■KGBの長い腕(第249話) 発表1986年3月
評価 ★★★★
依頼人 KGBニューヨーク女性支部長
ターゲット 元KGBニューヨーク支部長レオン・ニクラビッチ・マリク(変名ヴィルヘルム・ジェイスン)
報酬 不明
今回弾丸発射数 3/ 通算弾丸発射数 1,393
今回殺害人数 1/ 通算殺害人数 1,529
今回まぐわい回数 0/ 通算まぐわい回数 83
<ストーリー>
KBGニューヨーク支部長「レオン・マリク」は、クレムリンより呼び出しを受け更迭が決定していた。亡命を決意したマリクは・・
<この一言>
指示したスイス銀行の口座に指定のカネを振り込んでくれ・・・
<解説>
KGBニューヨーク支部長レオン・ニクラビッチ・マリクは部下を愛人とし、さらに赴任してきた参事官パブロフの妻にも色目を使う。東西陣営の緊張緩和が進行する中、強硬派のマリクはクレムリンから睨まれ自身の地位は風前の灯火であった。自己保身に走るマリクは、アメリカに亡命した元ソ連国連事務次官の暗殺を指揮する一方、その情報をCIAに流し自身の亡命の意思を伝える。失うものが無くなったマリクはパブロフの妻を犯すが、マリクの愛人はこの様子を盗聴しマリクの裏切りを知る。
マリクの後任としてKGBニューヨーク支部長に就いた愛人は、ゴルゴにマリクの殺害を依頼する。マリクは亡命後、整形手術を受け「ヴィルヘルム・ジェイスン」という名前で暮らしているという。
ゴルゴは警官に扮してマリクの車を止めさせ、
「ヴィルヘルム・ジェイスンか?本名、レオン・ニクラビッチ・マリクだな」と問いただし、至近距離からの発砲で射殺する。ゴルゴが警察官に化けるという意表を突いた展開がニクい。また、マリクとその愛人のドロドロとした愛憎劇もストーリーに起伏を持たせている。
「KGBの長い腕」とはマリク自身も述べているように、KGBの調査と監視が広く行き渡っており、執念深いという隠喩になっている。第58巻-2『クレムリン名簿』でもアンドロポフが「KGBの腕は長い」と語っている。この伝統はソ連崩壊後の今日でも生きているようで、ロンドンで起きた放射性物質による殺人事件は、元KGBのプーチン大統領が指示を下したというのが真相らしい・・・
ズキューン
ゴルゴ13 (72) 巻掲載
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