート”は、かつてKGBの高級将校”マクシム”と通じていた。ソ連側の情報を得ていただけでなく、男同志の友情を築き上げていた。CIAの”ヘンリー・ミッチェル”は金を得るために、マクシムがスパイ行為を働いていることをKGBに漏らす。この通報により、マクシムは処刑される。マクシムはスチュアートに対し、マクシムの身に万一のことがあった場合、弟の”ユーリ・カレコフ”に害が及ばないよう、アメリカへの亡命を依頼していた。スチュアートは、約束通りユーリをアメリカに亡命させる。

CIAを裏切ったミッチェルは、死刑判決を受け執行を待つ身となっていた。兄の復讐を果たすべく、ユーリはCIAの監視を振り切り、姿を隠す。かつてのユーリ担当だったスチュワートは現場に呼び戻され、ユーリ捜索を命ぜられる。しかし、ユーリは白血病を患っており、自身の手による復讐を断念、ゴルゴに復讐を託す。

ミッチェルは死刑執行を目前にしても臆することなく、平然とした態度をとっていた。それもそのはず、ミッチェルはCIAの弱みを握っており、自身の身に万一のことがあった場合、その情報を公開するとしていたのである。組織保全に走るCIAは、死刑執行の最終承認者である州知事の弱みを握り、執行直前に州知事から刑務所長に死刑中止の連絡する手はずを整える。州知事公邸は防弾硝子と強度スチールに守られていたが、ゴルゴは盟友の武器職人”デイブ・マッカートニー”に強度スチールを射抜く特殊弾丸を依頼する。ゴルゴは中止命令を出す直前の州知事を特殊弾丸にて狙撃、執行中止命令が発令されることなく、ミッチェルの死刑が執り行われる。

イデオロギーを超えた男の友情が熱い作品。複雑に交錯する人間模様がドラマに起伏を与えている。盟友デイブ・マッカートニーは、第7巻-1『AT PIN-HOLE!』第39巻-1『軌道上狙撃』第54巻-2『穀物戦争 蟷螂の斧』第75巻-1『G線上の狙撃』第94巻-3『クラウン夫妻の死』に続き6回目の登場。今回もまた、半日かかる仕事を短時間でやらされている。デイブとゴルゴのあうんの呼吸は、なんともいえず微笑ましい。

ズキューン

ゴルゴ13 (130) 巻掲載
ゴルゴ13 (151) 巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

<script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>

ゴルゴ13第130巻-1黄金の犬

2009-02-06 00:26:38 | 第126巻~第130巻

■黄金の犬(第430話) 発表1999年2月

評価   ★★★★★

依頼人  ムハマッド

ターゲット ”アラブの星”リーダー・アシド

報酬    不明

今回弾丸発射数       8/ 通算弾丸発射数 2,357

今回殺害人数      5/ 通算殺害人数   4,643

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   108

<ストーリー>
遺伝子操作によりできあがった狂犬病の病原体が、テロリストに奪われた。犬を巡る攻防がゴルゴ、テロリスト、フランス特殊部隊の間で繰り広げられる・・・

<この一言>
あのままでいたら・・・頭を直撃されていたな・・・

<解説>
動物学者”オコーナー女史”は、遺伝子操作により凶暴な狂犬病の病原体を作り出してしまった。テロリスト集団”アラブの星”は、オコーナー女史と犬を強奪、病原体を用いたテロを画策し病原体研究のための資金をムハマッドに要求する。しかし、ムハマッドはアラブの星の急進的な行動に異を唱え、資金提供を拒否。アラブの星のリーダー”アシド”は、ムハマドの息子”ブハシ”を使者として資金交渉にあたらせるが、ブハシは犬を無断で連れ出したため、アラブの星メンバーに殺害されてしまう。ブハシの連れ出したゴールデンレトリバーは、フランス当局に保護される。

息子を殺されたムハマドは、ゴルゴにアシド殺害を依頼。しかし、アシドの所在は不明で唯一の手がかりは、現場に落ちていたゴールデンレトリバーの首輪のみ。オコーナー女史が匿われている場所にアシドがいると読んだゴルゴは、、レトリバーがオコーナー女史のもとに戻るであろうと推測し、レトリバーを逃す。

一芸に秀でた犬4匹を調達したゴルゴは、レトリバー追跡を開始。一方、フランス当局は、ゴルゴがオコーナー女史失踪に絡んでいるとの情報をつかみ、特殊部隊を編成しレトリバーとゴルゴを追う。犬たちを手厚くケアしながら川を渡り、雪山を越えるゴルゴ。やがて、レトリバーはオコーナー女史の匿われている”アラブの星”のアジトにたどり着く。ゴルゴはアシドを始末するとともに、オコーナー女史の依頼によりアジトごと爆破する。オコーナー女史救出に失敗したフランス特殊部隊は、標的をゴルゴに変更。犬と行動するゴルゴは犬が足手まといとなると考え、ゴルゴを追う。断崖絶壁に”待て”の姿勢で4匹の犬が待機していることを発見した特殊部隊であるが、ゴルゴの姿は見えない。絶壁からパラセイリングで飛び立ったゴルゴは、空中で犬笛を吹く。4匹の犬は、ゴルゴを追い絶壁から飛翔する。犬たちはゴルゴに”自殺”を命じられ、従ったのである・・・

”絆”とは何かを問う作品。一芸に秀でているが、雑種だったり扱いにくいという、いわば半端者の犬たちを、恭順させるゴルゴ。従わせるだけでなく、ゴルゴから愛情を注いでいることに注目したい。犬たちとの連帯感を形成したゴルゴは、やがて非情にも犬たちを自死に追いやる。ゴルゴは非情なのだろうか?犬の指命あるいは天命は主人に従うことと仮定すれば、ゴルゴを生かすために犬たちは最期までゴルゴに尽くし、最高の人生(犬生?)を全うしたとも考えられる。ゴルゴと犬たちの絆が強固であるが故、ラストシーンが際だつ。やりきれない切なさが涙を誘う、ゴルゴ史上最も哀しい作品。

