ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第71巻-2ソフホーズ

2007-05-25 23:28:38 | 第071巻~第075巻

■ソフホーズ(第246話) 発表1985年5月

評価   ★★★

依頼人   ①CIAアフリカ支局 ②KGBボルツェフ大佐

ターゲット ①カヘンガ大統領 ②ミハイル・セルゲビッチ・ゴルバチョフ政治局員兼書記

報酬     ①不明 ②$500,000

今回弾丸発射数      3/ 通算弾丸発射数 1,380

今回殺害人数        3/ 通算殺害人数   1,475

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    83

<ストーリー>
かつてゴルゴに煮え湯を飲まされたCIAシムズ作戦部長はゴルゴに怨念を抱いていた。ソ連で進行中のゴルバチョフ暗殺の陰謀に乗じてシムズは・・・

<この一言>
命令されるのは、きらいなんだ・・

<解説>
CIA作戦部長シムズは亡命直前のソ連高官をゴルゴに狙撃された経験を持つ(第68巻-2『真実の瞬間』)。ゴルゴに恨みを抱いていたシムズは、ザイール大統領「カヘンガ」の殺害をゴルゴに依頼するが、作戦終了後ゴルゴを裏切り、原住民にゴルゴを襲わせる。ゴルゴは傷を負いながらも生きながらえ、シムズへ復讐の機会を伺う。

ソ連国内ではポスト・チェルネンコを睨み権力闘争が激化、ゴルバチョフが頭角を現していた。反ゴルバチョフ派は、自身の地位保全のためにゴルバチョフ暗殺を企て、ゴルゴへ接触。ゴルバチョフがソフホーズを視察に訪れた際に、水圧塔から狙撃するという条件でゴルゴへ殺害を打診する。

CIAは水圧塔に隠しカメラを仕掛けていたが、水圧塔内にM16を持つ人物を確認する。ソ連内でゴルバチョフ暗殺が進行していると確信したCIAは、暗殺情報をゴルバチョフに伝えるべきか否か議論。シムズは水圧塔内の人物がゴルゴであると考え、ゴルゴ抹殺のためにソ連に暗殺情報を伝えるべきであると強硬に主張する。レーガン大統領の判断により、暗殺情報がゴルバチョフに伝えられるが、ゴルバチョフは既に暗殺の動きを察知しており、水圧塔を爆破する。爆破される直前、監視カメラが水圧塔の人物を捉えるが、その正体はゴルゴではなかった・・・。

ゴルゴはシムズを欺くために、ゴルバチョフ暗殺を受託せずにディスインフォメーションを行ったのであった。ゴルゴの銃弾がシムズを捉え、ゴルバチョフが書記長に就任することが記されてエンディングを迎える。

給水塔内にM16が映し出される展開は非常にスリリングだが、ゴルゴが全てを見切ってゴルバチョフ暗殺の依頼を断ったのだとしたら、展開に無理がある。閉ざされた水圧塔に潜んでの狙撃というのが条件的に合わなかったのだろう。
もしゴルゴがこの依頼を受けていたら、ペレストロイカからソ連崩壊へと連なる歴史は別の展開を見せていたに違いない。

ズキューン

ゴルゴ13 (71) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

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ゴルゴ13第71巻-1アクロバティックス

2007-05-24 23:51:30 | 第071巻~第075巻

■アクロバティックス(第245話) 発表1986年11月

評価   ★★★

依頼人   シオン・パイン

ターゲット マンソン州知事候補

報酬     推定$110,000

今回弾丸発射数      5/ 通算弾丸発射数 1,377

今回殺害人数        1/ 通算殺害人数   1,472

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    83

<ストーリー>
リチャード・パインはノースカロナイナ州知事の座を対立候補のマンソンと争っていた。形勢不利なマンソンはパインを殺害するが、パインの息子シオンは復讐を企てる・・・

<この一言>
話は終わった・・・引きとってくれ!

