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読んだ本の感想と旅行の日記を書いていきます。
後、その他なんかあれば・・・

184冊目:「頭に来てもアホとは戦うな!」

2021-09-10 17:01:12 | 
総評:★★★★☆ 予想外に面白かった。
面白い度:★★★★☆ いい感じに面白く読めた。
読みやすい度:★★★★★ 直接的な表現が多く読みやすかった。
ためになる度:★★★★☆ まあまあためになった。
また読みたい度:★★★★☆ また読んでもいいなと思う。


メルカリで別の本とセットで購入した本。

著者の田村耕太郎さんは知らなかったが、元議員さんで、その前の経歴も輝かしいものがある人だった。

そんな政界を学んだ田村耕太郎さんが今までの経験から学んだ人間関係のコツ?についてまとめた本だった。

田村耕太郎さんは自分は見たことは無いが、この本の文体から、かなり過激な人なんだなあと思った、結構攻撃的な文体だった。
でも書いてあることは結構的を射ていて、なるほど、と思うことが結構あり、印象は激情家な反面、中身は結構クールなんじゃないかと思った。

率直な感想としては、思ったより面白かったしタメになった。という本でした。


ちょっと昔に読んだ本なのであまり詳細は覚えていないので、感想はここまでにしてためになったという箇所を抜粋する。

・この世は仁侠映画のようにできていないことに気付いたこの人が使い始めたテクニックは、幽体離脱。カッとしたときほど、自分の肉体を離れて自分を上から見る自分を強く意識するようにしているという。相手がいて、自分がいて、衝突しようとしている構図を、すっと霊魂のように自分から抜け出して、それこそ3Dで上から時間を止めてみるのだという。
 そこで初めて「我に返れるのだ」という。「こりゃまずい。相手に嫌われる」「もう戦いは始まりそう」ということを瞬時に理解して、その姿を上から見て冷静になれるのだ。
 怒りが込みあげてきたときに、自分を上から3D映像で客観的に観察するという手法は、自分のものにするのに時間はかかるが、できるようになったら非常に有効だ。常に練習していると自然にできるようになっていく。
 しかも、この技は身につけておいたほうが何かと便利だ。この方法は何も「無駄な戦闘防止」に用途が限られるわけではない。ここ一発の勝負のときすべてに使えるのだ。
 例えば、大事なプレゼンや講演をしているとき、”自分の前に座っている聴き手”の視点をもてるようになる。聴衆の立場で話ができるようになるのだ。そうなると、緊張してしまうこともなく、どこがポイントか理解しながら、そこに情熱を込めたり、スピードをコントロールしたりしながら、いい話ができるようになる。大事な友人や交際相手との勝負のときも、幽体離脱を使うと、冷静に相手の立場に立って自分を見ながら自分をコントロールできる。

・こういう経験から確実に言えるのは、頭のいい人は世の中に掃いて捨てるほどたくさんいるということだ。頭がいいことにはそれなりの価値があるが、絶対的な価値ではない。真の叡智、他社から抜きんでるための人生最高価値は、単なる頭の回転ではない。記憶力や発想力だけではないのだ。
 事を成すために、経営者だろうが、学者だろうが、政治家だろうが、行政官だろうが、必要な能力がある。それは「相手の気持ちを見抜く力」だ。この能力を持つ人が一番賢い人であり、この力さえあれば、あなたの人生は「鬼に金棒」である。

