極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

柳としなやかさ

2009年03月05日 | 時事書評


堀端をきみと駆け抜くツゥーシート 柳の向こうは掃部の昼餉ぞ


 白山神社の祭神

昨日から神社事務所の改修がはじまり、きょうは電気工事が加
わることなった。杉の枝が関西電力の電柱に接触し配電に異常
をきたす、という指摘を加名盛電気の親父さんから受け、枝打
ちをするため約6メータの高さまで登り作業したが、そこは高
所恐怖症。風で時より揺れるではないか。意を決して下を見ず
目先のターゲットに集中し作業をすと、効果があったのか慣れ
てきた。普段から過酷な肉体労働をしていないのもあり鋸を持
つ手も握力が下がり敢えなく再チャレンジとなった。

白山比神社(ひめじんじゃ)は、石川県白山市三宮町に鎮座
する神社
である。式内社、加賀国一宮で、旧社格は国幣中社
現在は、全国に2000社の
白山神社の総本社とされる。
現在の祭
神は、白山比神社社蔵の『神社明細帳』(明治初年)により、
白山比大神、
白山比神、伊邪那岐尊(イザナギ)、伊弉冉
尊(
イザナミ)の三神を祀る。一般には白山さん・白山権現な
どともいわれる。
創建は崇神天皇の頃とされる。文明12年(14
80年)の火事の為に末社の三宮の位置(現在地)に遷座した。
奥宮は、
白山山頂の御前峰にある。神紋は、三子持亀甲瓜花。


かわいい大根の写真

なじみの居酒屋にご機嫌伺いで立ち寄る。このままでは店は畳
まなければならないという。そんなことはないはずだ。但し、
お店のポリシーが問題なので、不況でかえって繁盛する経営も
あるはずさとは言わなかったが、マイグラスとマイボトルを預
けても良いかと尋ねたらひとつ返事で承諾だ。それと、イタリ
アン野菜とハーブを実証的に菜園するので、とっておきの作品
を届けるからそれを料理してくれないかととも尋ねてもみたが
これもひとつ返事で済んだ。


春雨に 萌えしやなぎか 烏梅の花 ともにおくれぬ 常の物かも  大伴家持


それから4月16日には友達二人とそのお母さんが彦根にこら
れ「カンポの宿」に泊まるが夜は友達ふたりを連れてくるので
ご馳走を頼むと予約した。それにしても、不況だと大騒ぎする
前に地につけた経済活動をやっていればそれなりに旨くやって
いけるはずだと改めて腑に落とした。そうこうしていると、女
主人は急に3月1日のETVの辺見庸の『しのびよる破局のなか
』 の再放送の感想を熱く語り始めた。なぜ、辺見庸を知って
いるのと尋ねたら、あなたが本をくれたじゃないという(記憶
に乏しいが(『もの食うひとびと』共同通信刊、角川文庫だっ
た)、へぇ~、そうなんだ。そういえば、歯医者へ行っての帰
りだが、そこの待合室には何故か彼の本が二冊おいてあり、斜
め読みしてきたが奇遇だなぁと話した。


わが門(かつ
)の いつもとやなぎ いつもいつも 母が恋ひすす 業ましつつも   

                                                           大伴家持


話の内容聞いていると、サルトルの「実存主義」(「存在と無」
)を思いだしたが、そのことを言うと即座にそうだという答え
が返ってきた。辺見庸(+NHKスタッフ)-女主人-私(客)の
見事なまでのシンクロナイゼーションを体験することができ、
家に帰り早速ネットで調べてみて、二つの紹介があったので書
き留めておいた。そのひとつは、近著『しのびよる破局-生体
の悲鳴が聞こえるか
』(大月書店、3月下旬刊行予定)と二つ
目はPPJというNPO活動(人と人をつなく会-孤独死防止)の存
在だった。



遊ぶ内の 楽しき庭に 梅柳を折りかざしてば 思ひ無みかも    大伴家持


後者は、彦根のような田園都市の大きな空間をもつところは、
やれグランドゴルフだ、やれゲートボールだと近隣の高齢者が
集まり庄堺公園など朝早くから楽しんでいる光景を、二日に一
度のウオーキングの方々目にしている者にとって、東京の不幸
な情況を想像だにできない。谷川雁の『都会に行くな』(記憶
がどうも)の詩編を思い浮かべ「東京へ行くな、ふるさとをつ
くれ」がやっとここでは実現したのだと腑に落とした。彼のブ
ログの目次掲載を見ているとスリリングな文字が静寂にして激
情をもって鎮座しているので羅列してみよう。


