■ファイアー・アフター(第233話) 発表1986年6月
評価 ★★★★
依頼人 不明
ターゲット サザーン・イーグル社 マックス・ベルグマン社長
報酬 不明
今回弾丸発射数 4/ 通算弾丸発射数 1,336
今回殺害人数 2/ 通算殺害人数 1,443
今回まぐわい回数 0/ 通算まぐわい回数 80
<ストーリー>
ブラジル・サンパウロで高層ビルの火災が発生、焼死者144名、生存者は1名のみという大惨事となった。生存者はゴルゴらしき人物に助けられたという・・・
<この一言>
この手で・・・拳銃を使わせようとしても、ムダのようだ・・・またにしてもらおう・・・
<解説>
ブラジル・サンパウロで高層ビルの火災が発生。焼死者144名、生存者は1名のみという大惨事となった。焼死体のなかから2体の射殺体が発見され、事態は意外な展開を見せる。生存者の女性はゴルゴらしき人物に助けられたと証言、サンパウロ市警・殺人課の「セルジオ武藤」は、ゴルゴが二人を射殺した後、偶然火災に巻き込まれ女性を救助して姿をくらましたと推理する。
ゴルゴがチャーター機でサンパウロを去るという情報をキャッチした武藤は、飛行場でゴルゴを問いつめ、威嚇射撃をして挑発する。両手をポケットに突っ込んだゴルゴが武藤に対峙しポケットから手を出した瞬間、武藤は死を覚悟するが、ゴルゴの手には拳銃は握られておらず、包帯に覆われた両手が顕わになるのであった。状況証拠では限りなくクロのゴルゴであるが、逮捕への決め手はなく武藤は地団駄を踏む。ここまでゴルゴを追い詰めた武藤を評価していいだろう。
短編ながら非常に練られた構成で、緊張感のあるストーリー展開が素晴らしい本作、見どころが満載だ。
①一刻の猶予もない高層ビル火災からの脱出シーン
火災時のサバイバル術が解説されているので要点を列挙する。
・カーテンを切り裂いてロープを作り、外壁を伝って地上へ向かう
・呼吸は浅く、最低限にする
・煙の中を進むときは身を低く走る
・衣服を濡らす、あるいは濡れたカーテンを纏うなどして火を避ける
・水を大量に飲むことで、脱水を防ぎ、火傷の程度を低く抑え、回復を早める
②緊迫感溢れるラストシーン
セルジオ武藤刑事とゴルゴの対峙する秀逸なラストシーンは必読。武藤のゴルゴに対する問いかけは、読者自身の問いかけでもある。
③ゴルゴと誤認された容疑者の「包帯プレイ」
ゴルゴとおぼしき男の目撃情報をもとにホテルに踏み込むシーン。顔を包帯でくるんだ男が売春婦とまぐわうシーンは何度読んでも笑いを誘う。ゴルゴ史上、最も笑えるシーンと言っても過言ではない。
ズキューン
ゴルゴ13 (67) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
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