・今を時めく官房長官の菅義偉議員からも多くを学んだ。それは「地位は人を変えなない」を実践されているところだ。私は「地位は人を変える」と思う。いい意味でも悪い意味でも。ただ、菅先生の場合はいい意味では変わり、悪い意味では全く変わっていない。
 地位によって悪い意味で変わらないためには、相当な努力と経験が必要だ。私など典型例だが、地位により人はのぼせ上がる。議員になる前、特に新聞記者をやっていたおきは、私は政治家の偉そうな態度が人一倍気に入らなかったのだが、えてしてそういう人ほど、自分がその身になると偉そうになってしまうものだ。自省の念をもってこの文章を書いている。
 政治家で偉ぶる人は劣等感が優越感に代わるだけで、本質的にはコンプレックス持ちだということだ。しかし、菅先生ほど誰に聞いても態度が変わらない政治家はいないのではなかろうか?その出自は日本の政界では異例である。秋田の農家に長男として生まれ、高校を卒業後、「東京で自分の力を試してみたい」と築地市場で台車を押しながら学費稼ぎをして夜学に通い、秘書を経て地方議員から国会議員に上りつめる。
 通常、常に腰を低くしていた秘書上がりの政治家は、記者上がりの政治家が権力批判から権力側に行くのと同様、反動から偉ぶるものが多いと言われるが、菅先生の場合は違う。苦労が人間を悪い方向に変えていないのか、苦労を苦労と思われなかったのか、その理由はわからないが稀有なことだと思う。
 私は内閣府大臣政務官として経済財政政策に加えて、地方分権も担当した時に、当時総務大臣であった菅先生とのお付き合いが始まった。日銀の金融政策に影響力を与えようと組織した勉強会で、私を会長にして菅先生が一切の縁の下の力持ち役を引き受けてくださったことがある。部下の手柄を自分のものにする人が多かった当時の自民党の中で、自分の手柄を部下の手柄にされようとして菅先生の、”永田町ではあり得ない”姿勢に感動を覚えた。
 こういう姿勢が、世襲の名門議員から百戦錬磨の遅咲き党人派議員にまで人望があることの原因だと思う。だからこそ、決して永田町デビューは早くはないのに、当選回数から見れば、異例の非常に速いスピードで出世をされているのだと思う。その人望の背景には、苦労を知っているのに卑屈にならず、誰に対しても態度を変えない点があると思う。
 どんな職業でも、本人が「自分を見失う」瞬間に坂から転げ落ちていく。実際この目で、そういう理由での見事な転落を政界でも実業界でもいくつか見てきた。一方で「自分を見失わない」人は坂を着実に登っていく。
 今でも政財界のパーティや講演会等でたまにお会いさせていただくことがあるが、時の大物官房長官にして本当に今も昔と態度は変わらない。いろんな人が多様な意図を持って持ち上げようと殺到しているであろうに、その中で決して「自分を見失わない」ように己を制している様子はさすがと言うしかない。
 「自分を見失っていない」姿の背景にある”自分の律し方”に非常に関心がある。いいことがあっても厳しいことがあっても、自分を見失わない菅先生の姿勢を常に見習いたい。

・だから、そもそもよほどのことがない限り会議は開かない。タイムコストの浪費が競争の敗北や成長の減速につながるという意識が社内に共有されているのだ。また、グローバルに事業を展開しているので社内関係者の間に時差があり、広大なアメリカ国内でも時差があるので、簡単に皆の時間を同時に拘束できない。
 このように無駄な会議を開かないための秘訣は、まず徹底的に情報を関係者に渡すこと。会議の目的には会議に参加するメンバーからの情報収集もあるので、徹底的に情報をCEOやその周辺にこまめに伝えておけば、「あいつを呼んでもこれ以上聞くことはないな」と思われる。
 また、CEOやその周辺からの質問に対しては、できるだけ迅速に丁寧に答える。自分が所管する業務に関して決断する人たちに、疑問を持たれないくらいのレベルまで自分が正確に知る範囲で答えておくのだ。
 そして会議に呼ばれそうな雰囲気になったら、会議で私から聞きたいことを徹底的に事前に来てもらう。そして的確にそれに答える。それでもわからなかったことは「またすぐ聞いてくれ」と伝えておき、それにできるだけ的確に答える。
 これを習慣づけておけば、必要な事前情報をたっぷりもったものが集い、無駄なやりとりもなく、皆でクリエイティブな解決策を考えることができる。時間の使い方として大きな意義があり、ビジネスパーソンとして成長する機会ともなろう。

・日本のアマゾンの書評になれている人は、本場アメリカのアマゾンの書評がほとんど実名だと言われたら驚くのではないか?実際、私の日本人の知人たちもこの事実にまず驚きを見せる。レストランのレビューもアメリカでは実名だ。日本でレストランレビューとして有名な食べログでも、実名のレビューはあまり見たことがない。
 日本でも、本やレストランのレビューを実名で書いているブロガーもいるし、サイトもあるが、最大手のレビューサイトはほとんどが匿名だ。
 そもそもアメリカでは実名による評価ではない限り誰も重きを置かない。匿名による評価など本人や本人のライバルが書いていると思われても仕方がない。実名で書評を出すことにより、書くほうに責任感とそれからくる緊張感が生じる。レストランでも本でも自らをさらして評価するので、お里が知れることになるからだ。
 日本では何につけてもネット上のレビューは匿名なので、それらしいことが書いてあれば参考にするしかない。もちろん、匿名でもアメリカの実名に負けないくらいフェアで深い分析に基づく評価が書いてあるものもある。むしろ、これくらいのことを書くなら最初から実名にすればさらに信頼が増すのに、と思うこともある。ただ、そういうものより、感情的で浅いレビューのほうがはるかに多いと思うが。
 日本はそれなりに大きくて広い国なのだが、人と人との関係が密で濃く、フェアなレビューも人格攻撃と受け止めてしまうくらい議論に慣れていない。そのため他人による批評を受け止める度量が狭いので、実名で実のある厳しいことが書けない風土なのだろう。