しなざかる こし(越)のきみらと かくしこそ
          やなぎかづらき たぬ(楽)しくあそばめ  大伴家持





「①破局の同時進行-同時性のパンデミック/価値システム総
体の破綻/人間的価値の問いなおしを/病むべく導き健やかに
と命じる」「②生体反応としての秋葉原事件-世界からの孤絶
/「リア充」の喪失/被害者と加害者の究極的な等価性/時・
空間の変容/端末化する生体/思索の排除」「③価値が顛倒し
た世界-格差と内面の変化/新しい階層の誕生/マルクスの発
見/カジノ資本主義への自省/大量自殺という「内攻的な暴動
」/憲法九条と二五条の危機/経済危機とナショナリズム/
〝労奴〟と労組の背信/ファシズムは魅力的な顔をしている」
「④無意識の荒み-日常のコーティング/無意識の荒み/メデ
ィアが煽動する世間/駄作としての資本主義」「⑤人智は光る
のか-社会は善意に満ちているか/「誠実」の凄み/暴力の時
代/「人間であるがゆえの恥辱」/腐った民主主義/マチエー
ルとインタラクト/たたかいは避けられない/人智は光るのか
」「⑥〈不都合なもの〉へのまなざし-PPJと許せる自己像
/〝無〟を分泌し、ただ歩く思索と徒労/死者の列、末期の眼
/最期の残照/宙づりのことば/年譜や碑文はいらない/他の
痛みへ」「(巻末断想)破局のなかの〝光明〟について―あと
がきのかわりに」という構成だがこれは公的図書館で一冊所蔵
すべきものだと直感的に思うほどの待ち遠しい本ではないか。


春去れば 垂れ柳の とををにも 妹は心に 乗りにけるかも    柿本人麻呂



ところで、家庭菜園やハーブの実証試験を計画して種を取り寄
せたのだが3社中、国内産は殆どなく数%以下だ。各社はリス
ク管理できているのだろうかと思うと同時に商社機能だけなの
か若しくは商社機能の総売上に占める割合はいくらなのか詳し
く調査することも課題となった。また、当初は、温度や灌水及
び通風などの自動制御は自前でつくろうと思っていたが、既に
市販されている灌水装置(株式会社タカギ(製造は松下電工)

ルー

)を購入した。灌水装置のタイマーは事前にプログラミングす
ることで給水及び停止を任意設定でき、先端部にスプリングク
ラーや噴水方式、滴下方式等の灌水器を選択する。この時、水
耕栽培できるものはトレーに水を一定量自動給水することで底
部から毛管現象を使い給水できるものも市販されているの便利
である。尚、灌水装置は土壌水分センサと組み合わせる自動給
水方法も選択でき便利そうである(測定原理は土壌の誘電率を
測定することで水分量を感知)。


君が往き 若し久に有れば 梅柳 誰と共にか吾が蘰(かつら)
かむ  大伴家持   


 橘菖

月に一度料理が替わる彦根城の大手門のいろは松が見通せる日
本料理『橘菖』(きっしょう)へ食事に出かけるが、
その時の
歌を少し愉快にくだけて詠んだ。ヤナギ(柳)とはヤナギ科
Salicaceae)ヤナギ属(Salix)の樹木の総称。世界に約350
種あり、主に北半球に分布する。一般には柳と言えばシダレヤ
ナギを指すことが多い。ここではヤナギ属一般について記す。
果実はさく果で、種子は小さく柳絮(りゅうじょ)と呼ばれ、
綿毛を持っており風に乗って辺り一面タンポポのような種子に



包まれる経験を西安でしている。尚、中国において五月頃の風
物詩となっており、古くから漢詩等によく詠み込まれる柳絮だ
が、日本には目立つほど綿毛を形成しない種が多いという。し
かし、日本においても意図的に移入された大陸品種の柳があり、
柳絮を飛ばす様子を見ることができる。特に北海道において移
入種の柳が多く、柳絮の舞う様が見られる。シンの強さ秘める
「ヤナギ」。花言葉は「悲哀」「追悼」。昨夜から西松建設問
題で政界が揺れている。売上高至上主義のゼネコン、政治家の
口利きは問題だがもっと大きな問題がある。これにめげすたお
やかなでしなやかな柳腰に期待を込めたい。


やはらかに柳あをめる 北上の岸辺目に見ゆ 泣けとごとくに   石川啄木



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1 コメント

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디비 (디비)
2021-03-26 10:49:01
昨夜から西松建設問
題で政界が揺れている。売上高至上主義のゼネコン、政治家の
口利きは問題だがもっと大きな問題がある。これにめげすたお
やかなでしなやかな柳腰に期待を込めたい。 디비
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