<解説>
ノースカロライナ州知事候補リチャード・パインは切手収集マニア。選挙活動の最中も息子のシオンと共に稀少切手を集めていた。対立候補のマンソンは選挙戦が不利と見るや、パイン一家の殺害を実行、シオンのみが奇跡的に生き残る。
遺されたシオンは黒人の家政婦ジーナの助けを得て、マンソンへの復讐を企てる。切手購入のための資金は自由に引き出せるとの遺言にに基づき、シオンはオークションで12万ドルの切手を競り落とし、すぐさま11万ドルで転売することでゴルゴへの報酬を確保。ジーナにはKKKの市長候補殺害をゴルゴに依頼した過去があり、そのつてを頼りにゴルゴに接触し、マンソンの殺害を依頼する。

ノースカロナイナはライト兄弟が初めて動力飛行を成功させた場所であるが、マンソンはその記念式典に新知事として参加。ゴルゴは複葉機に機銃を取り付けてデモ飛行を行い、マンソンを機銃掃射により殺害する。複葉機で宙返りをしながら機銃を連射し、マンソンのみを狙い撃つという離れ業を見せている。

ライト兄弟=複葉機=複葉機の切手のミスプリント(アクロバティック)=複葉機で宙返りしながらの狙撃、と幾重にも絡められた伏線が面白い。また、シオンが転売した『アクロバット』切手の最終的な買い手がマンソンというのも、皮肉なオチだ。
しかし、年端もいかぬシオンに$4,500の切手を買い与えているリチャード・パインの親バカ振りはいかがなものか。1986年当時のレート1ドル=250円から換算すると1,125,000円となる。政治家とはかくも儲かる職業なのだろうか・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (71) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
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ゴルゴ13第70巻-3心霊兵器

2007-05-23 23:55:34 | 第066巻~第070巻

■心霊兵器(第244話) 発表1985年12月

評価   ★★★

依頼人   CIA西ドイツ支部 支部長

ターゲット KGB超能力者フリーマン

報酬     不明

今回弾丸発射数      2/ 通算弾丸発射数 1,372

今回殺害人数        1/ 通算殺害人数   1,471

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    83

<ストーリー>
西ドイツミサイル基地の管制室で3名の兵士が精神に異常をきたす。CIAはKGBの心霊兵器=超能力者の仕業と考え、ゴルゴに超能力者の狙撃を依頼する・・・

<この一言>
提示した報酬が俺のスイス銀行の口座に振り込まれたのを確認次第仕事にかかろう・・・

<解説>
西ドイツのミサイル基地管制室で、兵士が精神異常をおこしミサイル発射ボタンを押そうとする事故が連続して発生。一連の事故はKGBの超能力者によるマインドコントロールであると睨んだCIAは、超能力者フリーマンの殺害をスナイパー「セバスチャン・カー」に依頼する。しかし、カーは手の痺れを感じて狙撃に失敗、CIAは「心霊兵器」フリーマンの脅威に怯えるが、カーはアルコール中毒で手が痺れているだけであった。CIAは、心霊兵器の真偽を確かめるためゴルゴにフリードマンの殺害を依頼する。

ゴルゴはフリーマンをバルコニーにおびき寄せるため、サブリミナル映像をTV番組に仕込み、難なく狙撃に成功。フリーマンが心霊兵器かどうかの確証を掴めぬままCIAは事件の幕引きを行うが、実は占い師に扮していた女がKGBの心霊兵器で、催眠術により発狂状態を作り出していたのであった。

超能力を題材にした作品には、第58巻-3『テレパス』がある。KGBの超能力研究はかなり進んでいるようだ・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (70) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
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ゴルゴ13第70巻-2血統の掟

2007-05-22 01:19:57 | 第066巻~第070巻

■血統の掟(第243話) 発表1985年7月

評価   ★★★

依頼人   ①MI5ミドルトン部長 ②英国ジョッキークラブ理事長ギデオン・デ・グレイ

ターゲット ①英国王室プリンセスの父 ②競争馬ギルフィ

報酬     ①不明 ②$50000

今回弾丸発射数      4/ 通算弾丸発射数 1,370

今回殺害人数        4/ 通算殺害人数   1,470

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    83

<ストーリー>
英国ジョッキークラブ理事長は、ロシア馬の血が混じっている競走馬「ギルフィ」を誤ってサラブレッドとして登録してしまった。過ちを取り消すためにギルフィの始末をゴルゴに依頼する・・・

<この一言>
俺との契約、仕事内容は・・・俺と、あんたとしか知らないはずだな・・・?弁明があったら聞こう!

