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読んだ本の感想と旅行の日記を書いていきます。
後、その他なんかあれば・・・

85冊目:「リーダーになる人に知っておいてほしいこと」

2012-08-29 22:30:04 | 
総評:★★★★☆ いいっす!
面白い度:★★★☆☆ 普通
読みやすい度:★★★★☆ 2日で読めた
ためになる度:★★★★★ ためになるとは思う
また読みたい度:★★★★☆ さらっとまた読みたい。


あの経営の神様、松下幸之助が、松下政経塾にて、塾生に教えていた内容から重要な内容を厳選し、まとめた書籍である。

色々なテーマが語られてはいるが、一つ一つの内容は短く、これも1日くらいで簡単に読むことができる。

松下さんの話している内容がそのまま収録されているっぽく、関西弁の口語体で書かれているので、松下さんの人となりが分かる感じがする。
穏やかで、諭すように話しかけるその言葉に、とても惹きつけられる感じがした。

松下政経塾では、毎日、塾生が、塾訓を毎朝唱和しているらしい。
「これ(塾訓)を君、百ぺん毎日唱えや、それで、一息たったらわかる」とのお言葉なので、忘れないようにひとまず、ここに記載する。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■塾訓
素直な心で衆知を集め
自修自得で事の本質を究め
日に新たな生成発展の
道を求めよう
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
もう一つ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■五誓
一、素志貫徹の事
常に志を抱きつつ懸命に為すべきを為すならば、いかなる困難にであうとも道は必ず開けてくる。成功の要諦は、成功するまで続けるところにある。

一、自主自立の事
他を頼り人をあてにしていては事は進まない。自らの力で、自らの足で歩いてこそ他の共鳴も得られ、知恵も力も集まって良き成果がもたらされる。

一、万事研修の事
見るもの聞くことすべてに学び、一切の体験を研修と受けとめて勤しむところに真の向上がある。心して見れば、万物ことごとく我が師となる。

一、先駆開拓の事
既成にとらわれず、たえず創造し開拓していく姿に、日本と世界の未来がある。時代に先駆けて進む者こそ、新たな歴史の扉を開くものである。

一、感謝協力の事
いかなる人材が集うとも、和がなければ成果は得られない。常に感謝の心を抱いて互いに協力しあってこそ、信頼が培われ、真の発展も生れてくる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ちょっとは松下政経塾に入った気になった、かも!?
でも今のところ、毎日唱和しようとは思っていない。


今更気づいたが、この本は、この塾訓と五誓の内容に沿って書かれている。
なので全2部の構成となっているが、第1部が塾訓の内容、第2部が五誓の内容となり、さらにそれぞれ章ごとに分かれ、詳しく述べられている。

一番ためになった内容が多かったのは、1部の「自修自得で事の本質を究め
る」の章だった。


面白かった内容、というかテーマをそのまま抜粋する。
そしてコメントもつける。

・素直になれば、物事を色眼鏡で見ないようになる。赤は赤、黒は黒に見えるようになる。本質が見えるようになる。そうすると過ちが少なくなる。融通無碍(むげ)な人間になれる。
→物事の本質を見ろということですね。

・知識は道具である。知識の奴隷になってはいけない。知識の"主人公"になる。縦横無尽に知識をつかいこなす。
→知識は得てナンボではない。知識は使いどころをわきまえてナンボということ。

・われわれ人間は、お互いに「飼いあい」をしていると考えればいい。だから、成功しようと思うのなら、まずは「相手の本質を知る」、つまり「人間というものはこんなもんや」ということを知る。そこから出発していけばいい。
→人というものはどういうものかを知れということ。犬や猫の習性がわかれば、飼いやすく、動かしやすくなる。人間も同じで、どういう習性をもっているのか知れば動かしやすくなるということ。なんか深い。

・人間は大きな運命の流れの中で生きている。その流れに素直に乗るには、まずはその日その日を充実させて生きていくことが大切である。
→宇宙の意思、的な感じ?

