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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 2月10日 人型

2014-02-10 18:57:34 | B,日々の恐怖



    日々の恐怖 2月10日 人型



 もう10何年か前になるけど、親父と親父の友達数人で船のイカ釣りに行った。
もちろんイカ釣りは夜中にライトを付けて釣る釣りだから、夕方からの出船だったんだけど当日は天気もよくて、海に沈んでいく夕日を船の上から眺めて、一緒に来ていた親父の友達の子供と騒いだりしていた。

 で、暗くなった頃にポイントに到着したんだが、かなり沖に出ているので360度何処を見渡しても水平線しか見えない状態で、もし船が沈んだら絶対助からないな、などと親父と冗談を言い合いながら釣り始めたんだが、これが全くつれない。
 普通イカというのは群れで動いているから、釣れ始めるとバタバタとつれるはずなんだが、たまに誰かが一杯か二杯パラパラとつり上げる程度で、嫌になるほどつれない。
隣で釣ってたおっさんは、船長の腕が悪いとかブツブツ言いながら釣ってたし、俺は早々に船酔いになって船室に引っ込んで仮眠を取ったりした。

 で、そんなこんなで真夜中を過ぎた頃、俺が起きて釣り座に戻ってみると、みんな嫌になったのか、殆どの客が寝ている状態になっていて、高い船賃を払って釣りに来たのか海に寝に来たのか解らない状態になってた。
 なにせ操縦室のぞいたら、船長までうたた寝してやがったくらいで、そんな状態で何となく仕掛けをおろす気にもならなくて、海の中をのぞいていたら、集魚灯にものすごい量の小魚が集まっていて、その下にはかなり大きな魚が腹を返す光や影が見えていた。
 イカ釣りの仕掛けしかなかったのが悔しくて、親父に、

「 道具持ってきてたらあれ釣れるよね。」

などと言っていたとき、親父が、

「 あれなんだ?」

と船の下の方を指さしたので、その方向をじっと見てみると、かなり大きな影が結構深そうな所を泳いでいる。
 サメか何かか!?と思って目をこらしてみていると、その影が明らかに人型なんだわ
岸に使い所ならダイバーと言う可能性もあるだろうが、今居る場所はかなり沖のまさに太平洋のど真ん中でそれもあり得ない、周りを見渡しても遠くに別のイカ釣り船の漁り火が見えるだけ。
 親父と俺はしばらく顔を見合わせた後、仕掛けを上げて船室に入ってそのまま朝まで釣りもせずに夜を明かした。
他の人もいたけど、見たのは俺たちだけだったみたいだった。
朝になって船が漁港に戻るとき、見えた岸の懐かしかったことといったら・・・。



   人型
    ↓


こんな感じ。






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