即興に関する覚え書き。
「時間的に経過するある一つの事態、たとえば即興曲の演奏に接する場合にもあてはまる。私がその事態を対象化して傍観者的な態度をとるとき、それはほとんど意味を失った光景の連続でしかない。私がその内部に身をおき、創造活動に参与することによって、はじめてその作品の具体的な意味を、すなわちそのリアリティをとらえることができる。」(「ヤスパース マルセル」中央公論社)
大変わかりにくい即興演奏にふれた時にどのような関わりを持つかでその意味や視界は変わる。生きる事は即興であると言った人がいたが、生きる事、人との関わり、その場にどのように参与しているかで展開も変わる。場を共にしても、明後日の方向をみていたり、携帯などで他を意識したりして、しらずしらず傍観者になってる人は多い。些細な事と思うなかれ、知らず知らず疎外状態は心を蝕んでいく。精神疾患が増えてるのもうなずける。大事な事は今いる場に参与すること、しかも創造的に参与する事と哲学者のマルセルは言うのである。一つの警鐘である。
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