日々の恐怖 2月13日 土の匂い
大学卒業してすぐにニューヨークへ留学した。
語学学校に二年いってから専門学校に入校。
仲の良い友達も出来た。
向こうにいてビックリしたのは、引越しをすることがイベントみたいになってて、仲間で終わらせること。
同じクラスのヴェネズエラ人の引越しを手伝うことになり、日本人二人とトルコ人、プエルトリコ人でスタートした。
元の家から荷物を運び出して、アストリアてエリアまでレンタカー。
新居についてドア開けるなりツーンと土の匂い。
ニューヨークで三回目の経験。
恐る恐る入るとワンベットルームらしく、玄関入ってキッチン、リビングがあって、その奥にドアがあって寝室。
寝室まで行くと匂いが無くなった。
荷物を上げる度にドアをくぐると感じる。
玄関あけてすぐ左の壁。
とりあえず完了するまで無視した。
夕方に引越しが終わり、皆でウイニングイレブンしてた時に、しれーっと玄関に行き、壁を見てみると、物凄く嫌な気分になった。
壁をじーっと見てると、アンバランスな+マークが何層か前のペンキにありそうな感じがした。
日本人の友達を連れてきて「見える?」と聞くと、「十字架を逆さまにしてるんじゃないか?」と言われた。
少し気持ち悪くなったけど、夜中まで遊びその部屋に泊まった。
プエルトリカンは帰り、主のヴェネズエラ人は寝室で寝て、自分ともう一人の日本人はソファから出てくるベッドで、トルコ人はソファ。
こっからが地獄だった。。
自分も酔っていたのですぐ寝れると思ってたけど、玄関が気になり過ぎて全く寝れなかった。
トイレにいって、もっかいベッドの端にいって目を瞑ると、匂いとかなんも無しで五分ぐらいしたらいきなり金縛り。
玄関から二人ぐらいでかい男が歩いてくる。
自分目が開いたまま。
目が閉じれない金縛りは初めてだったので、本当に失禁しそうになった。
玄関から歩いてきたのは、黒装束に身を包んだめっちゃでかい男二人。
二人とも白人だったけど、ヨーロッパ顔だった。
二人がユラユラ歩いてきて、玄関側に背を向けてるソファで止まった。
トルコ人の耳元でなんかブツブツ言ってる。
二,三分したらこっちにきたけど、ソファの下から折りたたみのベッドを出してるからテーブルとベッドがくっついて、二人はこっちにくる隙間がなかった。
日本人の友達が二人に絡まれると思ってたら、さすが洋物の人たち。
友達とかマットレス関係無くスルーしてきました。
太ももから下はずっぽりマットレスに埋まってるていうか、透けてる感じ。
で、一人は自分の体をスルーし、枕元に完璧に立たれ見下ろされる。
頭の上から打ち落とされるように、英語じゃない呪文みたいなことを、ひたすら10分ぐらいか30分か、怖過ぎたから数分たったかも。
今でも二人の顔覚えてるぐらい長かった。
なんか呪文が終わったらしく、二人が消えて金縛り終了。
ここで終わると思いきや、すぐに金縛り。
めっちゃ土の香り。
急に最悪な気分になって、死んたほうがいいや的か空気になった。
その時に天井に飛んでました。
悪魔か鬼みたいなんが。
全身ふっとい血管だらけで、大きさはラブラドルレトリバーぐらい。
直視できなかったけど、形は超猫背な人間。
色は緑か青。
寝ている三人を上から見渡して「you guys are not,,,,」て言いながら壁から出ていった。
「お前らは,,,,じゃない」て言われたから、大丈夫だった途端ガッツリ眠りに落ちた。
朝起きて、トルコ人に昨日変な夢みたかと訊ねると、「すごく嫌な夢をずっと見てた」て怒ってた。
日本人の友達Hに昨夜の話をすると、全然知らなかったと言われた。
ただ面白いので、家主には何も言わず不動産屋さんに昼から二人で行くことにした。
マンハッタンとかブルックリンは築100年、80年とかは当たり前なとこがあるけど、家主の家は築40年。
不動産に行くとおじいちゃんだったので、もしかしたら、と思った。
ユダヤ人のおじいちゃんにアパートの住所を伝え昨夜のことを話すと、笑いながら「that kinda shit never gonna happen」。
そんなこと起こるわけない!てshitを交えながら答えられた。。
ただ、37年分の履歴をすぐ見れるから調べよう!てなった。
手書きの履歴を三人でめくっていくと、79年でビタっと手が止まった。
なんたらhelmanて筆記体で書かれた名前の上から二重線が引かれて、evilなんたらのためムーブアウト、てメモ書きby若き日のおじいちゃん。
おじいちゃんが難しい単語ばっかり話してたけど、明らかに悪魔崇拝信教の人間が住んでたみたい。
今までガチで忘れてたらしい。
ただ、家主には申し訳なさすぎて何も言わなかった。
結果、その後二年間そいつの家にはいかず、なんもありませんでした。
て、また何が言いたいかわからない事になったような。
ただ、あそこまでエグいのは最初で最後でした。
恐らく悪魔ですから。
アストリアに24時間あいてる有名な大きいダイナーがありまして、そっから徒歩10分圏内のアパートです。
あ、それから、家主のヴェネズエラ人は思いっきりクリスチャンで、名前もAngelて書いてアンヘルでした。
大丈夫だったから良かったけど。
Angelの考察
何、Angelってか・・・!?
A(`∀)天使!! 仇敵ブッ殺!!!!
B(゜∀)ブッ殺yeah!!!!
C(=∀)ブッコゥ。
寝てるベネズエラン♂(零感)
A(;゜Д)…人だ…。
C(;・ω)しかもイカツイなぁ…。
B(;=∀)…着替えながら力尽きたのか…これ…。
A(#`Д)DAM'n!!!! 天使狩りに来てヤロウのイカツイケツ拝むとか何だこれ!!!!
B(;゜∀)てか、あっちの誰かに通じたら、さっさと出てけって伝えようぜ…オニャノコの入居キボヌ。
C(`・∀)σ『天使なんかじゃな』――ムグ!?
A(#`Д)日本のマンガディスってんじゃねぇ!!!!
B(;゜∀)あれ、そういう意味のタイトルじゃねぇからな?
~全てアラム語~
あ、いや、緑悪魔の呟いた内容が、
『 お前らは”まだ順番”じゃない。』
つまり、“一人一人、年月を掛けてジワジワと破滅させて行く”に思えたんで、その想像を振り払う勢いで、つい蛇足を・・・・。
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