asano.net

読んだ本の感想と旅行の日記を書いていきます。
後、その他なんかあれば・・・

204冊目:「負けに不思議の負けなし <完全版> 上巻」

2023-04-08 18:42:58 | 
総評:★★☆☆☆ 1980年代の野球界の話。
面白い度:★★☆☆☆ 当時の野球界を知らないとちょっと。。。
読みやすい度:★★★☆☆ 普通。
ためになる度:★★☆☆☆ 当時の野球事情の話がメインだったのであまり。
また読みたい度:★☆☆☆☆ またはいいかなと思う。



2020年に亡くなられた故・野村監督の本。

以前NHKで野村監督のスペシャル番組をやっていて、「金を残すは三流、仕事を残すは二流、人を残すは一流 」など、中々深く刺さる言葉を残しており、さらに古田さん、高津さん、新庄さんなど、後々監督となる「人」をめちゃくちゃ残していっているプロ野球界のレジェンドなので、感動して野村監督の本を読んでみようと思ったのがきっかけである。

そんなんでまずは何の本を読んだらいいかもよくわからなかったので、メルカリで安かったので買ってみた。
野村監督だが、現役引退後、自分はずっと監督業をやっていたものだと思っていたのだが、実は1980年代くらいに解説者をやっていた時期があったらしく、その期間に新聞に連載を載せていたらしく、そこでの寄稿をまとめたのが、今回読んだ本であったのだった。


なので、読んでみて分かったが、野村さんがどのような考えてどのように生きていたとか決断してきたとか、そういった野村監督の人となりを知れるような本ではなく、当時の日本球界の情勢について、どのチームはいいとか、状態はどうとか、誰はいいとか、成績がどうだとか、そういったことが主につらつらと書かれていたのだった。

そんなんで、昔の選手の名前がめちゃくちゃ出てきた。江川とか、江夏とか、原とか、自分が知っている齋藤、槇原、桑田とか、クロマティとか篠塚とか、そこら辺の巨人黄金時代よりさらにもうちょっと前の日本球界のことが書かれていたので、自分としてはあまりピンとこなかったりしたのであった。


最後に、ためになると思った箇所を抜粋する。

・私にも苦い記憶がある。南海の監督をしたいたときのことだ。ある中堅選手がクビのリストに入っていたので、再就職のアテについてそれとなく尋ねた。するとその男は、「兄のやっている飲食店を手伝うぐらいしか道はありません」
 と、しおれきっている。私はかわいそうに思って二軍のコーチにした。それを言い渡したときの彼の笑顔ったらなかった。なのにシーズンも終わろうというころ、彼は裏にまわって私の追い出し運動を進めていた。
 もう一人の男はまるで上昇志向のかたまりだった。任命したときは実に調子のいいことをいっていたが、途中からガラリと変わった。家が同じ方向にある選手たちをいつの間にか抱きこんで私の悪口をいいふらす。本来、監督のところへ報告に来るべきことでも直接、球団社長のところへいく。そこでまた、悪口をばらまく。知らないのは監督ひとりだった。上り調子のときは何も見えないが、ちょっと落ち目になると人間が実によく見える。私の人生でこのときほど勉強させてもらった時期はない。~(中略)~
 コーチについて考え出すと、いつも死んだ蔭山さん(元南海監督)のことを思い出す。蔭山さんは私たちを指導するとき、いつも「オレが責任を持つから」といった。今、そう言えるコーチがいったい何人いるか。この文句はすでに死語になってしまったのではないか。もっとも、これは何も球界だけの現象ではなく社会一般にそうであるらしい。ご同輩諸氏、いかがでしょうか。


そんな感じでしょうか?下巻も頑張って読み進めたいと思う。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 203冊目:「4-2-3-1 ... | トップ | 205冊目:「負けに不思議の負... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事