Kyoko AIHARA's Diary (Writer&Photographer) 相原恭子(作家&写真家)のブログ 

ヨーロッパ紀行、京都花街と着物、ビールとグルメなどをテーマに執筆、撮影、国内・海外での写真展や講演等。今日も良い日!

2011年1月15日(土) 蝶 ・・・これほどドキドキするものは他にない

2011-01-15 | 


あの「ずかん」と同じ棚に、この三冊があった。
これらは、小学校に入った頃に買って貰った。
「蛾」の本に挟んであるのは、昆虫に関する当時の新聞記事
私が昆虫採集に夢中になったのがきっかけで、父も書道、登山、写真から、さらに昆虫採集へと趣味が広がり、この記事は父が切り取ったものだ。
当時、「子供新聞」だか「小学生新聞」というのがあって、「私も読みたい」と言ったら、普通の(大人の)新聞をとっているのだから、「それを読めばよい」と両親が言った。(これも倹約(?)と思われる)
で、私もこの記事を読まされたが、もちろん読めない漢字がたくさんあって、あまりわからない。
だが、自分のように昆虫が好きな“おじいさん”もいるのだ、ということはよくわかった。

<チョウに魅せられた彫刻家古賀忠雄さんの余技> 讀賣新聞 昭和42年6月4日(日)
小見出しに~少年時代からの愛着~、~無心になる楽しみ~ とある。
まさに私にとっては、~少女時代からの愛着~・・・である。
ああ、シンパシーを持つなぁ。


クスサン、ヤママユ、シンジュサン、オオミズアオという、大物の蛾は迫力があって、好きだ。
これを見つけると、ぞっとするほど、ドキドキしたものだ。
ヘルマン・ヘッセも、四十歳そこそこの頃、蝶(Schmetterling)を見るほどドキドキすることはないと、エッセイに書いている。
私もまさに同じ気持ちだ。

ドイツ語で「蛾」は Nachtfalter という言葉もあるが、蝶も蛾も Schmetterling ということが多い。

小学校一年の夏、津久井渓谷で、朝五時ごろ、ひんやりした空気の中、ヒマラヤスギの下の方に、
ひっそりと息を潜めるようにとまっていたオオミズアオが、今も目に浮かぶ。
その涼しげで微妙な色彩と、美しいフォルムを思い出すと、今もゾクゾクする。

小学校の頃は、家じゅうの壁は蝶と蛾、カブトムシなど甲虫類も含めて、昆虫の標本だらけだった。