塗装作業に移りました。サーフェイサーを薄く吹き付けて下地を作り、車体色を吹き付け塗装しました。今回のFT-17の車体色は、公式設定資料およびアニメで見ると、かなり独特の色調に見えます。公式キットのガイド指示においては、ミスターカラーの40番のジャーマングレー、となっていますが、それよりはやや明るめで、やや青味がかかっています。キットの成形色が割と近いですが、もう少し濃さがあります。
該当するカラーは、今の所発売されていませんので、幾つかの色を混ぜて調整してみることにしました。紙に色々と塗ってみて試した結果、40番のジャーマングレーに62番のつや消しホワイトを6対1の割合で混ぜ、さらに5番のブルーを同じ比率で加えたものに落ち着きました。
上図は、そのカラーで塗装した車体関連パーツと、28番の黒鋼色で塗装した履帯パーツです。
続いて、車体右側面につく排気管とスコップ及び鶴嘴の金属部分を28番の黒鋼色で塗りました。スコップ及び鶴嘴の柄は、43番のウッドブラウンで塗りました。
劇中シーンを見ると、砲身の先端などもやや黒っぽく見えます。煤かもしれませんが、とりあえず33番のつや消し黒で塗りました。
左右の足回りのパーツを接着しました。
履帯パーツを装着しました。
車体上部のハンマーを塗りました。金属部分を28番の黒鋼色、柄を43番のウッドブラウンで塗りました。
以上で、塗装は完了です。
デカールは、公式キット付属のものを使用しました。1の校章は2枚を使用し砲塔左右に貼ります。2のハートマークも2枚を車体後部の左右に貼ります。
砲塔側面に校章マークを貼りました。劇中車のシーンでも明らかなように、この車輌においては左右でマークの位置が異なります。左側面においては、上図のようにやや後ろ寄りです。
右側面においては、上図のようにやや前寄りです。要するに左右対称の位置ではありません。
車体後部の左右につくハートマークです。右側面のほうはそのまま貼れます。
しかし、左側面のほうは、方形金具の上に及んで段差が生じるため、マークソフターも併用して慎重に貼り付けました。まずマークセッターで位置を決めておき、マークソフターを多めに置いてデカールになじませます。するとデカールが柔らかくなってきますので、破いたりしないように綿棒でソッと触れて位置を微調整しました。皺が出やすいので注意が必要でした。
乾燥後は、上図のようにピッタリと張り付きましたが、マークの下部にやや裂けが出来てしまいました。これは修正出来ませんでしたので、仕方の無いものと諦めました。塗料のホワイトでリタッチすることも考えましたが、失敗しそうなので止めておきました。
デカール貼りつけが終わりました。
右斜めからの姿です。つや消しクリアーの吹き付け前に撮影しましたので、全体に鈍い輝きがあります。
左斜め後ろからの図です。
斜め上から見ました。
車体色も、なんとか劇中車の色合いに近づける事が出来たように思います。この種の微妙な色調は、おそらく見る人によってイメージが異なる傾向がありますので、ネット上や模型雑誌で見かけるプロモデラーの方々の作例においてもカラーが微妙に異なっています。解釈が分かれやすいカラーというのは、難しいものです。
以上で、BC自由学園チームのFT-17が、「最終章」第1話の劇中仕様にて完成しました。製作日数は、2018年3月22日から4月6日までの17日でした。組み立てに14日、塗装および塗装後の組み立てに1日かかりました。小さなキットの割には組み立て日数が長いですが、これはディキャンプの際に外でまったりと組み立てていたのと、劇中仕様への改造および追加が思ったよりも多かったからです。
使用したキットはモンモデルの製品でした。細かいパーツが多いですが、パーツの合いは非常に良くて組み立てやすかったです。ただ、足回りを指示通りに可動にすると強度に不安がつきまとうので、履帯の一部も含めてサスペンションはほぼ接着固定としました。
組み立て作業は全体としては楽でしたから初心者にもおすすめですが、問題は塗装のほうだと思います。劇中車のカラーに一致する製品が無いので、自分で塗料を混ぜて作るしかありません。公式キットの塗装指示は相変わらず大雑把なままですし、先行作例の数々においても製作者毎の認識差が表れていますから、参考程度にとどまります。むしろ自分なりに感じ取った色を自在に求めるほうが良いでしょう。
このような微妙な難しいカラーに関しては、他にも大洗女子学園のⅢ号突撃砲F型や38(t)戦車のケースが挙げられますので、ミスターカラーのガルパン塗料シリーズで専用色を出していただきたいところです。