・迷うだけ迷えばいい。けれどもそのあいだはじっとしていること。光明が見えるまで、迷いながらも勉強し続けること。その迷いが大きいほど、偉大なものが生まれるはず。でも迷わないでいいことでは、決して迷わないように。
→迷っている間はじっとしていること、ていうのが面白かった。

・今ほど成功しやすい時代はない。瞬間に成功を得ることができる。もちろん逆もまた然りである。だから、まずは思うこと。それが正しい思いであれば、必ず成就する。成就しないのは、他が悪いのではなく、自分自身に過ちがあると思うべきだ。
→今ほど成功しやすい時代はない。ってのにグッときた。

・武士は、いずまいを正すこと、つまり「座る」ことが基本だった。仕事にも儀礼がある。挨拶や掃除は、業績とは一見関係がないように思えるけれども、人間としての基本であり、きわめて大切なことである。
→掃除も大切だ!ってことが分かった。

・今までやってきたこと、それを一ぺん白紙に戻す。その知識にとらわれず、一からやり直す。すると、その捨てたものも有意義に働き始める。
→一番難しく、いちばん深い言葉だと思う。

・腹の底から得心できないことが世の中のほとんどである。だから、適当なところで結論を出さないといけない。その説明のできない一種の悟りの境地で「適当なところ」を見極めることが肝要である。
→色んなことを、ある程度の解釈を得られるまでで良いからそこまでで一旦切り上げて、他のことをやってみなさいというということ!?かな?
その切り上げ時が難しいと思うが・・・

色々新しいことを学んで、深かった。理解に落ちるまでは難しいと思うが、これからの知識の一つの材料になればいいと思う。
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84冊目:「働き方 なぜ働くのか いかに働くのか」

2012-08-27 21:04:01 | 
総評:★★☆☆☆ うーん、あんまし
面白い度:★★☆☆☆ 面白いというのはあまりなかった
読みやすい度:★★★★☆ 2日で読めた
ためになる度:★★★☆☆ 今までとかぶっている所もあるので下がる
また読みたい度:★☆☆☆☆ 2回目はいいかなぁって感じ


稲盛さんシリーズ最後の一冊。
「働くこと」について書かれた本。

「働くこと」について、今まで人はなぜ働くのか?なぜ働かなければいけないのか?といったことを考えていたので、そういった答えが見つかればいいなぁと思ってこの本を読んだ。

読み終わっての結果としては、あまり自分の中に(理解として)落ちていないというのが感想である。
そこについては、自分は稲盛さんの考え方とはあまり合わない所があった。

自分は何日も会社に遅くまでいたくないし、体に無理がたたった生活をして体を壊してしまった人もいる。なので、自分の健康を壊してまでもそこまで働く必要がないというのが自分の正直な意見である。
その分では、1日8時間をしっかり働くのはいいと思っているが、その人に多すぎる作業を何が何でもこなさなければいけないという考え方としては自分はない。


働くことは万病の病に効く薬、仕事を好きになること、という意見については賛成である。しかし、誰にも負けない努力をするのは良いが、それで体を壊してしまっては元も子もないと考えている。仕事を愛するほどに精一杯がんばれとは言っているが、仕事を愛しすぎてプライベートの関係とかはどうなってもいいのかとも思ったりする。

そういった、仕事について今まで自分が思っていた葛藤っていうのがあったので、その葛藤が払しょくされて、今までにない新しい考え方ば芽生えたかというと、そうではなかった。
と言っても、やっぱりいいことはいっぱい書いてあるとは思うので、そこら辺について、ためになったと思った部分を抜粋する。

・いい仕事は、いい人間によってなされる

・会社をやめるには、何か大義名分のような確かな理由がなければダメだ。漠然とした不安から辞めたのでは、きっと人生はうまくいかなくなるだろう

・「あいつは、かわいそうだ」―。
人間というのは、周囲からこう言われるくらい不幸な境遇に、一度は置かれたほうがいいのかもしれません。

・人間の煩悩は、百八つもあると言われています。中でも「欲望」「怒り」「愚痴」の三つは、卑しい心、つまり人間を苦しめる煩悩の最たるもので、心にからみついて離れず、取り払おうとしてもなかなか拭い去ることはできません。

・充実した人生を送るには、「好きな仕事をするか」「仕事を好きになるか」のどちらかしかないのです。


そんな感じでした。
後は今まで見てきた稲盛さんの本と同じようなことが書いてあったりしたので割愛します。

そんな最後としては、ちょっと拍子抜けしてしまった一冊になった、かな?
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83冊目:「生き方 人間として一番大切なこと」

2012-08-25 00:11:39 | 
総評:★★★★☆ やっぱり泣けるなぁ
面白い度:★★★☆☆ 前回よりかは落ちる
読みやすい度:★★★★☆ 前回よりかはちょっと下がったかな?
ためになる度:★★★★☆ 実は結構ためになった
また読みたい度:★★★☆☆ ちょっと下がる