ズキューン

ゴルゴ13 (130) 巻掲載
ゴルゴ13 (151) 巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

<script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>

ゴルゴ13第129巻-3ビリニュスの光と影

2009-02-03 23:28:41 | 第126巻~第130巻

■ビリニュスの光と影(第429話) 発表1998年11月

評価   ★★★★

依頼人  ①②アルフレダス・ユークナー

ターゲット ①財宝を狙う者 ②政界の黒幕 ドモフスキー

報酬    不明

今回弾丸発射数       4/ 通算弾丸発射数 2,349

今回殺害人数      4/ 通算殺害人数   4,638

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   108

<ストーリー>
リトアニア独立の陰に潜む財宝。リトアニア独立により裂かれた男たち。財宝を起点に男たちの人生が交錯する・・・

<この一言>
”依頼に嘘は許さない”という俺のルールは承知しているはずだな・・・?

<もう一言>
もし、依頼に嘘があったら、俺はもう一度あんたの前に現れる事になる・・・

<解説>
リトアニア建国以来、秘匿されてきた財宝の存在が独立機運の高まりとともにクローズアップされる。ポーランドの属国となり、その後ロシア領となったリトアニアで、1990年独立の機運が高まる。独立推進派の”アルフレダス・ユークナー”は、リトアニアに伝わる財宝を独立後の建国資金として確保すべく、財宝を狙う者の抹殺をゴルゴに依頼する。

ユークナーの下、リトアニア特殊部隊に編入されたボレスラフとエリカスは親友同士。エリカスはリトアニアの独立を志向するが、ポーランドの血が流れるボレスラフは、少数民族のポーランド人が片隅に追いやられることを恐れ、リトアニアの独立に反対する。リトアニア市民が独立に向け立ち上がると、エリカス率いる特殊部隊は市民行動を支持、一方のボレスラフはソ連軍として市民制圧に向かう。にらみ合うエリカスとボレスラフ。直後にボレスラフは大やけどを負い、戦線を離脱、ゴルゴに救われる。その後ゴルゴは、ボレスラフの後を追い、財宝を狙っていた”カタロフ”を始末する。リトアニアの独立後、ボレスラフはエリカスに別れを告げずに行方をくらます。

8年後、再びユークナーはゴルゴに接触、政府の黒幕”ドモフスキー”が財宝を狙っているので始末して欲しいとの依頼を行う。しかし、ユークナーが財宝を狙っているとの情報を得たゴルゴは、ユークナーに真意を確認。ユークナーは自己の私欲を暴露するも、命と引き替えにドモフスキーの殺害をゴルゴに応諾させる。ドモフスキーを始末し、財宝を巡る水面下の攻防が収まった後、ボレスラフはエリカスと再会、変わらぬ友情を確認する・・・

リトアニア独立後の民族分断をテーマにした作品。民族間の憎悪ではなく、男と男の変わらぬ友情を描いている点、さらには、これ以上はないというハッピーエンドで幕を閉じるという点で、かなりの異色作となっている。前作の『感謝の印』、本作『ビリニュスの光と影』、次作『黄金の犬』と三作品続けて感動的なストーリーが続き、ファンは涙腺がゆるみっぱなしである。

ズキューン

ゴルゴ13 (129) 巻掲載
ゴルゴ13 (151) 巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

<script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>

ゴルゴ13第129巻-2感謝の印

2009-01-31 23:51:32 | 第126巻~第130巻

■感謝の印(第428話) 発表1998年5月

評価   ★★★★

依頼人  司教

ターゲット シェリー

報酬    不明

今回弾丸発射数       1/ 通算弾丸発射数 2,345

今回殺害人数      1/ 通算殺害人数   4,634

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   108

<ストーリー>
事故に巻き込まれたゴルゴ。瀕死のゴルゴを救ったのは”マザー・テレジア”であった・・・

<この一言>
神に仕える者も所詮は”人間”・・・という事らしいな、マザー・・・

<もう一言>
依頼時のうそは許さないという俺のルールは承知のはずだ・・・

<さらに一言>
組織のリーダーはホモセクシャルだった・・・

<解説>
司教から殺害依頼を受け、”シェリー”を狙うゴルゴ。スコープにシェリーを捉えたゴルゴであるが、シェリーの妊娠を察すると、狙撃を取りやめる。司教の依頼内容に偽りを感じたゴルゴは、司教を断罪する。

現場を離れバスに乗ったゴルゴであるが、直後にバスが転落事故を起こし、瀕死の重傷を負う。”マザー・テレジア”とシェリーに助けられたゴルゴ。マザーとシェリーは司教を殺害したのがゴルゴと知りつつ、訪ねてきた警察からゴルゴをかばう。

時が経ち、マザー・テレジア死去のニュースが世界を流れた。ゴルゴは$1,000,000の小切手を修道館に送り、感謝の印を顕わすのであった・・・

”マザー・テレジア”は1997年9月5日に死去したマザー・テレサのもじり。過剰なヒューマニズムの演出に異議を唱えるむきもあろうが、義理堅いゴルゴの一面が描かれているこの作品、味がある。ロンドンのパブで一人酒を飲むゴルゴの心境やいかに。ゴルゴを見送るマザーのセリフも印象的だ。『悲しい男・・・でも、いつかあなたが、主のご慈悲に気づく日が訪れますように・・・』

ズキューン

ゴルゴ13 (129) 巻掲載
ゴルゴ13 (151) 巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

<script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>