気分はガルパン、ゆるキャン△

「パンツァー・リート」の次は「SHINY DAYS」や「ふゆびより」を聴いて元気を貰います

継続高校 BT-42 作ります!! その1

2016年07月03日 | ガルパン模型制作記

 ガールズ&パンツァーには、第二次大戦終結時までの各国の主な戦闘車輌が数多く登場しますが、劇場版にて初めて登場し、対大学選抜戦にて驚異的な活躍を見せて単独撃破数の最多(3輌、うち1輌は落石による)をマーク、ファンの絶賛を浴びて知名度を一気に上げたのは、上図の継続高校チームの突撃砲BT-42でした。

 実物はフィンランド軍が運用し、ソ連軍との継続戦争にも使用されましたが、全部で18輌しかないうえに戦闘力が低く、さしたる戦歴も無いままに終わっています。
 そのためか、従来はあまり注目もされず、タミヤがこれをキット化した事すらも驚きをもって迎えられる始末でした。その傾向を、ガルパンのBT-42が吹き飛ばしてしまい、現時点ではガルパン戦車の中でも飛びぬけた人気を博しているようです。


 対大学選抜戦にて大洗連合チームの鶴翼陣の一角を担って草原地帯を進撃するBT-42です。石川県からはるばる単騎で大洗チーム支援に駆けつけて参戦したものの、相手チームとの接触前においては、その戦闘力に関しては未知数でした。
 この時点で「この低スペックの車輌で、大学選抜のパーシングやチャーフィーに果たして太刀打ちできるのか?」と思っていたのは、私だけではなかったと思います。


 ですが、未確認の大口径砲の存在を索敵するべく、西住みほ大隊長の指示にて「どんぐり小隊」に組み込まれた時には、他の3輌と比べると性能的にはむしろ上位に位置することになりました。
 しかも、継続高校チームのミカ隊長の搭乗車でありましたから、「どんぐり小隊」のリーダーをアンツィオ高校チームの隊長アンチョビが務めていたものの、単独での戦闘になった場合はおそらく最強の車輌になるのでは、という予感がしました。

 なにしろ搭載砲は榴弾砲ながらも「どんぐり小隊」最大の口径114ミリを有し、ソ連BTシリーズ直伝の俊足を誇り、かつては黒森峰女学園チームさえも苦しめたチームの指揮車輌です。西住みほの述懐に出てきた「有能な隊長」がミカなのであれば、西住みほからの指名抜擢も、その優れた素質に希望を託して賭けたものと言えましょう。
 その期待に、ミカ隊長以下の継続チームは見事に応えました。その目の覚めるような経緯については、もはや説明を要しませんね・・・。


 いろんな意味で余韻が鮮やかなBT-42です。とうぜんプラモデルの売れ行きもすさまじく、ランキングで1位にもなりました。再販がなされて後も人気は持続しているようで、早くも価格は上昇を示しているようです。

 ですが、私のガルパン戦車の製作計画では、もう少し後に位置付けて、アンツィオやサンダースの車輌を先に作る予定でした。しかし模型サークルの仲間A氏やT氏に「BT-42が人気である今が、プラモデルの旬だ、早く作った方がいい」と度々勧められました。拙ブログの読者の方々にもリクエストをいただきました。
 そして、モケジョのSさんの「BT-42のキットは皆が買ってるんでしょうけど、作るときは星野さんのレポートを参考にしようと考えて待っていてくれる人も決して少なくないと思います」という言葉に、大きく背中を押されました。駄目押しのように、模型サークルの仲間I氏にキットも頂きました。私も既に上図の1個を確保していたにもかかわらず、です。

 こうして、継続高校チームのBT-42が、私のガルパン戦車プラモデルの第23作目となりました。


 今回はタミヤのMMシリーズの318番のキットを使用しました。製作ガイドのほかに概要解説、マーキング参考図もついています。上図中央のマーキング参考図には、時期ごとの三種類の仕様がA、B、Cと並べてありますが、劇中車は継続戦争時以降の仕様ですので、Cの「Ps.511-4号車 継続戦争後仕様」を参考にして制作します。
 なお、フィンランドのパロラ軍事博物館に現存する唯一の実車はPs.511-8号車であり、Ps.511-4号車とほぼ同型であるそうですが、装備品や道具箱などが撤去されているため、外見はやや違った雰囲気になっているということです。


 今回の製作においては、上図右の、タミヤキットの付録の実車の写真集も大いに参考にしました。劇中車はかなりの程度でパロラ軍事博物館の現存車輌Ps.511-8号車の形状を踏襲していますが、細部の幾つかはタミヤのキットでは省略されています。それで、実車の写真集をみながら劇中車の細部を再現するという作業が追加されます。

 上図左の準備ノートにまとめた、ポイントやガルパン仕様への工作予定箇所も、30ヶ所を軽く超えました。ガイドにある製作ステップも27とかなり多いので、他のキットに比べると、楽に気軽に組み立てられるほうでは無いと思います。

 さらに、A氏には「作るんなら、今までの奴が作らへんかったBT-42を作ってみたらどうや」と勧められました。「何でもええからプラスアルファの志向で、ポイントの高い付加価値をつけるんや」とけしかけられました。
 自分なりに検討した挙句、ガルパンの継続高校チームの三人の心情や躍動にも思いをはせつつ、その熱き戦車道魂の空間を可能な限り再現するのが楽しそうだな、と思いつきました。要するに、インテリアも追加して作る形です。その案を話したところ、A氏もT氏も大いに賛成してくれました。A氏はノリノリで、さらに提案してきました。

