極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

直接形グルコース燃料電池

2013年03月18日 | 新弥生時代

 





 

【環境問題を解決する甘いお話】

先日のブログで(『インドにクリスマスローズ』)で紹介した、北海道大学と昭和電工のバイオマ
スを高効率で分解する新しい触媒を開発したニュースを特許研究でまとめたものの、直接形グルコ
ース燃料電池の考察を忘れていたことを思いだし研究開発の現状を確認してみた。バイオ燃料電池
でいえばソニーが玩具レベルでデモアナウンスができるところまできている(「特開2012-178335
燃料電池、燃料電池の製造方法、電子機器、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド固定化電極、
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド固定化担体、酵素反応利用装置、タンパク質固定化電極お
よびタンパク質固定化担体」下図上をクリック)。
当時、京都大学の池田篤治教授の「バイオ電池
」の技術セミナを受講しバイオ電池の技術開発の現状を知る。当時珍しい、血糖値測定用バイオセ
ンサの商品化を手がけていた(もっとも、光の吸収などをとらえる非接触測定方式が有利だが、コ
スト高と精度が問題)。10数年前から比べ相当の進展しているようだが、「基礎研究が大切だよ」
との言葉が印象的に残っている。わたし?リアリストのもうひとりのわたしは事業開発には選ばな
かったが。
 

ところで、直接形グルコース燃料電池の原理は、水素やアルコールのような燃料を酸化させ、その反応から
得られるエネルギーを熱としてではなく電気として取り出す。燃料として、メタノールではなくグ
ルコースを用
いて、白金を電極をつかい(燃料極)、他方、空気中の酸素を取り入れる側の電極(空気極)
として活性炭などカーボン電極用いる。アルカリ溶液にこれらを浸けると、次のような反応が起こる。

負極(白  金):  グルコース R-CHO + 2OH → グルコン酸 R-COOH + H2O + 2e
正極(活性炭) :  1/2 O + HO + 2e → 2OH

電極間はテフロン繊維などの隔膜を使用し、グルコースなどの分子は通しにくいが、プロトンH
(つまり水素の原子核)は通り抜け移動し発電するというわけだ。

 

Single Compartment Micro Direct Glucose Fuel Cell

 

 

つまり、北海道大学、産業技術総合研究所らの研究成果を踏まえ、バイオマスをチップと活性炭を
混合粉砕→高温弱酸性水で撹拌混合→生成グルコース水を電解液に分離精製→直接形グルコース燃
料電
池に供給→発電変換(※排出副生成物:グルコノラクトンの再資源化工程へ)。またキシロー
ルはエタノール、生分解プラスチック、キシリトールに再資源化工程へ)。これで一次産業の高度
化・高級化と持続可能な生活空間の深耕・波及への道が切り開かれるというわけだが、グルコース
の水溶解度は、91 g/100 ml (25 °C)と相当大きいが、やはり発電プロセス中に析出しこれが障害
になるのでこの問題を解決しておかなければならない。

※ここでの新規考案は、バイオマス由来のグルコースを燃料電池の原料液として使い、副生成物の
 再資源化を含んだ包括的なバイオエネルギーシステムが1つ。燃料電池の電極構造と分解触媒の
 カーボンの特定(効率・起電力・耐久性・コスト)が2つ。さらに、グルコースだけでなく、直
 接形グルコース・キシロール複合燃料電池か直接キシロール燃料電池の4つが想定できる(それ
 以外に付随する新規考案は含まず)。
 


特開2010-113825 グルコース燃料電池およびポータブル装置 





さて、今夜はこのぐらいで切り上げよう。おっと、世の中は広いもので、コンタクトレンズ形太陽光発電やバイ
オ発電を考え、そのエネルギーを利用しようと考えるひとたちもいる。エクスキポライズではなく、インサート
ということを。


 

コメント
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