極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

負けを発条にする方法

2013年03月30日 | 滋賀のパワースポット

 

 

 

 

朝から腕時計・地図の準備を怠るこれが裏目となる。もうすぐで尾根に出るという手前の雪渓で対岸
の道標の目印を見つけられず雪渓をさまようわけにもいかず(視力が悪いので双眼鏡は必需品だと気
づくが時既に間に合わず。雪渓に登山者の足跡があればなんとかなったのだがそれも発見できず見つ
けたのは雪上に残る鹿の足跡と糞だけだ。違うルートを探すも道標も目印も手がかりなし。おまけに
道に迷い、パニクル。やむを得ず登頂を諦める。ところが、しばらくどこを歩いているのか検討がつ
かず、渓谷の音を頼り下山する滑落の危険を背負い緊張の連続で喉が渇き、途中のコンビニで買って
おいた「お~ぃ お茶」の二本は空になり、おまけに雪渓で靴はずぶ濡れ。これはトレッキングでは
ないぞ!?と思いながら這々の体でガリバー青少年旅行村に到着。そこで一計を講じた。これに懲り
て、これをバネにしようと、徳川家康の「しかみ像」を思いだし、カメラに収めることに(写真の靴
のずぶ濡れ状態はこれで見るとよくわからない)。それにしても青少年ガリバー旅行村は立派なもの
だ。

 

  

 

 

 

【新たな飛躍に向けて-新自由主義からデジタル・ケイジアンへの道】

1.タブーと経路依存性
2.複雑系と経路依存性
3.複雑系と計量経済学
4.ケインズ経済学の現在化
5.新自由主義からデジタル・ケイジアン

【ケインズ経済学の現在化】

 

 

【1ペニーの貯蓄は1ペニーの所得にならない】

 

 もちろん、貯蓄者が働きロを無くしてしまう可能性は、もし同時に他の購入者たちが、以前より
 多く支出し企業からの財やサービスの購入を増やすため借金さえする決心をするならば、打ち消
 されうるであろう。
これらの他の購入者とはだれであり、なぜかれらは支出を増やすために借金
 
さえしようとするのだろうか。経済学者は通常、企業によって生産される財やサーヴィスの買い
 手として,以下の4者を挙げるのが普通である。すなわち、(1)家計  (2)現在の生産能力を上回
 る将来の売上げが期待できるため追加的な機械設備に投資をする企業 (3)連邦政府のみならず州
 政府および地方自治体を含む政府部門、および(4) わが国からの輸出品の購入を望む外国人、で
  あ
る。わたくしは、外国貿易の問題を取り扱う第7章において輸出品販売の影響について論じる
  予定であるので、この段階では、最初の3つの範晴の購入者に注意を集中することにしよう。

 家計の購入は通常所得と密接に結びついている。しかし家計の所得が増加するならば,家計は財
 やサービスの購入を増やしがちであり、その所得が減少するならばより少なく支出しがちである。
 もし経済が景気後退ないし不況の状態にあるならば、それは、民間企業の生産物の購入者が、理
 由はなんであれ,より少なく購入しており,またより少ない労働者が雇用されているためである。
 したがって、景気後退とはつねにすべての家計の所得総額の減少と結びついている。というのも、
 景気後退局面においては、一方で働き手が解雇されより金額の低い失業保険で生活していかなけ
 
ればならない家計があるかと思えば、他方で自らの所得の一部を企業の利潤から得ているものの、企業
 が売上げ収入滅をこうむるにつれて企業からの受取り金額が減少してしまった家計もあるといっ
 た具合であるからである。


 企業による投資支出についてはどうであろうか、古典派理論は、もし市場が効率的であるならば、
 家計がより多く貯蓄するときはいつでも、企業が同時にこれらの貯蓄を借り入れ、機械設備に投
 資することによって、より多く支出するであろうと主張する。しかし人びとがより多く貯蓄し企
 業からより少なく購入しようとしているときに、企業が、市場の需要のこのような減少にもかか
 わらず、増産可能な追加的な生産能力を備えるために直ちにより多くの投資を行なうとは、いっ
 たいだれが信じるであろうか。

 もし市場の需要が減少しつつあり、企業も景気後退の影響を感じつつあるのならば、販売と受注
 のこの減少によって遊休化している生産能力をすでに抱えていることになり、経営者は新しい機
 械設備を購入しそうにない。たとえ利子率が大きく引き下げられ機械設備を生産する企業から新
 たに資本財を購入するための資金の借入負担が軽くなったとしても、経営者たちはそのための資
 金を借り入れそうにない。企業は、市場の需要が十分に増加し販売が現存する生産能力を上回る
 と自ら信じるようになって初めて機械設備に再投資を始めるであろう。それゆえ、景気後退期に
 おいて、企業がその投資への支出を増加させるとは考えられない。


 その結果、政府が、販売や利潤の落ち込みを相殺するための、唯一可能性のある大目支出者とい
 うことになる。不幸なことに、ほとんどの州政府や地方自治体の支出は税収基盤と密接に関連し
 ており、景気後退期において、地方の政府は早速、現行の支出予算に比べて予想される税収が不
 足するという事態を経験することになる。多くの州や自治体において,税収蔵は,公共サービス
 の提供を直ちに削減し公務従事者を解雇することを意味し、そのことは失業者数を増やし産業の
 生産物に対する市場の需要をいっそう減少させることになる。