<もう一言>
残念だが、俺にはなんのことなのかわからない・・・帰ってもらおう・・・

<解説>
英国ジョッキークラブ理事長ギデオン・デ・グレイは、姪の「シーリア」が育てた競走馬「ギルフィ」をサラブレッドとして登録した。しかし、ギルフィはロシア馬の血が混じった雑種でありサラブレッドではないことが判明する。サラブレッドの血統を汚すこと潔しとしないギデオンは、ダービーへの出馬が決まったギルフィの殺害をゴルゴに依頼する。しかし、手塩にかけたギルフィを殺害することにシーリアは反対、命懸けでギルフィを守ることをギデオンに通告する。シーリアの熱意にほだされたギデオンは、デューク東郷の名前をシーリアに伝えてしまう。

射撃の名手であるシーリアはダービー会場でゴルゴを探すが、シーリアが最後に見たのはゴルゴがシーリアに向けて銃を構える姿であった。シーリアを仕留めた後、ダービー制覇目前のギルフィの轡を狙うゴルゴ。轡が外れたギルフィは舌をのどに詰まらせて死亡。狙撃の証拠を残さず、「事故死」と見せかけるゴルゴの超人的狙撃が凄い。なお、今回の殺害数4にはギルフィも含まれている。
「俺との契約、仕事内容は・・・俺と、あんたとしか知らないはずだな・・・?弁明があったら聞こう!」とゴルゴに詰め寄られたギデオンは、契約違反の罪を死で償わされる。

疾走中の競走馬の轡を狙い撃ったゴルゴも凄いが、同じように手綱を撃ったシーリアの射撃の腕も半端ではない。しかし、手綱が切れたの見て「狙撃だ!」と悟ったゴルゴの方がやはり上手ということか・・・。
シーリアが全裸になってゴルゴを翻意させようとするが、全く相手にしないゴルゴを見て、慌てて服を着るシーリアが可笑しくも哀しい・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (70) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
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ゴルゴ13第70巻-1ナイトメア

2007-05-21 00:11:33 | 第066巻~第070巻

■ナイトメア(第242話) 発表1986年5月

評価   ★★

依頼人   アルゼンチン軍部

ターゲット 元アルゼンチン空軍大尉アントニオ・カルーソ

報酬     不明

今回弾丸発射数      1/ 通算弾丸発射数 1,366

今回殺害人数        5/ 通算殺害人数   1,466

今回まぐわい回数    1/  通算まぐわい回数    83

<ストーリー>
フォークランド紛争でイギリス駆逐艦に体当たり攻撃をした「アルゼンチンの英雄」は、イギリスMI6のスパイだった。アルゼンチン軍部は英雄の正体をつかみ・・・

<この一言>
アントニオは・・・死んだんだな?・・・

<解説>
フォークランド紛争でイギリス駆逐艦に体当たり攻撃をして死亡した「アントニオ・カルーソ」は、『アルゼンチンの英雄』として人々に記憶されていた。しかし、アントニオはアルゼンチンを裏切ってイギリスMI6のためにスパイ行為を働いていたのであり、現在は正体を隠して隠匿生活を送っていた。アルゼンチン軍部は再調査により、アントニオが「ロペス」という名前でアルゼンチン内に潜んでいることを突き止め、ゴルゴに殺害を依頼する。

ゴルゴはアントニオの元婚約者という娼婦「クレオ」を連れ添い、アントニオの所在を探る。一方のMI6もアントニオをイギリスに亡命させるため、アントニオへの接触を急ぐ。ゴルゴはロペスを名乗るアントニオとおぼしき男の近くでクレオと別れ、クレオとロペスを対面させる。ロペスは思わずクレオに声をかけてしまうが、ゴルゴはこの瞬間ロペスがアントニオであることを確信、アントニオ殺害を果たす。

本作は依頼時に真のターゲットが確定されておらず、ゴルゴが真のターゲットを確認する際、スコープ越しに読唇術を駆使している。真のターゲットを探す内容としては、第68巻-2『真実の瞬間』68巻-3『スタインベック三世』があり、読唇術が登場する内容には第68巻-4『偽りの五星紅旗』がある。同様の手法を用いた短編が偏って掲載されており、いささか食傷気味であることは否めない。

ズキューン

ゴルゴ13 (70) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
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