ガルパンのコミックシリーズのなかでも人気があるという「リボンの武者」には、アニメ本編には登場しない数多くの軽戦車が登場します。殆どが第二次大戦中に活躍した各国の陸軍の車輌です。
ガルパンの戦車や車輌をプラモデルで楽しんで作ってゆくと、やがてはこの「リボンの武者」の登場車輌群にも視線が向いてゆきます。模型的にみても決して魅力が劣ることはなく、むしろ小型車輌独特の面白さというのが感じられてなかなかに製作意欲をかきたてられます。
既に私の製作においては、黒森峰選抜のシュバルツバルト戦闘団のⅡ号戦車F型をタミヤのキットで2輌作っています。初心者向けの簡単なキットとしても知られる品なので、あっという間に組み上がりましたが、同時に楽しく作れたことを思い出します。
同じように別のチームの軽戦車を2輌作ってみようかなと思った時、上図の3巻をなんとなく読んでみて、プラウダ選抜のカチューシャ義勇軍の存在を思い出しました。ああ、このチームも活躍したんだな、としばらく読みふけりました。
御覧のように、カチューシャ義勇軍の使用車種はT-70軽戦車です。カチューシャより部隊の指揮官に任命されたニーナ及びアリーナが、これを16輌揃えて、ヤイカ隊長率いるボンプル高校チームと対戦します。
上図の台詞どおり、第二次大戦中にソ連の主要機甲戦力の一翼を担った軽戦車です。模型的にみてもかなり需要と人気があるらしく、東欧諸国の幾つかのメーカーからキットが出ています。有名なのはウクライナのミニアートの製品群でしょうか。
私の製作では、これを2輌作ってみることにしました。前回の黒森峰選抜シュバルツバルト戦闘団のⅡ号戦車F型の場合は2輌とも同じタミヤキットで作りましたが、今回のT-70については同じキットを2つ調達することが出来なかったため、異なるメーカーの品が1つずつ手元に揃いました。
そこで、今回は異なる2つのキットでなるべく同じような仕上がりを目指してみる、というテーマで取り組んでみることにしました。
一つ目のキットは、パッケージの表記からみてドイツ製もしくはポーランド製とおぼしき、トーガの製品です。現在は海外模型メーカーのリストに名前が載っていませんので、廃業しているか、他メーカーに吸収されたかのどちらかでしょう。
この品は、中古リサイクルショップで安く買いました。全体的に見て、「リボンの武者」の登場車輌の適応キットは海外メーカー品が圧倒的に多く、古い時期の製品が相当の割合を占めます。それで、模型店ではあまり見かけないキットも少なくなく、むしろ古い製品が高い確率で出ている中古リサイクルショップのほうで見かける事が多いです。
なので、私自身は、たとえ作る気が無くても、中古リサイクルショップでガルパンの車輌の適応キットを見かけたらすぐに買うようにしています。購入を後送りにすると、次のチャンスにはなかなか巡り会えないことが普通であるからです。
パッケージは、縦16センチ、横22.5センチを測ります。おそらく、海外発のガルパン車輌の適応キットとしては一番小さいサイズだろうと思います。プラッツ発の公式キット群をはじめ、不必要に大きなサイズが多いガルパンプラモのなかでは非常な小ささです。ですが、タミヤキットの最小サイズであるⅡ号戦車F型のパッケージはこれよりも小さいので、それが最小サイズになります。
とにかく今回の品はパッケージが必要最低限のサイズなので、中身は御覧のようにギッシリ詰まっています。こういうのを「無駄が無い」と表現するわけです。プラッツ発の公式キット群などはパッケージサイズを再検討すべきだろう、と思います。
上図の右は説明書および組み立てガイドです。
組み立てガイドは、この見開き2ページが全てです。軽戦車だけあってキットもシンプルですが、古い時期の製品なので、なにか大まかといいますか、大らかな作りであるのは否めません。
パーツ構成もシンプルです。ランナーは計4枚、車体に1枚、砲塔などに1枚、足回りが2枚、です。タミヤのⅡ号戦車F型と似たような構成であるだけでなく、パーツの精度も大まかである点が似通っています。
それで、これは仕上がりの精度はともかく、簡単に作れそうだなあ、と思いました。
そのためか、もう一つ調達しておいた別メーカーのT-70のキットは割と新しい時期の品でパーツも細かくて難しそうにみえました。仕上がりの精度はそちらの方が上だろうと予想されます。
そこで、今回の制作の段取りを以下のように決めました。まず、簡単に組めそうな今回のトーガのキットを大体のところまで作っておく。次にもう一つのキットを作り、これは完成状態までもっていく。その仕上げ状態に、トーガのキットの方を可能な限り合わせるべく、修正や改造などの作りこみを施す、という流れです。なかなか面倒かもしれませんが、しかし模型的には面白味が感じられそうです。 (続く)