「よし、それならエンジンも搭載しろ。天下のクリスティー式・・・、いや、ミクーリンのエンジンだ」
「BT-42のエンジンって、そんなの、キットとかあるんですか?BTシリーズのインテリアキットすら聞いたこと無いのに・・・」
「無いのかね?」
「少なくとも、あるって聞いたことありませんよ」

 ですが、ソ連戦車のプラモデルに詳しいG氏に聞いたところ、V-2エンジンのパーツはあるよ、とのことでした。
「ソ連戦車のエンジンはだいたいV-2や。BT系列もT34系列も同じのを使ってる筈。BT-42は元がBT-7だからね、大体はT34系列と同じV-2エンジンを使ってる筈。ドイツのBMWのライセンスのやつ。ガルパンのBT-42はミクーリンの航空機用ガソリンエンジンだとか言われてるけど、エンジンそのものはV型12気筒で構造は同じやから、サイズとかもT34系列と同じだろうね。そのV-2エンジンのパーツを使えばいけるんじゃないか?」
「ああ・・・あれですか。あのキットですか・・・」
「うん、エンジンだけじゃねえ、インテリアはみんな揃ってるしな」
「確かに揃ってますね・・・」
「ソ連の戦車はみんな基本構造が同じなんで、インテリアのパーツはBT系列もT34系列も共通になると思う。BT-42といっても、BT-7のインテリアのままだから、八割ぐらいまではT34系列のパーツが使えると思うな」

 G氏の言う通り、BT-42の車内構造の基本形は、T34系列とほぼ共通しています。T34系列のインテリアキットは幾つか出ていますから、そのパーツを転用することも可能です。
 そこで、今回のBT-42は、ほぼフルインテリアとし、エンジンだけでなく車内の各所も可能な限り再現を試みることにしました。パーツの大半は自作となるので、ガルパンアハトゥンク2に掲載されているBT-42の内部デザイン資料図を参考にすることにしました。

 製作前の準備として、キットのパーツの寸法などを測って、ミッコが居る操縦室と、ミカやアキが居る砲塔内部空間の、大まかな実寸設計図を作成しました。続いて、自作するパーツのそれぞれの実寸図面を描き、一部のパーツをプラ材で試作して感触を確かめました。出来は下手でも良いから、劇中車の内部をなるべく再現して楽しもう、と決めました。

 また、V-2エンジンのパーツの寸法を測って図面に落とし込んだところ、驚くべきことに、キットの車体パーツの底面にモールドされた起伏が、エンジンのエアーエレメント部のパーツの位置にぴったりと合うことが分かりました。
 それらの情報をふまえて、エンジンルームの見取り図も描き起こしました。エンジンも積んでいるインテリアキットの作成は、カメさんチームの38(t)戦車以来です。
 これらの準備作業に、一週間を費やしました。


 中身です。ランナーもパーツ数も、タミヤキットの中では多い方に属します。決して楽に作れるキットではないと思います。
 その上、インテリアパーツの大半を自作にて追加します。ガルパン仕様への修正および改造のポイントも少なくないので、作業量はおそらく素組みの3倍以上になるだろうと見込まれました。


 ステップ1および2です。車体の骨格となるサイドパネルや各パーツを組み立てます。今回の製作ではインテリアも作りますので、組み上がった車体の内部の寸法を測っておく必要があります。
 さらにステップ2で組み付ける軸部のB8とB9には、それぞれインテリアのパーツを組み合わせる必要があります。とくにB9は、おそらく変速機の位置にあたるので、後で変速機の軸部に合わせてカットしたりする必要があるかもしれません。
 また隔壁のパーツE4も、劇中車では閉じられています。E4の前方空間はミカたちの搭乗室ですが、後ろはエンジンルームですので、防音防熱のために仕切ってある筈です。E4の上下の開口部のうち、上の方だけをエンジン組み付け時に塞ぐことにしました。


 ステップ1で組み立てるサイドパネルのパーツです。


 組み立てが終わりました。


 ステップ2で組み付ける軸部や隔壁のパーツです。


 組み立てが終わりました。御覧のような状態ですが、隔壁の前方がミカ、アキ、ミッコのいる空間です。砲塔内スペースと操縦室です。そして後方がエンジンルームです。
 ほぼ半分ずつ、に見えますが、実際にはエンジンルームの方が若干スペースをとっています。第二次大戦中の戦車のエンジンはなかなか小型化が難しかった、という逸話がよく理解出来ます。 (続く)

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2 コメント

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質問 (佐藤美佳)
2016-08-05 12:54:04
こんにちは!
先日は色々お世話になりました。ありがとうございました。
ちょっと質問させていただきたいのですが、BT42の制作のポイントやガルパン仕様への工作予定箇所が30箇所を超えるそうですね。このうちガルパン仕様への工作予定箇所は半分ぐらいですか?
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Re. 質問 (ホシノ)
2016-08-05 14:51:22
こちらこそ有り難うございました。また宜しくお願いします。

現時点で、ガルパン仕様への工作箇所は20ヶ所あります。その他のポイントは15ヶ所ぐらいで、インテリア関係でプラ材などで自作する分が殆どです。パーツを他から転用出来るものは除外します。

とにかく作るのが大変なので、少しずつ慎重に進めてゆく積りです。
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