ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第117巻-3フルマーク

2008-05-25 16:20:36 | 第116巻~第120巻

■フルマーク(第393話) 発表1996年8月

評価   ★★

依頼人  不明(アメリカの軍需産業関係者?)

ターゲット 新興勢力銃メーカー「ダーレン社」ライフル

報酬    不明

今回弾丸発射数      11/ 通算弾丸発射数 2,128

今回殺害人数         0/ 通算殺害人数   4,267

今回まぐわい回数     1/  通算まぐわい回数   105

<ストーリー>
アトランタオリンピックの射撃競技を舞台に、新旧の女性射手・銃器メーカーが火花を散らす・・・

<この一言>
この恐怖を思い出せ・・・

<解説>
アトランタオリンピックのライフル射撃に臨む美貌の射手「メアリージョー」。しかし、新興銃器メーカー「ダーレン社」製のライフルを用いて高得点を次々とマークする「モニカ」の登場により、メアリージョーの金メダル獲得は困難に。射撃術の向上に限界を感じていたメアリージョーは生まれ故郷に戻り、かつて練習した射撃場を訪れる。その射撃場に東洋人が現れ軍用銃で10発の弾丸を1カ所に撃ち込んだ、と言う話を聞いたメアリージョーは、盛り場に東洋人を探しに行く。

果たしてその東洋人(=ゴルゴ)と巡り会ったメアリージョーは、ゴルゴとベッドを共にし射撃の極意を訊く。ゴルゴは銃口をメアリージョーに向け引き金に人差し指をかける。死を覚悟したメアリージョーだが、ゴルゴは引き金を引かずに銃をしまい、「この恐怖を思い出せ・・・」とつぶやいて去っていく。

ゴルゴのアドバイスによりフルマークを連発するメアリージョー。一方のモニカもフルマークを連発し、金メダル争いは二人に絞られた。しかし、ダーレン社製ライフルの興隆を快く思わないアメリカの軍需産業関係者から依頼を受けたゴルゴは、モニカの射撃後にダーレン社製ライフルの銃口に弾丸を撃ち込み、モニカに負傷を追わせる。銃器事故と判断した競技委員会はダーレン社製のライフルを没収、金メダルはメアリージョーのものとなる。しかし、メアリージョーだけは、ゴルゴがモニカの銃口に弾丸を撃ち込んだのがゴルゴだと察し、ゴルゴとの再会を求め街を彷徨う・・・

オリンピックイヤーに発表された作品。ゴルゴとメアリージョーの接触が余りにもできすぎで興ざめする。しかし、本作が収録されている117巻は、収録されている全ての作品でゴルゴがまぐわっている(女性を抱いている)という点で非常にレアである。ゴルゴ13シリーズ/SPコミックスにおいては、各巻2作品~6作品が収録されているが、117巻までで、各巻収録作品全てでゴルゴがまぐわっているのは本巻のみ。セックスレスだったゴルゴ、反動がきたか・・・?

ズキューン

ゴルゴ13 (117)巻掲載
ゴルゴ13 148巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

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ゴルゴ13第117巻-2北海の煙突船

2008-05-24 19:10:08 | 第116巻~第120巻

■北海の煙突船(第392話) 発表1995年12月

評価   ★★★

依頼人  産業廃棄物処理会社”A&Jカンパニー”社長アッシュ

ターゲット ジェット化学工業バッカード会長

報酬    不明

今回弾丸発射数       1/ 通算弾丸発射数 2,117

今回殺害人数         1/ 通算殺害人数   4,267

今回まぐわい回数     1/  通算まぐわい回数   104

<ストーリー>
公海上で産業廃棄物を高熱処理する”煙突船”。しかし、実態は杜撰な処理で有害物質をまき散らしていた・・・

<この一言>
わかった・・・だがそのバッカードを消しても、大企業は多国籍だ、癌細胞のように移転するぞ・・・

<解説>
ドイツを本拠とする多国籍企業”ジェット化学工業”は産業廃棄物の処理に苦慮、廃棄物処理会社”A&Jカンパニー”に大量の廃棄物処理を依頼する。A&Jカンパニーのアッシュは、廃棄を公海上で燃焼処理する”煙突船”を開発し、ジェット化学工業会長「バッカード」の信頼を受けていた。