次の稲盛さんの著書は結構有名な一冊。

これも人の生き方について書いてある本で、前回の「哲学」と同じようなことが書いてあった。
というかほぼ同じようなことが書いてあるが、こっちはもっと働くこととか、生きることとか、もっと現実的な範囲の話になっている。

なんか前回の哲学の復習みたいな感じで見ていた。それでもなるほどなるほど、と納得できる内容が多数。
でも今まででのアメーバ経営と、実学でも同じようなことが書いてあったりもするので、そこまで心に残らなかったといえば残らなかった。

ちなみにこの評価については、前回に「哲学」を読んでいたからこうなったのであって、先にこれを読んでいたら、もうちょっと評価は上がったと思います。


今回の本で、稲盛さんは60歳くらいで一回坊さんに出家しているんだってことが分かった。

あと、人生には、「運命」と「因果応報」の二つの見えざる手があり、この二つが大きく人の人生を支配しているという考え方が分かった。
「運命」はその人にあらかじめ決められたもので、人は運命に促されて生きている。またそれに対する、「因果応報」というものもあり、これは善をすれば善が返ってくる。悪をすれば悪が返ってくるというもので、この「運命」と「因果応報」の二つの掟が人生を支配していることが分かった。

因果応報の掟にもとづき、自分たちが行った物事の結果によって、運命を良い方に変えることもできるし、実はよいはずだった運命も因果応報によって悪くなってしまう可能性があるってことが分かった。


あと、稲盛さんが考えた「人生の方程式」っていうものがあり、それは、
「人生・仕事の結果 = 考え方 × 熱意 × 能力」で表せるとのこと。
「熱意」、「能力」はプラスの数値しかないが、「考え方」については、マイナスの数値が存在するとのこと。なので、この「考え方」がマイナスの人がいくら頑張っても、結局はマイナスの結果しか生み出さないということが分かった。
これはなかなか深い考え方だと思う。


そんなことを改めて分かった本。
一旦感想は以上にして、新たな発見をした内容などの箇所を抜粋する。


・すみずみまで明瞭にイメージできたことは間違いなく成就するのです。すなわち見えるものはできるし、見えないものはできない。したがって、こうありたいと願ったなら、あとはすさまじいばかりの強さでその思いを凝縮して、強烈な願望へと高め、成功のイメージが克明に目の前に「見える」ところまでもっていくことが大切になってきます。

・自分が成功した姿を思い描けるということは、その人にとって成功の確率がきわめて高いということなのです。目をつぶって成功した姿を想像してみたとき、その姿がうまくイメージできるのなら、それは必ず実現し、成就するということです。

・新しいことを成し遂げられる人は、自分の可能性をまっすぐに信じることができる人です。可能性とはつまり、「未来の能力」のこと。現在の能力で、できる、できないを判断してしまっては、新しいことや困難なことはいつまでたってもやり遂げられません。

・二つの道があって、どちらを選ぼうか迷ったときに、おのれの利益を離れ、たとえそれが困難に満ちたイバラの道であろうとも、「本来あるべき」道の方を選ぶ-そういう愚直で、不要領な生き方をあえて選択することでもある。

・私は長期の経営計画というものを立てたことがありません。もちろん、経営理論に基づいた長期の経営戦略などの必要性や重要性は、承知しているつもりです。しかし、今日を生きることなしに、明日はやってきません。明日もわからないのに、五年先、十年先のことがはたして見通せるでしょうか。

・現在の日本社会についていえば、リーダー個人の資質というよりも、リーダーの選び方それ自体に問題があると考えられます。というのも私たちは、組織のリーダーというものを、人格よりも才覚や能力を基準に選ぶことをくり返してきたからです。人間性よりも能力、それも試験の結果でしか表せない学業を重視して、人材配置を行ってきたといってもいい。公務員試験の成績のいい人間が役所の要職やエリートコースに就くなどとは、その代表的な例といえます。

・教育者は成長期の子どもの人格形成に深くかかわり、それを指導サポートしていかなくてはなりません。だからこそ、教職という職業は単なる労働の域を超えたもので、教師の全人格をもって子どもと向き合うことが要求される尊い職業、いわゆる「聖職」であるはずです。

