ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第115巻-2鄧小平のXデー

2008-03-30 23:58:22 | 第111巻~第115巻

■鄧小平のXデー(第385話) 発表1995年11月

評価   ★★★

依頼人  元中国共産党総書記 劉白連

ターゲット 超能力者 楊銘飛/中央警護局長 陳大邦

報酬    不明

今回弾丸発射数       2/ 通算弾丸発射数 2,085

今回殺害人数         2/ 通算殺害人数   4,238

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   102

<ストーリー>
中国最高権力者「鄧小平」の後継を巡り、超能力者「楊銘飛」が暗躍、権力を握らんとする・・・

<この一言>
聞いた事がある・・・北京市内を縦横に走る地下道は、全市民1000万人を三分間で収容できる、とな・・・

<解説>
中国の最高権力者「鄧小平」が床に伏せたことで、後継を巡る動きが水面下で活発化してきた。そのような折、超能力者「楊銘飛」が権力中枢部と人民の間で人心をを掌握、影響力を増してきた。楊銘飛は鄧小平の後継には中央警護局長「陳大邦」が就くと予言、陳を使って自らが最高指導者の地位に就こうと画策する。

鄧小平に追われた元中国共産党総書記「劉白連」は、このような状況を憂いゴルゴに接触、楊銘飛と陳大邦の殺害を依頼する。楊は陳に鄧小平の殺害を指示、陳は鄧小平の病床に忍び込みその命を断たんとするが、その刹那ゴルゴが陳を狙撃する。

仮病を使って床に伏せていた鄧小平はゴルゴに対し「君とは一度会いたいと思っていたのだ・・・しばらく付き合ってくれないか?」と語りかけ、ゴルゴと言葉を交わす。後継問題について一頻り語った鄧小平は「私は疲れた・・・少し眠ることにする・・・」と一方的に会話をうち切り眠りにつく。その後ゴルゴは楊銘飛のいかさま超能力を暴くタイミングで狙撃を行い、ミッションを完遂する。

北京には1000万人を収容できる地下街が実在するのだろうか?とすれば、相当の広さであるが、ゴルゴはこれを完璧に記憶し、かつ全速力で走りながら歩測(走測?)して鄧小平の自宅に辿り着いている。恐るべき能力である。さらには、劉白連がクーデターを画策していたこともゴルゴは承知していたという。世界情勢を隈なく掌握しているゴルゴ、恐るべし。ゴルゴに一目置いている鄧小平であるが、鄧小平の一方的なコミュニケーションはゴルゴといい勝負である。

ズキューン

ゴルゴ13 (115)巻掲載
ゴルゴ13 (147)巻(最新刊)
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ゴルゴ13第115巻-1沖縄シンドローム

2008-03-29 23:55:40 | 第111巻~第115巻

■沖縄シンドローム(第384話) 発表1996年1月

評価   ★★★

依頼人  琉球王朝の子孫

ターゲット クーデターの無血阻止/菱井グループ総帥松井

報酬    琉球王朝に伝わる骨董品

今回弾丸発射数       1/ 通算弾丸発射数 2,083

今回殺害人数         2/ 通算殺害人数   4,236

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   102

<ストーリー>
沖縄独立を標榜する自衛官グループがクーデターを画策、沖縄米軍基地を奇襲し制圧するとの情報が・・・

<この一言>
王朝時代より王家をずっと補佐し続けてきた家系だが・・・細心、かつ、冷静な思考を誤ったのも、その家系のせいだろう・・・

<解説>
沖縄で千歳航空自衛隊所属の男性が殺害された。直後、その男の投函したと思われる怪文書がマスコミ、政府筋に届く。怪文書には、”オペレーション・トロイ”なる沖縄独立のための軍事計画が綴られていた。北部航空譜面隊一等空尉「伊波天臣」によって率いられた沖縄出身自衛官が武装蜂起するという。

”オペレーション・トロイ”は、アジア最強と言われるアメリカ軍基地を奇襲、兵器を奪い沖縄の独立を宣言する計画であった。怪文書を見た村山総理はアメリカ軍基地の増大ぶりと伊波の計画に狼狽、ゴルゴに接触するも依頼を断られる。村山総理はアメリカ/クリントン大統領に助けを求める。

一方、クーデターの首謀者伊波は琉球王朝を補佐する家系の出であるが、王朝の末裔に沖縄独立を目指していることを伝達していた。しかし、王朝末裔は、伊波が菱井グループ総帥「松井」に利用されていることを知り、ゴルゴにクーデターの無血武装解除と松井の殺害を依頼する。ゴルゴはクリントン大統領からの依頼もあり、在日米軍を動かして伊波のクーデターを事前に制圧、伊波の介錯を行う。