しかし、煙突船の実態は廃棄物を高熱で燃焼するだけの処理で、その煤煙には有害物質が含まれており、実態は北海に有害物質の垂れ流しであった。アッシュは自責の念にかられ事業の撤退を申し出るが、バッカードは杜撰な廃棄物処理についてアッシュをスケープゴートにしたてあげることを思い立つ。バッカードは環境保護団体「グリーンホープ」にアッシュを売り、非難が自社に及ばないように画策する。

バッカードの陰謀に気付いたアッシュは、煙突船の実態をグリーンホープに告白するとともに、煙突船と共に海に沈むことを決意する。バッカードへの恨みをはらすため、ゴルゴにバッカードの殺害を依頼。煙突船に乗り込んだアッシュの最期を確認したゴルゴは、バッカードの眉間に銃弾を撃ち込む。

環境問題をテーマにした作品。大企業が環境への取り組みをこぞってアピールしているが、それを鵜呑みにしていいものだろうか、と考えさせられる内容。日本に於いて産業廃棄物は利権の温床となっているとも言われており、また、世界的に見れば廃棄物の輸出を巡って途上国への押しつけが問題となっている。この問題を解決できるのは、ゴルゴだけか・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (117)巻掲載
ゴルゴ13 148巻(最新刊)
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ゴルゴ13第117巻-1情報遊戯

2008-05-18 14:43:43 | 第116巻~第120巻

■情報遊戯(第391話) 発表1996年4月

評価   ★★★

依頼人  不明

ターゲット 英国軍需産業の黒幕”ゴールドスミス”

報酬    不明

今回弾丸発射数      12/ 通算弾丸発射数 2,116

今回殺害人数        11/ 通算殺害人数   4,266

今回まぐわい回数     1/  通算まぐわい回数   103

<ストーリー>
ゴルゴ包囲網が敷かれ、ゴルゴへの依頼が次々と妨害・キャンセルされる。ゴルゴを独占利用しようとする組織が現れ・・・

<この一言>
初耳だが・・・

<もう一言>
俺は、それがどんな権力だろうと、特定の相手を顧客に持つ気はない・・・二度と俺に近づくな・・・

<さらに一言>
この場を逆転できる手段があったのなら、よけいな口を利いてないで行動することだ・・・

<解説>
狙撃直前にターゲットを爆死させられたり、依頼者に圧力をかけてゴルゴへの依頼をキャンセルさせられたりと、ゴルゴへの依頼が何者かに妨害される。ゴルゴがニューヨークの情報屋に調査をさせると、インターネットや電話、マスメディアを通じてゴルゴの身辺が調査されている可能性があるという。直後、謎の組織よりゴルゴと独占契約を結びたいとの申し出がなされる。「俺は、それがどんな権力だろうと、特定の相手を顧客に持つ気はない・・・」「二度と俺に近づくな・・・」と独占契約を却下するゴルゴ。

なおも執拗な妨害を受け情報包囲網により身辺を窺われるゴルゴであるが、追っ手を振りきり香港へと逃れる。香港に拠点を置く華僑の情報ネットワーク”客家人”のボス「陳勝輝」に接触したゴルゴは、ゴルゴにつきまとう組織がデンマークを拠点とする「国立経済学院(NEI)」であることを掴む。

ゴルゴはNEIに単身乗り込み、ゴルゴを独占しようとした「ギオル助手」一派を殲滅し、依頼を受けていた英国軍需産業の黒幕「ゴールドスミス」を期限内に殺害する。

ゴルゴを独占利用しようとする組織を壊滅させるストーリー。同様のパターンには第63巻-1『ロックフォードの野望』がある。本作発表は1996年であるが、時代を反映させインターネットがフックになっている。”検索”や”メール”、”ハッキング”といったキーワードが散りばめられているのが面白い。他にも時代性を感じさせるポイントがいくつかあり、ゴルゴ13シリーズが現在進行形であることが感じられる。
・インターネット検索担当の情報屋をニューヨークに雇っている
・催眠性のスプレーを用いている
・”2013年型のトラクター購入したし”とのメッセージで21世紀を見据えている
ゴルゴの依頼遂行日(1996年1月19日)が特定できると言うのもレアだが、一方通行なコミュニケーションが炸裂しまくり、いつになくゴルゴが饒舌なのも非常にレアである。
・「もうけっこうだ・・・」=航空券を予約できないことに立腹・・・
・「わかる必要はない・・・今回の報酬は受け取れない、とだけ答えておこう・・・」=依頼人に再び対峙して・・・
・「俺は、その組織の性質に興味はない。知りたいのは俺を妨害できるだけの能力があるか、どうかだ・・・」=陳に教えを乞うているにも拘わらず・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (117)巻掲載
ゴルゴ13 148巻(最新刊)
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ゴルゴ13第116巻-4遠い隣人

2008-05-11 13:18:38 | 第116巻~第120巻

■遠い隣人(第390話) 発表1995年3月

評価   ★★

依頼人  不明

ターゲット 須山春雄

報酬    不明

今回弾丸発射数       1/ 通算弾丸発射数 2,104

今回殺害人数         1/ 通算殺害人数   4,255

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   102

<ストーリー>
父親が中国のスパイだったことをネタに、強請られる男。家族を守ることができるのか・・・

<この一言>
科白なし

<解説>
マイクロチップで世界4位のシェアをもつ大手電機メーカーの技術開発室長「有沢」。平穏な日々を送る有沢の前に、脅迫者「須山春雄」が現れる。須山は、有沢の父親が中国のスパイであったことネタにマイクロチップの開発情報を強請るべく接触してきたのである。

須山は有沢の娘・妻を取り込む一方、情報を渡さなければ家族の安全は保証できないと有沢を追い込む。苦悩した有沢は妻に全てを打ち明け、須山に情報提供することを決心する。

須山に情報を渡そうとした刹那、ゴルゴの銃弾が有山の眉間を貫く。目の前で起こった事が理解できず、呆然と立ちつくす有沢・・・

終戦直後の大陸抑留者のスパイ活動と、現代の産業スパイをオーバーラップさせた作品。舞台が日本であること、親子二代に渡る歴史の因果をテーマにしていることなど、高評価につながりそうなポイントはあるのだが、あっさりとした短編にまとめられており、深い読後感はない。ゴルゴの登場も3コマ(ゴルゴの顔が描かれているのは2コマ)のみ、と非常に淡泊な作品である。

ズキューン

ゴルゴ13 116巻掲載
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ゴルゴ13第116巻-313人目の陪審員

2008-05-10 23:48:41 | 第116巻~第120巻

■13人目の陪審員(第389話) 発表1996年3月

評価   ★★★

依頼人  シャーリー・ウォーズの父親

ターゲット レイモンド・キングリッチ

報酬    不明

今回弾丸発射数       1/ 通算弾丸発射数 2,103

今回殺害人数         1/ 通算殺害人数   4,254

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   102

<ストーリー>
人種差別が渦巻くアメリカ南部でのレイプ裁判。被害者は黒人女性で、被告は裕福な白人。裁判の行方は・・・

<この一言>
有罪(ギルティ)

<もう一言>
復讐ではなく、あくまでも裁きたい、という事か・・・?

<解説>
人種差別が根深く残るアメリカ南部ミシシッピー州。世界的清涼飲料メーカーの専務「レイモンド・キングリッチ」は黒人秘書「シャーリー・ウォーズ」をレイプのうえ殺害し、警察に捕らえられる。レイモンドの父親であるキングリッチ社長は、辣腕弁護士を雇いアメリカ南部特有の白人優位の裁判で息子を無実にしたてあげようと画策。キングリッチの資金力を用いれば、被告寄りの陪審員を指名することも可能であった。

シャーリーの父親は、レイモンドがレイプ犯であることを確認出来た後、レイモンドを殺害するようゴルゴに依頼する。

ゴルゴはキングリッチと接触すべく、警官を襲い留置所に抑留される。留置所にてキングリッチと会話を交わしたゴルゴは彼の有罪を確信し、裁判にて無罪により放免されたキングリッチを葬り去る。

アメリカ南部の人種差別と陪審員制度をテーマにした作品。ゴルゴはキングリッチに接触するため警官を襲い、抑留されている。留置所でゴルゴは、キングリッチにLSDを渡している。さすがのゴルゴも留置所にぶち込まれる前に身体検査を受けるはずで、LSDの持ち込みは難しいと思われるが、気にしないことにしよう・・・。日本でも始まる「裁判員制度」。本作で問題視されている、陪審員のなり手がいない問題は、日本の裁判員制度にも共通すると思われる。なし崩し的に始まる裁判員制度の運用や如何に・・・

ズキューン

ゴルゴ13 116巻掲載
ゴルゴ13 148巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

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