・ここから学べることは、間違っても負け組に乗らないことだ。勝ち組の候補者があなたを心の底から憎んでいて100パーセント間違いなく冷や飯を食わされる可能性が高いなど、よほどのことがあれば別だが、意気に感じたり妙な正義感を出したりして、負け組に乗っかってはいけない。
 苦手な人物がいたとしても、積極的に勝ち組に関与していくのだ。人生、”意気に感じること”も大事だが、社会人になってそういう感傷的な勝負に出てしまっては失うものが大きすぎる。何のために自分はその組織に入ってその仕事をやっているのか、このことに常に集中しよう。
 権力者に逆らったり嫌われたりしたらいい仕事はできない。思想・信条がいかに合う人がいても、その人に力がなければ組織の中で目指すことを実現できる可能性は低い。だとしたら、自分の仕事の価値や意義を向上させてくれる力を持った人の傘下に入るべきだ。

・このように、上手に自己主張するには慣れしかない。人の面前で自分の思いを上手に伝えるには訓練が必要なのだ。人前で緊張しても、言いたいことを忘れずに、理路整然と正確に、コンパクトにわかりやすく伝える訓練をしておこう。一番いいのはTEDやYouTubeで上な短時間のスピーチをたくさん聞くことだ。
 最初のジョークで自分と聞き手の緊張をほぐして心をつかみ、結論からわかりやすく相手に理解してもらえるように話してみる。そして、その理由や根拠を理路整然とかつ面白おかしく親しみをもって伝えていこう。
 このとき何よりも大切なのは、本気度だ。マニュアル通りのフレームワークやできすぎたパワーポイントが本気度を下げてしまうことがある。それよりもどうしても伝えたいものやその理由にフォーカスしよう。
 テクニック的な出来は7割くらいでいい。つかえても、ページを飛ばしても、多少数字が間違っていても、それよりも情熱がカギを握る。「どうしても伝えたい」「わかったほしい」「やりたい」、そういう気持ちを120~150パーセントの本気度で伝えるのだ。逆に言えば、120パーセント越えのエネルギーを投入しないと人の気持ちは動かせない。
 人は数字やグラフで説得されるときもあるが、何度も言うが、所詮どんなに頭のいい人間であってもコンピュータとは違う。感情に支配されているのだ。だからこそ、感情を揺り動かすのだ。

・リフレッシュは徹底的に仕事や責任を忘れることから始める。そのためには、自分がいる場所を変え、付き合う人を変え、一日のリズムも変えるべき。これを実践するためには時差があるような場所に行ったらいい。そうすれば、自然と付き合う人も変わるし、時差が生活のリズムも変えてくれる。それくらいしないと頭の中を空っぽにしてリフレッシュできない。空港へ行って飛行機に乗るまで、飛行機の中、と段階を経て自分の心のモードは自然とリフレッシュモードへ切り替わっていく。
 家で休んだり、近場で遊んだりするのもいいが、慣れた場所にいたらどうしてもいつもの生活のリズムが襲ってくる。私は最近は心が折れるというような体験はあまりないが、忙しすぎたり、仕事の重みを感じすぎたりして、本当にくたくたに疲れ果てることがある。そういうときは思い切って場所を変える。海外に行ったり、日本の人里離れた山奥に行ったりする。そしてパソコンやスマホを手放し、仕事や日常から離れる。

・だからこそ、やりたいことを見つけようとするのは、エネルギーも時間も無駄な気がしてならない。それより今、目の前にあることを精一杯やるべきだ。勉強でも仕事でもいい、目の前にあることに没入してみるのだ。ないものねだりをして何にも全力を尽くせない状態になるのが、一番時間もエネルギーももったいない。何度も言うが、たった一度の人生とは、宇宙スケールで見れば奇跡のような存在で、時間もエネルギーも大切にしないといけない。


一通り書いたが、なんか新しい考え方を学べたような気がする。
そんなんで今回の感想は以上☆。
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