銀城歌劇団楽屋日記

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「サーカスの子」感想・前編

2024年05月25日 22時06分06秒 | 劇団楽屋日記

     (右下のあっちゃんトレカは図書館のバーコード隠しです)

株式会社King&Prince設立でれんかい同時社長就任には驚かされたと言いますか、お二人にはくれぐれも身体とメンタルを大事にしてと言いたい←どうしてもあっちゃんとダブらせてしまうと言いますか・・・🥺

どもども→寿ぶりの更新ですが、丁度一年前の5月第4土曜日は自身初の異空ツアー@パシ彦だったのですよね

たった一年前の事なのに私にはなんだかとても昔の出来事に思えてしまうと言いますか、先週の始めには魅世物小屋verのアッテヤンが次々とファンの子達の元に届いてweb上でも可愛い×2と盛り上がっている様子を眺めているとこっちまで嬉しくなります(本格的なステージ衣装コスプレ写真はこれからかな?)

魅世物小屋と言えば今回は以前から気になっていた本の感想なのですが、日本の、特に昭和のサーカスと言うと家族向けのエンタメながらどこかアングラなイメージがつきまとい、その退廃的なイメージはB-Tも含めダークさを売りにしたバンドとも親和性が高かったりするのだが一体それはどうしてなのか?

あとタイトルも昔大人が子供を叱る際に「悪い子はサーカスに売るぞ!」と言う常套句があったが、内容は都市伝説を実証する物なのか?

同書(稲泉 連著/講談社刊/税別1900円)は夫と離婚後、住み込みで今は亡きキグレサーカスの団員向け調理係として働いていた母親の元で育った著者がある事をきっかけにかつてサーカスで一緒に暮らした同世代の子供達や家族同様に可愛がってくれた元団員達に会いに行くと言うルポルタージュなのだが、この本の内容に触れて私は改めて昭和のサーカスにつきまとうほの昏さの正体に触れる事ができましたね(なおこれから記されるサーカスの日常については主に1970~80年頃のエピであり、現代の話ではない事をお断りしておきます)

まずタイトルの「サーカスの子」達とは・・・・彼らのほとんどはサーカスの出演者の子供で、サーカスは二ヶ月に一度引っ越すためその度に彼らは転校を余儀なくされるのだが、著者と同世代の子供達(稲泉氏はS54年生まれ)は芸人の親(彼らもまた親がサーカスの芸人を親に持つサーカス2世である)が自分達と同じ苦労をさせたくないと言う理由で彼らが小学校に入学するタイミングでサーカスを離れるケースが多く、必然的にエピは親世代(S30年生前後)の話中心になる

彼らは年間100回以上の転校を繰り返し出会いと別れが日常的だったものの、衣食住が保証され(プライバシーのないテント生活だが)学校から帰れば常に団員の誰かが気にかけてくれる暖かい共同体での生活を決して悪いとは思っていなかった🎭🥁🤡

しかし日本が高度成長期に突入し近代的な価値観が幅を利かせる様になると次の世代に自分達と同じ生活をさせていいものかと葛藤し、結局子供のために退団したもののサーカスの中だけで完結した社会しか知らない、特に男性芸人たちは職探しに苦労し結果離婚した挙げ句孤独死したり路上死したりと悲惨な末路を辿る人が多かったのが印象的でしたね

ちなみに「都市伝説」の真相は著者在籍時に古株の女性芸人(会話に出てくる円の貨幣価値から大正~昭和初期生まれと推測)が「わっしは妹と共にサーカスに売られたんよ」と語ってたエピが載ってたが、団員の過去には深入りしない暗黙の掟があったので本当かどうかは誰も知らないと記されてたのと、子供達は芸人達に憧れて日常的に一輪車や玉乗り、ジャグリングetc.に慣れ親しんでいたものの戦後施行された児童福祉法によって15歳未満の子供に芸を仕込み舞台に上げるのは禁止されていたので近代のサーカスにて子供達を大人同様に舞台でこき使う的な話はガセだったようです

続きます

 

 


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