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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 2月9日 荒井

2014-02-09 18:25:37 | B,日々の恐怖



     日々の恐怖 2月9日 荒井



 私は、小さい頃からどちらかといえば男の子、もしくは似たような種類の男っぽい女の子とばかり遊んでいて、そのため男友達が多かった。
 中学に上がってどのくらいかは忘れたが、間違いなくメンバーから考えて中1の時のことだ。
男友達数人と話してる時、

「 お前そういや荒井とはどうなったの?」

と言われる。
でも聞き覚えが無い。

「 いや、誰だよ荒井って?」

と返すと、笑い含みで、

「 えー、お前荒井知らないの!?」

“ さてはこいつら、空想の人間を出して私をからかってるな?”

と思い、

「 知らないよ。
誰・・・?
いつ知り合った人・・・?」

と否定を続ける。
 だんだん男子の顔がマジになってくる。

「 いやお前小学校の時いっつも遊んでたじゃん。」
「 えっ、本当にお前荒井知らないの・・・?」
「 小3の時とか遊んでたよ。」
「 俺、荒井とお前と俺とで林の家で遊んだこともあるよ?」

だんだんマジな空気を感じてきて、自分の記憶が不安になるが、やはり記憶が無い。
荒井と私は仲良しだったらしい。
 林の家では小3くらいからほとんど毎日のように遊んでて、一度遊んだメンバーは覚えている。
というか私が人集めor管理役だった。
 誘った子が“xxやooも誘って良い?”とか言うことがあり、多すぎると林の家も大変なので、いつも4人前後に揃えるようにしてた。
だから、知らない人を呼ぶわけがない。
でも、名前も顔も全く思い出せない。

私「 荒井ってのは途中で転校した?」
友「 いやいや最後までいたよ、何組だったっけな~、4だっけな~。」

私は3組だった。
小学校の卒業アルバムは失くしてしまったため、確認が出来ない。
中学が別々なのは確実のようだ。
 最終的にネタばらし等もなく、男子たちは、

「 えーマジで・・・。」
「 あっれー・・・。」

とか言いながら散っていった。
それから、ネタばらしなんかももちろん無い。
 すぐ林に、荒井と遊んだことがあったか確認した。

「 あーそうだねー、何回か遊んだことあるね。」

やっぱり思い出せない。
そのまま放置して高校生になる。
 ある日ふと思い出して、同じ中学出身の、最初に聞いてきた男子とは交友関係のほとんど無い女友達に荒井のことを聞く。

「 あーいたねー天パの!
あたし、あいつあまり好きじゃなかったな~。」

荒井はやっぱりいるらしい。
天パの、という言葉に何かを感じたが、やっぱり思い出せない。

 最近、小学校の頃のアルバムが家で発掘された。
荒井は確かにアルバムに載っていた。
思い出せなかった。










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