・一生懸命働くこと、感謝の心を忘れないこと、善き思い、正しい行いに努めること、素直な反省心でいつも自分を律すること、日々の暮らしの中で心を磨き、人格を高めつづけること。すなわち、そのような当たり前のことを一生懸命行っていくことに、まさに生きる意義があるし、それ以外に、人間としての「生き方」はないように思います。

ヤバい、これも書いて泣けてきた・・・
よくよく見返してみるとこの本ももかなりいいことが書いてあるなぁ。
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82冊目:「稲盛和夫の哲学 人は何のために生きるのか」

2012-08-20 22:26:48 | 
総評:★★★★★ 是非とも皆さんに読んでほしい!
面白い度:★★★★★ 面白い内容だった!
読みやすい度:★★★★★ あっという間に読んでしまった!
ためになる度:★★★★★ ためになった
また読みたい度:★★★★★ また読みたいです


稲盛和夫さんシリーズ3弾目。
でました満点!まさかここで出るとは・・・


今回は今までの経営や会計の内容とは違って、稲盛さんの哲学、考えていることについて書いてある。なので必ずしも実際に役に立つ具体的な方法が書いてあるわけではない。

内容としては、生きることとか、死ぬこととか、宇宙のこととか、神についてとか、そういった哲学的な考え方が書いてある。

そんな今までとはちょっと違った内容だが、この本の内容のほぼ全てについて、自分と共感できる内容だった。
今までに「アミ 小さな宇宙人」シリーズを読んで、結構今までの考え方を変えさせられた程の衝撃を受けたけど、この本には、それとほぼ同じことが書いてあった。

稲盛さんはどうやってそんなことを知ることができたんだろうとも思った。
会社の経営をしながら、そういった深い知識、洞察力を得ることができた稲盛さんっていったい・・・って思った。
もうひれ伏するしかないです。


面白かった内容としては、仏教には、「布施」「持戒」「忍辱(にんにく)」「精進」「禅定」というプロセスがあり、それを行っていくと、最後には、「智慧(悟り)」に至るという話が面白かった。
まさに仏教の考え方をこの本で学ぶことができました。

あと稲盛さんは西郷隆盛を尊敬しているということが知れたので良かった。
西郷隆盛は「竜馬がゆく」で読んだが、本当に底の知れない人物で、その大らかかつ大胆な性格が、多くの人を惹きつけているという印象を受けた。
そんな西郷隆盛を尊敬しているということで、また西郷さんについて色々調べてみたいと思った。

また共感できる部分として、現代の世の中にいる人たち若者、大人など、色々なものに満たされているはずなのに、生きる希望を見出すことができていない人が多いという内容があった。それは自分も同じで、青少年犯罪や、陰湿ないじめ、または自殺など、何か陰惨たる世の中になっていることに非常に疑問を感じている。人々は今の時代になって何かしら心の安定や、平穏な精神を築くことができていない気がする。

そんな現代を生きる世の中の人たちにこの本を見てほしい。悩みや苦悩を抱えて、何か満たされないと感じている人に、何かしらの解決策がこの本に書いてあるのではと思う。心が大らかになり、前を進めるようになるエネルギーを受け取ることができると思う。

そんな本でした。


最後にまたためになった内容を抜粋する。

・植物を見ても昆虫を見ても、自然界で怠けているものは一つたりともありません。道端に生える雑草も、真夏の酷暑のなかでも、また真冬の極寒のなかでも、必死に生き延びようとしています。例外は人間だけで、怠けたり遊んだりしようとする。

・死ぬときまでにどれだけ人格、品性を高めたか、そのことだけが人生の勲章であり、事業で成功する、学問で博士号をとる、組織で高い地位に就くなどということはあまり価値がないのです。また、そう思うと気が楽にもなります。

・科学的がどうかという枠組みを第一義にするのではなく、「どういう考え方が人間にとって、あるいは宇宙にとって必要か」という視点で考えるべきではないでしょうか。

・結局人間は、その人の意識と行動によって、よき方向にも悪しき方向にも進むのです。つまり、人間は生きていく以上、自由であるがゆえに悪をつくる可能性が十分あるのです。しかし、自分を抑えることによって、悪をつくらず、善をなすこともできるのです。

・人間は存在するだけでも価値があります。たとえ悪をなしたとしても価値はあるのです。

・人間に求められるものは、もっとも価値ある存在としての誇りと、それに伴う責任なのです。

・「人間が他の生命、他の動物と同じ存在」とする考え方が、結局は人間の価値を低からしめることになっているように感じます。もっとも価値ある存在だということをもっと強調して、その誇りに伴う責任を自覚するよう、私たちは自分自身に対する見方を変えていかなければいけません。