 最近の景気後退において、州政府および地方自治体が行なおうとしている支出削減は,公立の単
 科大学や総合大学、地域短期大学および公立学校に対するものである。その結果、高度の技能を
 もち教育もある労働者の失業が増えたばかりでなく、すべての段階での公的教育の質が低下し、
 それによってわれわれの子供から、質の高い教育を受ける機会を奪うに至っている。地方の政府
 はまた、その地域での生活を快適なものにするようなインフラヘの投資を削減したり停止したり
 することであろう。

 そのため、景気後退期においては、たとえ税収が企業や家計の所得減のために減少しつつあると
 しても、民間企業の生産物への支出を維持できるばかりでなく実際に増加させることもできるの
 は、連邦政府のみである。もちろん、連邦政府は、税収が減少している中で購入を増やすために、
 借入れによって、すなわち、年間の赤字額を増やし、2008年末にすでに10兆ドルに達している国
 債を増発することによって、これらの購入のための資金を調達しなければならない。

 景気後退や不況に対するケインズ・ソリューションは,意味のある大掛かりな政府支出を不可欠
 とする経済回復のための支出計画を展開することである。しかもこれらの巨額の支出がけっして
 役に立たないわけではない。もしこの支出が国内企業の生産物の購入に向けられるならば、その
 結果は、米国の企業のために大きな利潤獲得の機会を作り出し、そのことは続いて、民間部門に
 おける雇用量の大幅な増加を生み出しアメリカ人の家計に繁栄を取り戻すことになるであろう。

                     ポール・デヴィッドソン著 小山庄三・渡辺良夫訳
                  『ケインズ・ソリューション-グローバル経済繁栄の途』

【政府はなにを購入すべきか】

 大量の失業と遊休設備能力が存在するとき、政府支出の増加は、市場の需要を増やし、企業に生
 産を拡大し
より多くの労働者を雇うことによって利潤を獲得できる機会を与えるであろう。政府
 が民間企業からなにを購入
するかによって、特定の産業が生産と雇用を増加させるインセンティ
 ブを特つことになるであろう。
それでは、政府はどのようなものを購入すべきであろうか。国民
 の生産性と生活を改善するような政府の購入がきわめて望ましいことは、明らかである。そこで
 オバマ大統領は、全国の各地域社会でそれぞれ役に立っているインフラを復旧し改善するよう企
 業と契約を結ぶ経済復興計画を示唆している。オバマ計画はまた、太陽電池パネル、風車、エネ
 ルギー効率の高いハイブリッド自動車などの代替エネルギー源を民間企業が開発するのを奨励す
 るために、資金を支出することを含んでいるようである。

 しかし政治家の多くは、そのようなプロジェクトにかなりの金額を支出することに反対している。
 一般市民層にとって有益とみられるものに多額の支出をすることに反対しているまさに同じ人び
 とがしばしば、あらゆる種類の軍用装備品を産業から購入するために同じ程度の金額を支出する
 ことには躊躇しないようである。軍用装備品に支出するこの政策は、しばしば軍事的ケインズ主
 義と呼ばれている.それこそ、今日まで保守派の政治家たちに受け入れられてきたケインズの支
 出政策の主な形態であった。にもかかわらず、自由市場のイデオロギーを唱道する人たちは、強
 力な財政支出による景気回復策に反対しがちである。通常かれらは、どのような大規模な財政支
 出による景気回復策に対しても、次のような3つの基本的な反対論を提起している。

 1.もしわれわれが国債を増発するならば、国家を破産させることになるであろう。この主張の
  提唱者は通常、政府を家計になぞらえる。われわれはすべて、自らの所得に比べてあまりにも
  多額の借金を増やす家計が最終的には破産に直面することを理解している。家計がいつまでも
  赤字支出を続けることができない以上、なぜわれわれの政府は赤字支出を続けることができる
  であろうか。

 2.もしわれわれが国債を増発するならば、われわれは、自分の子供や孫にその債務の返済義務
  を負わ
せることになり、かれらはわれわれの浪費のために苦しむことになるであろう。

 3.政府支出は,政府が「紙幣を印刷すること」によってまかなわれるであろう。貨幣供給総量
  のこのような増加は、直ちにではないにしても、予想 できる(確実な?)将来のある時点で、
  大インフレーションを引き起こすであろう。

このように述べ、ポール・デヴィッドソンは次の章で、これら3つの主張が誤りであることを明らか
にしたいという。そして、2009年の深刻な景気後退期にある米国経済や同じような苦境に陥っている
グローバル経済にとって、問題は、米国経済に利潤や雇用や繁栄を復活させるために赤字支出による
景気回復策を取る余裕が、われわれにあるかどうかではない。本当の問題は,米国経済に繁栄を採り
戻すのに
十分なほどの赤字支出をしないでおく余裕がわれわれにあるのか、ということである。もし
われわれが積極的な財政支出による景気回復策を遂行しないならば、われわれの子供や孫たちが、た
とえ国債総額がより少ない政府を引き継ぐことになるとしても、自分たちの生涯の大部分の期間にわ
たって安定した働き口とまずまずの所得の得られる見通しのほとんどない。陰彩な経済的将来に直面
することであろう。
われわれ現世代には、将来の世代のために、利潤獲得の機会が容易に得られ、働
いて人並みの生活水準を達成したいと思うすべての人にそうする機会の与えられるような、繁栄し続
ける資本主義システムを積極的に築き上げていく義務があるとし論説する。

                      ポール・デヴィッドソン著 小山庄三・渡辺良夫訳
                   『ケインズ・ソリューション-グローバル経済繁栄の途』

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする