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極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

カラジュームとギリシャ神話

2009年08月07日 | 神道物語


のど渇き麦茶飲み干し庭手入れ ガラジュームは日陰で涼む 


安土城・信長の夢―安土城発掘調査の成果 城のつくり方図典 復元安土城 (講談社学術文庫) 
完訳フロイス日本史〈3〉安土城と本能寺の変―織田信長篇(3) (中公文庫) 信長は謀略で殺されたのか―本能寺の変・謀略説を嗤う (新書y) 


映画『火天の城』がクランプアップ。現在が問う「楽市と
はなにか」(『ヤマユリと楽市概論』)の一点のヒントを
得にいざ、観賞 ^^;。



  
 主題歌


ファイル:Publius Ovidius Naso.jpg Publius Ovidius Naso

立山に降り置ける雪を常夏に見れども 飽かず神からならし

                      大伴家持

【体系的記述】

昨日から、ギリシャ神話を辿りシュメール文明を経て『神
道とはなにか』を探る作業に入ったが、ウィキペディア・
フリー百科事典のお陰でいまのところイメージの整理が快
調に行えている(感謝)。


 Trojan War

さて、ギリシア神話の体系化は、紀元前8世紀のヘーシオ
ドスの『テオゴニア(神統記)』は、ホメーロスの叙事詩
以前の神々や古代の逸話などを系統的にはじて記述した。
『仕事と日々
』において人間の起源を記し、そして現在は
断片でしか残っていない『女傑伝』において英雄たちの誕
生を語ったとされる。紀元前6世紀から5世紀頃のアルゴ

   三女神

スのアクーシラーオスやレーロスのペレキューデースなど
の記述にも存在し、残片的な彼らの「系統誌」は、古代ギ
リシアの詩人や劇作家、ローマ時代の物語作家などに影響
を与えた。古代におけるもっとも体系的なギリシア神話の
記述は、紀元1世紀頃と考えられるアポロドーロスの筆に
なる『ビブリオテーケ(3巻16章+摘要7章)』とされるが、
紀元前5世紀以前の古典ギリシア文献を元に、オウィディ
ウスなどに見られる、ヘレニズム化した甘美な趣もある神
話とは異質で荒々しく古雅な特徴を持つとされる。



ギリシャ神話は、世界の起源(『テオゴニア』)、神々の
物語、英雄たちの物語の三部構成に分化できる。特に、日
本の神話の系統的記述とオーバーラップする『古事記』や、
それに並行しつつ歴史時代に記録が続く『日本書紀』がそ
うであるように、古代ギリシアの歴史時代における王族や
豪族、名家の出自の家系に権威付ける神々やその子である
半神
の英雄や古代の伝説的英雄の系図を必要とした。

 Achilleus

【神話の展開と変容】

古典学者ピエール・グリマルは、ギリシア語話圏で行われ
ていた各種の不思議な物語、伝説等を総称して「ギリシア
神話」とするこの点で、部族・人種間の交通の膨大さで「
日本神話」形成で異なっている。そして、この広範な神話
圏は紀元前4世紀末または前3世紀ごろ、形容的に大きく
変容る。一つのは文献学の発達と生きた神々への敬神詩に
代わる娯楽目的の作品登場となる。

 


ギリシアの諸ポリスは、アレクサンドロスの統一とオリエ
ント征服によって事実上消滅した。名目的に諸ポリスはな
お存続していたが、新しい文化や制度を生み出す生命を失
った廃墟であったが、この大王の出現は、バルカン半島広
域からエジプト・小アジア・ペルシャ・インド・中国(一
部)領域を征服することでギリシャ神話の起源の地-西ア
ジア(シュメール文明
)をおさえることとなり、世界最大
のアレクサンドリア図書館
を建造し、夥しい蔵書の収集に
着手を可能とした。今日伝存する多くの古代の文献・文書
はこの時代に編纂され、あるいは筆写され写本として残っ
たものである。容量も尽きたのでまたの機会に。




カラジュームは水やりがいらないので、玄関先のサボテン
類といっしょに訪問者の観賞用として鉢植えして置いてい
る。炎天下、水やりの絶やせない家庭菜園の手入れで咽の
渇きをいやしなが涼しげなコントラを描く。カラジューム
属とはサトイモ科の属の一つ。カラジウム属とも。学名
Caladium。和名ハイモ属。白鷺ともいう。熱帯アメリカ、
西インド諸島に約15種が分布する。この属の中には、葉が
美しいので観葉植物として栽培される。球根(正確には塊
茎)で繁殖させる。観葉植物として人気の「カラジウム」。
花言葉は「歓喜」。

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鳳仙花とギリシャ神話

2009年08月06日 | 神道物語



灼熱の夏超えてこそ鳳仙花 はじける思い乗せ翔走る


 ギリシャ神話

古代ギリシャに興味があり調べることに。紀元前2600年
ころ
、小アジアのトロイア周辺に青銅器文明を持つトロ
イア文明が栄え紀元前2000年ころには線文字を持つクレ
タ文明
がクレタ島のクノッソスを中心に興る。さらに紀
元前1500年ころに線文字を持つミケーネ文明がペロポネ
ソス半島のミケーネ・ティリンスを中心に栄えたという。

 Atlantis

その後、ギリシア人が北方から南下した。紀元前2000年
ころイオニア人がエーゲ海北部や小アジア西岸に移動、
紀元前1400年ころアカイア人がペロポネソス半島からエ
ーゲ海に進出しクレタ文明やミケーネ文明を滅ぼした。
さらに紀元前1200年ころにドーリア人がペロポネソス半
島北方から南下しアカイア人の領域に侵入したという。



ファイル:Olympians.jpg

この頃、古代ギリシャによる神話を形成したと考えられ
ている。ギリシア神話とは、古代ギリシアの諸民族に伝
わった神話・伝説を中核として、様々な伝承や挿話の要
素が組み込まれ累積してできあがった、世界の始まりと、
神々そして英雄たちの物語である。

 Georges Dumezil

ギリシャ神話やローマ神話は、古代ギリシアの哲学や思
想、ヘレニズム時代の宗教や世界観に影響を与え、キリ
スト教の台頭と共に神話の神々への信仰は希薄となり、
やがて西欧文明においては、古代人の想像の産物ともさ
れた。神話は古代の哲学思想だけでなく、キリスト教神
の成立にも大きな影響を与えており、西欧の精神的な
脊柱の一つであった。中世を通じて神話の生命は流れ続
け、ルネサンス期、そして近世や近代の思想や芸術にお
いても、この神話はインスピレーションの源泉となった。




【口承時代の特徴】

ファイル:Mount Olympus.jpg  Mount Olympus

  嵐で漂流するオデュッセウスを助けるレウコテアー女神

ギリシア神話として知られる神々と英雄たちの物語は、
紀元前15世紀頃に遡り、その当時は口承形式でうたわれ
伝えられてきた。紀元前9世紀または8世紀頃に属すると
考えられるホメーロスの二大叙事詩『
イーリアス』と『
オデュッセイア』は、この口承形式の神話の頂点に位置
する傑作である。当時のヘレネス
の世界には、神話とし
ての骨格が存在していたと考えられている。

ファイル:Odysseus And Nausicaä - Project Gutenberg eText 13725.jpg  海岸に漂着したオデュッセウスとナウシカ


この地上世界の至る処に神々や精霊が存在し、オリュン
ポスの雪なす山々や天の彼方に偉大な神を知っていたが、
それらの神々や精霊がいかなる経緯と名前を持つ存在者
なのか知らない人々に教えたのは吟遊詩人たちであり、
詩人は姿の見えない神々の知識を人間に解き明かす存在
で、神の霊が詩人の心に宿り、不死なる神々の世界の真
実を伝えてくれるものであった。
ホメーロスは、ムーサ
女神への祈りの言葉を朗誦の最初に置いたとされる。

 『オデュッセイアー』


【口承から文字記録】

  ヘシオドス

オリュンポス十二神口承でのみ伝わっていた神話を、文
字の形で記録に留め、神々や英雄たちの関係や秩序を、
体系的に纏めたのは、ホメーロスより少し時代をくだる
紀元前8世紀の詩人ヘシオドス。彼が歌った『テオゴニ
』でも、冒頭にヘリコーン山に宮敷き居ます詩神(ム
ーサ)への祈りが入っているが、ヘシオドスは初めて
統的に神々の系譜と英雄たちの物語
を伝えた。

 

オリュンポスを支配する神々が誰であるのか、代表的な
神々の相互関係はどのようなものであるのか、また世界
や人間の始源に関し、どのような物語が語られていたの
か、ヘレネスにおいてほぼ共通した了解のある或るシス
テムとなって確立した。ギリシア悲劇の作者たちが、ギ
リシア神話に奥行きを与えると共に、人間的な深みをも
たらし、神話をより体系化して行った


ファイル:Building Argo BM TerrD603.jpg

ヘレニズム期は、アレクサンドレイア図書館の司書で詩
人でもあったカルリマコスが記録を編集し神話を敷衍。
また同じく同図書館の司書であったロードスのアポロー
ニオス
などが新しい構想で神話物語を描いた。ローマ帝
政期に入って後も、ギリシア神話に対する創造的創作は
継続して行き、紀元1
世紀の詩人オウィディウス・ナーソ
の『変身物語』が新しい物語を生み出しあるいは再構成
し、パウサーニアースの歴史的地理的記録やアプレイウ
スの作品などがギリシア神話に、更に詳細を加えていっ
たとされるが容量が尽きかけた。次回にこの続きを。




仲が良いのか悪いのか行く先々で口喧嘩がたえない二人
を乗せて日本一高い高原道路を走る。そんな思い出の情
景を歌う。鳳仙花(学名:
Impatiens balsamina  )はツリフ
ネ草科の1年草。Impatiens は、ラテン語の「impatient(我
慢できない)」が語源。種子が熟すると勢いよくはじけ
飛ぶことから、花言葉は「快活」。

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空木と世阿弥

2009年06月04日 | 神道物語



塵をわけ芥だす朝の 卯の花の垣の向こう 不如帰鳴く





押しあうて  又卯の花の  咲きこぼれ           正岡子規


久しぶりで宮世話の仕事で過去の資料を調べていたら滋賀県
下の白山及び白山比め神社の所在地を記録したものを見つけ
た。面白いことにというか知らなかっただけなのだが彦根に
二箇所あるんだと納得した。白山信仰については過去のブロ
グ『
柳としなやかさ』等で紹介したが、早速、地元の友人都
司聡に確認したところ確かにあるというので明朝下調べに行
く。


彦根市宇尾町176番
彦根市中薮一丁目170-3
長浜市加納町166番
長浜市小一条町90番
湖南市
石部町東寺619

ファイル:Hakusanjinja konan02s3200.jpg

東近江市五個荘町木流548番
犬上郡豊郷町八町854-1
○米原市山東町柏原
○米原市伊吹町曲谷
○米原市伊吹町甲賀
○米原市伊吹町藤川
伊香郡高月町持寺126番
伊香郡高月町尾山183番
伊香郡高月町保延寺282番
伊香郡西浅井町山田47番
○高島市今津町上弘部
○高島市今津町南生見
○高島市今津町北生見
高島市高島町宮野362

ファイル:Miyano-hakusanjinja.JPG


『百禁書』 ニコラス・キャロライズ他『百禁書』

天安門事件から20年となるという。米国のクリントン長官
は中国政府に事件の検証などを要求したと新聞された。天安
門事件は多少なりとも関心あるのは80年初頭の中国プラン
ト建設にかかわったため。当事発禁の書のアレクサンドル・
ソルジェニーツィン『収容所列島』を秘かに持ち込んで読み
終えたので中国人の誰かにあげた記憶が残っている。誇大妄
想と思われがちなのだが、このような場面を数度となく体験
している。

Alexandr Solzhenitsyn Alexandr Solzhenitsyn

中国の民主化はその当事からわれわれが考えるほど容易でな
いことはわかっていたが、アジア的赤色専制性を抱え大きな
領土をもつ政治権力闘争に払われる犠牲が如何に大きいか想
像に堅くない。それを抑止する仕掛けを自ら作ることができ
るかどうか、昨日のブログ(『小手毬と農工融合ことはじめ
)での「生物生理学」ならぬ「社会組織生理学」が可能かど
うか中国共産党が問われている(⇒参考「足利事件」)。

足利事件で異例の判断、河上和雄氏に聞く 足利事件



 『アビイ・ロード』(Abbey Road)

忌野清志郎の残響が続いている。ロックに日本語の韻律を乗
せることの先駆者として彼と、井上陽水、桑田佳祐、そして
矢沢永吉等をあげることができる。特に、ビートルズのアル
バム『アビーロード』の桑田流パロディ版『アベーロード』
には度肝を抜いた。とにかく抜けている。それに比べ矢沢は

ロックンロール・ボス 矢沢永吉、その極意 youtube

還暦前にして唯ひたすら性愛をロックにぶつける。これもま
た抜けている。彼の言う年代の「色気」がどのように映るか
は聴き手により異なるが取り敢えず『もうひとりの俺』を見
てみる。なるほど何とも言えない魅力に惹き込まれる(布袋
の伴奏も最高)。





杜鵑の鳴き声 Hototogisu_07b8051.ogg



神垣のあたりに咲くも便りあれや 木綿かけたりと見ゆる卯の花 

                         西行                       


ウツギ(空木、Deutzia crenata)はアジサイ科の落葉低木で、
ウノハナ(卯の花)とも呼ばれ、5~6月に白い花を咲かせる。
花弁は5枚で細長く、八重咲きもあり各地に野生するほか、
畑の生け垣にしたり観賞用に植えたりする。茎が中空のため
空木と呼ばれる。「卯の花」の名は空木の花の意、卯月(旧
暦4月)に咲く花の意ともいう。マルバウツギ(D. scabra:同
種とすることもある)、ヒメウツギ(D. gracilis)など、同属の
類似種も多く、東アジアとアメリカに60種ほど分布する。



『風姿花伝』を読んだことはないが、「秘すれば花」のいわ
れは記憶していてふと、日本の普通の奥様方或いは旦那様方
が晴天の気持ちの良い朝に決められた日と時刻に合わせ、分
別ゴミ出しをする。声高に地球環境を言い立てずとも粛々と
軽く挨拶を交わしながら作業している。いつもの家の垣根に
空木の花が咲き向こうの河原林で不如帰が鳴いている。静け
さと強さの秘密の何気ない光景を歌う。白い花でウノハナと
も呼ぶ「ウツギ」。花言葉は「秘密」。



【S氏への返礼】

この間はサンキュー。しこたま呑んだみたいだ。お陰で話は
取り留めないようなことになった。早速、ブログにコメント
してくれたんだ。約束の例の池田信夫の本を忘れてしまった。
スピノザの汎神論と植物生理学をもっと語って『働いて稼ぐ』
意味について、そして「イメージ」のもつことの重要性を語
りたかった。季節は6月。27、28日のどちらかに恒例の
小鮎釣りとバーベキュウをやるつもりだけれど来ないか。も
っとも、お天気次第だけれど。 

                        

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繁縷と季節のカクテル

2009年02月25日 | 神道物語


片隅で密やかに咲く繁縷らは 孫にも似でかきみに愛らし



フェラーリ、過去最高の販売台数を記録…08年実績

身辺整理ではないが、小さな書斎兼応接間の本棚や納戸のいらな
いもの整理をはじめているが予定より数ヶ月経っても整理がつか
ず今日も妻に「誰も読まない本ね」と吉本隆明全集の棚を見上げ
ながら言う。

 明日になつたら
 辛い夢のなかに
 蕀がひつかかつていないかどうかをたしかめよ
 きみはすでに
 罪人の罪よりもすこし重く
 罪人の衣裳よりもすこしみすぼらしく
 あまたの時を過ぎたのだから

 もしも 夢みた世界が
 こないうちに
 ちいさか恋のいさかで倒れていたら
 きみと少女の骨を
 戦士がとおる路に
 晒せ
 あまたの若い戦士たちは
 まことともうそともわからぬうちにすでに
 孤独な未来ヘ
 ゆくのだから

 もしも 大事のまえに
 ちいさな事がまちぶせていたら その
 ひとつひとつに花畑をともし
 あたりの悪かつたものに
 微笑を 耐えられずに死んだ心のに花飾りを
 ぽどこせ
 きみはすでに
 罪を世界におい
 安息を戦士たちの肩から
 盗んでいるのだから

 明日になつたら
 孤独な戦士よりも孤独な未来へ
 きみもゆけ
 すでに戦士たちはためらい
 きみは待たれているから

              吉本隆明 『明日になつたら』、定本詩集より


即座に、著作集Ⅰの詩から『明日になつたら』のぺージを開げて
見せ読ませてみた。「戦士ねぇ・・・。もう、吉本なんて古いよ」
と素っ気ない答えが返ってきた。斜め読みのプロでも本を開けて、
即座にこれは読み返すのには最適だと感性で決めた一篇の詩だが。
「そなんこというなよ。すごいと思わないか」。「でも、子供達
も読まないし・・・」。そう、そんな時代だ。時が来たらこの棚
も処分しようと納得したほんのささいな一齣だが、「明日になつ
たら 孤独な戦士よりも孤独な未来へ きみもゆけ すでに戦士
たちはためらい きみは待たれているから」のここんとは絶対い
いよなぁ。



少年のまだ柔らかきてのひらは白く小さい宇宙を愛ずる


近くの
白山神社の灯籠の火袋の明かりを蝋燭からLEDのゆらぎキ
ャンドルにしよう話し合い、テスト的に今日からはじめたのは良
いが、市販品のものに少し手を掛けてたが、火袋ないの光源の位
置や反射の加減で、明かり障子を通して見ると下半分が暗くなっ
てしまった。絶対的な照度が足らないと思いつつ家に帰ってきた。
白熱球でも良いのだが有線配線となると工事費が嵩張る。という
ことで、妻と相談しながらソーラセルも考慮にいれ再考すること
となった。


繁縷の 神も素知らぬ 振りをして 花野に近し 夢だけを視る 




ところで、短歌を道半ばからの友にしようと決めてから神道とは
なにかを考え直す機会となり、さらに宮世話で抜き差しならぬよ
うになったわけだが、中沢新一の『古代からきた未来人 折口信
夫』をこれまた斜め読みする羽目となったが、これは無視はでき
ないしろものだと実感した。

古代から来た未来人 折口信夫

  戦争中の我々の信仰を省みると神に対して悔いずには居られ
 ない。
我々は様々祈願をしたけれど、我々の動機には、利己
 的なことが多かった。さうして神々の敗北といふことを考へ
 なかった。我々は神々が何故敗けなければならなかつたか、
 と言ふ理論を考へなければ、これからの日本国民生活は、め
 ちゃめちやになる。

             折口信夫 「神道宗教化の意義」

 かういふあり様だから、神々に背かれたのです。しかし今、
 冷やかになって考ヘます反省は、日本のこれから後に現れて
 来る宗教上の神の実体といふものが、そこに示されてゐるの
 だといふことです。天照大神、或いは天御中主神、それらの
 神々の間に漂蕩し、棚引いている一種の宗数的な或性質の、
 混じてゐるところの神なるものが、暗示してゐるのではない
 かといふことです。只今になって、さう考へるのです。其は
 かういふことです。日本の信仰の中には、他国に多少その要
 素があっでも、日本的にまた世界的にも、特殊であり、すべ
 てに宗教から自由なものと言っていヽものヽあのることです。

          折口信夫 「全集第二十巻、三二一頁」


 天地初めて発けし時、高大の原に成れる神の名は、天之御中    
 主神、次に高御産巣日神、次に神楽巣日神、此の三柱の神は、     
 みな独神と成り座して、身を隠したまひき。
                       『古事記』                                                                       
 

  つまり神によって体の中に結合せられた魂が、だんだん発育
  して来る、それとともに物質なり肉体なりが、また同時に成
 長して来る、その聖なる技術を行ふ神が、つまり高皇産霊神、
 神皇産霊神、即ち、むすびの神であります。つまり霊魂を与
 へるとともに、肉体と霊魂との間に、生命を生じさせる、さ
 ういふ力を持った神の信仰を、神道 教の出発点に持ってを
 ります。        
                    折口信夫、前掲書

以上のような引用をしながら中沢新一は折口ビジョンなる方向性
を解説しつつ、キリスト教理の三位一体と相対する、「たましい
」と「生命」と「物質」を結びつける「ムスビの神」-生命のな
い物質に魂が宿ると、そこに生命が働きだす物質と生命と魂が結
びついた-ムスビ神が、キリスト教理の「聖霊」(
Natural Spirit
に埋め込こみつつこう結論する。神道が超宗教である結われがこ
こにある以上、『芸術人類学』等の彼の著書の斜め読み研究と、
ハンチントンの『文明の衝突』の反証的実践を考えてみたし、で
きれば中沢新一の自主公演運動を立ち上げたいと思った。興味の
ある方は是非連絡願いたし。

荷頃神楽舞の写真


   生命体では、物質と生命が結合している状態が、「生きてい
 る」と言われ、この神の働きがやんで生命が物質から離れる
 と、その生物は「死ぬ」のだ。さらにあらゆる生命において、
 そこには魂と呼ばれる高次元な知性の働きが結びついている。
 動物ではこの知性の働きはDNAに強く規制されているけれ
 ども、大脳が特殊な進化をとげた人間(ホモサピエンこでは、
 魂はDNAにセットされている規制から自由な活動をおこな
 う。魂と結びついた生命は豊かである。魂はひとりでに力を
 放出して、自分自身で増えていく能力を宿しているからであ
 る。



  ムスビの神は、このような三位一体の内部構造そのものをあ
 らわしている。それは存在の奥底で、たえまない働きをおこ
 ないながら、宇宙と生命をつくりなしている。それなのに、
 ムスビ神は存在のいちばん深い部分の仕組みをつくりだした
 後は、隠れて見えなくなってしまい、ムスビ神が隠退した後
 に、あのよく知られた神々があらわれて、宗教の世界をつく
 っていくのである。折口信夫は宗教としての神道はこのよう
 なムスビの神をおおもとの場所にすえて、もう一度つくりな
 おされなければならないと考えた。これはまったく天才的な
 着想だとわたしは思う。なぜなら、このような内部構造をも
 つムスビの神は、そこから経済や道徳や社会の領域へと腕を
 
高天彦神社の写真

 伸ばしていき、宗教を超えた大きな働きをおこなうようにな
 るからである。ムスビの神から新しい経済学を生み出してい
 くことができるし、経済活動に倫理性を自然な形で結合させ
 ていくこともできる。もしそれができるようになれば、日本
 人の自然智へと
Natural Wisdomである神道は、たんなる宗教
 としてのありかたを超えて、つぎの時代の知性の導き手とな
 ることができるかも知れないからである・・・(中略)・・・
 ムスビの神を出発点にすえて未来の神道をつくりなおさなけ
 ればならないと考えたとき、彼はすばらしい直感によって、
 宗教と経済を統一で
きる原理を探り当てていたのである。三
 位一体構造をしたムスビの神の考えは、宗教の領域をはるか
 に超えて、経済や社会のありかたにまで深く浸透していくカ
 を持った、根源的な原理をあらわしている。それは、そこか
 らあらゆる現象の生み出していくことのできる、単純にして
 深淵な仕
組みなのだ。自然智(Natural Wisdomとは見かけはお
 そろしく単純だが、あらゆる領域の事物にまで深く及んでい
 く浸透力を持っている。
                      
                            中沢新一 『古代からきた未来人 折口信夫』



これは、風邪引きの兆候で夜中、階下しパブロンを服用して、寝
そびれて書いているが、寝る前に自分流のホットワインを作り呑
みして寝たわけで、インフルエンザには効かないということが実
証された。そこで、グリューワイン(独:Glühwein、グリューヴ
ァインとも)は、赤ワインと香辛料などを温めて作るホット・カ
クテルの一種のレシピを紹介しよう。先ず、ワインはメルシャン
の黒葡萄酒。これは
リスベラトロール たっぷりというしろもの。
そこに、にんにくとローリエを3ヶ月以上漬け込んだウオッツカ
やラム酒を適当量加えて(アルコール分を増すため)、砂糖や蜂
蜜を好み量加え、オレンジピューレやクローブ、シナモンをにん
にく臭いので香り付けに加え、後は電子レンジで温めるだけ、ほ
かほかでそのまま布団の中に滑り込めばいい。


  3,5,4'‐トリヒドロ 
                                                                                                            キシスチルベン




繁縷、科名:ナデシコ科/属名:ハコベ属 和名:繁縷/生薬名:
繁縷(はんろう)/学名:Stellaria neglecta ナデシコ科ハコベ
属(Stellaria)の総称のこと。または、ハコベ属の種のひとつコハ
コベ(S. media)のこと。春の七草の一つである「ハコベ」。花言
葉は「ランデブー」。孫の写真をみていると、ハコベの小さなは
なのように愛らしい。でもきみのようにだよと歌う。少々歯が浮
くようなこととなった。

                                          





 
 


 

                  

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