・人間性を磨くこと、すなわち魂を磨くこと、それが大事なことであり、魂を磨く、つまり人間性を高め、素晴らしい人格を身につけることこそが、人生の本当の目的なのです。それを抜きにして現世を生きる意味はありません。

なんかこう書いていくと泣けてくるな~・・・
学生は学校の勉強より先にこういった考え方を学んだ方がいいと思う。
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81冊目:「稲盛和夫の実学 経営と会計」

2012-08-15 20:12:05 | 
総評:★★★☆☆ 前回よりかはインパクトは少ない感じ
面白い度:★★☆☆☆ 面白いかというとそうではない
読みやすい度:★★☆☆☆ 前回と同じく会計の難しい知識がいる
ためになる度:★★★★☆ けっこうためになった
また読みたい度:★★☆☆☆ あまりいいかな


稲盛和夫さんの経営における会計の考え方についてまとめられている本。

前回の「アメーバ経営」の前に刊行されている本らしく、本来の読み進め方でいうと「実学」→「アメーバ経営」になると思う。

売り上げを最大に、経費を最小にという考え方をもちろんベースに書かれていた。
自分かこの本で一番ためになった内容としては、値決めは経営という考え方だった。
「お客様が納得し、喜んで買ってくれる最大限の値段。それよりも低かったらいくらでも注文は取れるが、それ以上高ければ注文が逃げるという、このギリギリの一点で注文を取るようにしなければならない」という内容だ。

自分は営業をやったことがないし、商品の値段のつけ方については考えたことがなかった。
でも確かにこの値決めはかなり重要で、この値段によって会社の売り上げが大きく変化すると思うし、
さらに、その値段のギリギリの一点を見つけなければならないということを今回で初めて学んだ。

そこでいうと、営業ってお客さんとのいろいろな交渉の中で、こういった値段の交渉というのはいつも行っているし、
そういった経営の第一線で働いている人って改めてすごいことなんだなぁと思うようになった。
値決めという普段の交渉で行われているようなことが、実は経営の一番の肝なんだということが分かった。


あともう一つ。
一対一の対応というのもためになった。
会社として色々とお金が動く中で、一つ一つのお金の動きは必ずその伝票がなくてはならないという考え方だ。

仲のいい企業との取引では、口頭などで約束が交わされていたり、必ずしも伝票とお金の動きが一致していないことがあると思う。(実際にやったことないので詳しくは分からないが・・・)

そこを稲盛さんは必ず一対一で伝票とお金を紐づけさせることで、会計上、嘘偽りなく、公明正大に会社を経営していた。
それは、自分にも周りにも、ありのままの姿を見せることで、会社が「ガラス張り」になり、本当に信用のある会社となるし、従業員のモラルも高くなるという効果もあるとのことだった。

でも本当に一対一の対応ができる会社があったら本当にすごいと思うし、そんな会社がほかにもあるのだろうかと疑問に思った。


その他、「土俵の真ん中で相撲をとる」や、「ダブルチェックの原則」など、細かくは書かないが、色々な稲盛フィロソフィを学ぶことができた。

そんなんで、アメーバ経営に続き、今回も色々ためになったなぁと思えた内容の本でした。


最後に、いつもの通り面白かった内容を抜粋する。

・企業の使命は、自由で創意に富んだ活動によって新たな価値を生み出し、人類社会の進歩発展に貢献することである。このような活動の成果として得られる利益を私は「額に汗して得る利益」と呼び、会社が追及するべき真の利益と考えている。

・もし、企業のトップとして本当に自分の思う通りに経営をしていこうとするのなら、足繁く現場へ出て、現場の雰囲気、現場のことを知らなければならない。そこからでなければ帝王学も生きてはこない。マクロだけでなくミクロも分かっていなければ、経営者は自由自在に会社を経営することはできないのである。

・うつろいやすく不確かなのも人の心なら、これほど強く頼りになるものはないというのも人の心である。

・誰もが何が正しく何が悪いのかを考えることなく、たんに自らの利益を追求し続けた結果、日本全体がきわめてモラルの希薄な社会になってしまい、社会全体が病んでしまっているのではないだろうか。


そんなんで会計については、自分は今までは簿記の世界だけしか学んでこなかったが、これからはもっと現実の会社の会計について知識を収集していきたいと感じました。
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