沖縄のアメリカ軍基地問題を題材にした作品。本作は在日アメリカ兵の日本人少女暴行事件の直後に発表されたが、その後もアメリカ兵による犯罪は後を絶たず、沖縄の基地問題とからめ些かの変化も見られない。重いテーマを突きつける社会性の高い作品である。

ズキューン

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ゴルゴ13第114巻-3アメリカンドリーム

2008-03-23 23:08:54 | 第111巻~第115巻

■アメリカンドリーム(第383話) 発表1982年6月

評価   ★★

依頼人  エルマン・プレイリーの妻パティ

ターゲット エルマン・プレイリーの胸につけたコイン

報酬    不明

今回弾丸発射数       1/ 通算弾丸発射数 2,082

今回殺害人数         0/ 通算殺害人数   4,234

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   102

<ストーリー>
アメリカの大物歌手「エルマン・プレイリー」はベトナム戦争の後遺症に悩まされ、ステージにも立たず放蕩の日々を送っていた・・・

<この一言>
・・・

<解説>
アメリカの大物歌手「エルマン・プレイリー」は、ベトナムからの帰還後、ベトナムシンドロームに悩まされステージに立つことも出来ず、放蕩の日々を送っていた。エルマンの拠り所は、ベトナムで彼を救ったコイン。ベトコンが放った弾丸がエルマンの胸を直撃したが、コインが弾丸の貫通を防ぎエルマンは九死に一生を得る。以来、エルマンは片時もコインを肌身離さずにいた。

プレイリーのマネージャー「モーリス」は、プレイリーをステージに立たせようと、プレイリーの妻「パティ」に協力を依頼する。パティはプレイリーとの離婚を決意したが、モーリスの依頼を受け入れ、ゴルゴに接触する。

パティの依頼を受けたゴルゴは1キロ離れた地点より、プレイリーのコインを狙撃。コインを狙撃されてふっきれたプレイリーはパティの説得もあり、ステージ復帰を果たす。

さりとて見所の無い短編。90年代に発表されたゴルゴ・シリーズは、各ストーリーのテーマが専門性を帯びてきているが、本作はオールドスタイルの”劇画”的展開である。内容に違和感があり調べてみると、本作は1982年発表。82年に発表された作品は52巻~55巻あたりに収録されているが、本作は17年の歳月を経て1999年に単行本第114巻に収録されたのである。何故、これほど発表から単行本収録まで時間がかかったのだろうか・・・

本作では「1000m」の長距離狙撃が描かれているが、これまでの長距離狙撃ランキングを記す。
第42巻-2『海神が目覚める』1,500m
第7巻-1『AT PINHOLE』1,020m
第27巻-2『60日間の空白への再会』1,000m
第48巻-3『ゼロの反撃』1,000m
③第114巻-3『アメリカンドリーム』1,000m
第110巻-3『冷血キャサリン』800m
第51巻-2『橋は崩れた』800m
第18巻-1『動作・24分の1』700m
第83巻-2『シビリアン・コントロール』600m
第11巻-1『ROOM No.909』500m
第22巻-1『スエズの東』400m

ズキューン

ゴルゴ13 (114)巻掲載
ゴルゴ13 (147)巻(最新刊)
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ゴルゴ13第114巻-2国王ゴードインの依頼

2008-03-20 23:48:28 | 第111巻~第115巻

■国王ゴードインの依頼(第382話) 発表1995年5月

評価   ★★★★

依頼人  ①マイヤー・ロンブルグ第五代国王ジョルジュ・ゴードイン ②侍従長ディベッツ

ターゲット ①ブラームス・ブロック党ヒンデンブルグ党首/アラン・フロント党党首
       ②元空軍参謀長ルフェーブル

報酬    ①スペイン王室寄贈のダイヤ ②不明

今回弾丸発射数       3/ 通算弾丸発射数 2,081

今回殺害人数         3/ 通算殺害人数   4,234

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   102

<ストーリー>
マイヤー・ロンブルグ王室「第五代国王ジョルジュ・ゴードイン」の空白の一日。国王のとった行動とは・・・

<この一言>
俺が何人か、推測するのは勝手だが・・・俺の仕事の遂行能力とは関係あるまい・・・

<もう一言>
俺に関してその程度の調査で・・・依頼したのか・・・?

<さらに一言>
俺は・・・未だかつて・・・依頼者が裏切らない限り・・・依頼者との契約に反したことは・・・一度もない!

<解説>
ヨーロッパの王室「マイヤー・ロンブルグ」の正史を編纂することになった伝記作家「エッシャー」。現国王「第六代国王ジルベール・ゴードイン」とその兄「第五代国王ジョルジュ・ゴードイン」に、公式記録に残されていない空白の日程が存在することを発見したエッシャーは、侍従長「ディベッツ」に疑問を投げかける。ディベッツが語ったのは王室とゴルゴの意外な接点であった。

1991年、総選挙で与党が惨敗、王室存続に反対する極右政党「ブラームス・ブロック党」と「アラン・フロント党」が躍進し、王国は分裂の危機に瀕した。苦悩する第五代国王ジョルジュ・ゴードインに対し、ディベッツ侍従長は両党首の暗殺を進言する。クリスチャンであるゴードインは極秘裏にバチカンを訪問、法王に自身を破門するように嘆願する。事情を察した法王はゴードインを破門、ゴードインとディベッツはゴルゴに極右2政党のリーダー暗殺を依頼する。王室には自由になる現金がないため、暗殺に対する報酬としてスペイン王室より授かったダイヤモンドの指輪を提示、ゴルゴはこれを応諾する。また、「王国連邦国内で王室の援助が必要になった時は、マイヤー・ロンブルグ家は、万難を排して協力する」との約束を交わす。

ゴードインの死去後、第六代国王に即位したジルベールであるが、兄ゴードインがゴルゴと交わした約束の履行を行っている。侍従長ディベッツが元空軍参謀長「ルフェーブル」暗殺を依頼したが、王室は逃亡ルートの確保と国外脱出を幇助したのである。

ヨーロッパの王室とゴルゴの接点が描かれる力作。ゴルゴ自身は脇役にとどまっているが、練りに練られた綿密なストーリー展開と全編を貫く緊迫感が素晴らしい。現金報酬を原則とするゴルゴが、ダイヤモンドで依頼を受けるというのも極めてレアである。浮世離れしたゴードイン・ディベッツとゴルゴのかみ合わない会話がなんとも可笑しいが、このずれた緊張感が一つの見せ場となっている

ズキューン

ゴルゴ13 (114)巻掲載
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ゴルゴ13第114巻-1病原体・レベル4

2008-03-10 00:17:19 | 第111巻~第115巻

■病原体・レベル4(第381話) 発表1995年9月

評価   ★★★★★

依頼人  なし

ターゲット なし

報酬    なし

今回弾丸発射数       2/ 通算弾丸発射数 2,078

今回殺害人数         0/ 通算殺害人数   4,231

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   102

<ストーリー>
ゴルゴ、エボラ出血熱に感染!アメリカ軍の包囲網から逃れ、致死までの僅かな時間にゴルゴがとった行動とは・・・

<この一言>
しまった!!

<解説>
アフリカからロサンジェルスに向かう客船内でエボラ出血熱が発生。密猟者が持ち込んだミドリ猿が保有していたエボラ・ウイルスが船内に拡散、ゴルゴも猿の体液を浴びてウイルスに感染してしまう。

発熱、吐き気、嘔吐といった症状がゴルゴを蝕む。危機を察したゴルゴは、定期検診を受けている「Dr.マコーミック」に連絡、自らの症状をエボラと見立てる(ゴルゴが受けている定期検診については第46巻-2『PRIVATE TIME』を参照)。

エボラの被害がアメリカ本土に及ばぬよう、アメリカ軍は客船を沖に抑留し乗員乗客を足止めにする。ゴルゴは軍の気配を察し、いち早く客船を脱出。別便でアメリカに送られていたミドリ猿の荷揚げ倉庫を目指す。エボラ・ウイルスの抗体を持つ猿を見つけたゴルゴは、注射器で猿の血液を採取、自動車のタイヤに猿の血液を入れた試験管をくくりつけ遠心分離により血清を作製。自らに投与することでボラ・ウイルスを押さえ込む。ゴルゴは血清をその場に残し、客船の乗員1240名の命を救ったのであった・・・

圧倒的な緊迫感が全編を貫く傑作。残された僅かな時間を、僅かな可能性に賭けるゴルゴ。そこに描かれているのは生への飽くなき執着である。しかし、ゴルゴ自身のみが助かればいいというのではなく、乗員乗客1240名の命をも救おうとしていた高貴な行為が明らかになった際にもたらされる深い感動は、名作『2万5千年の荒野』(第64巻-3)に勝るとも劣らない。90年代の名作である。

ズキューン

ゴルゴ13 (114)巻掲載
ゴルゴ13 (147)巻(最新刊)
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