農村ライフ 日々是好日

山形・庄内平野でお米を作る太ももの会広報部長の農村日記

荒倉山

2020-06-07 20:56:56 | 

荒倉山は鶴岡市の海岸寄り、高館山の南部に位置する標高307mの山です。


水沢の方から西進して適当に山に近づいて行きました。
田んぼ道の味のある小さな踏切。


麓の竹ノ浦集落にある荒倉神社の鳥居。


西田川郡竹野浦村鎮座と銘があります。


荒倉神社の歴史は古く、8世紀出羽の国が設置されてまもなく
信濃、上野、越前、越後からの移住開拓者が農耕の守護神として祀ったのが始まりとあります。

中世には荒倉大権現として栄え、武藤氏の時代に領内に三十三坊を数え、
西の羽黒と言われるほど隆盛を極めたそうです。

近世では馬頭観音を祀って農耕の神様として庄内一円の農民の信仰を集めました。
親父も若い時分は地区の若い衆と毎年秋に荒倉参りをして、
参拝後湯野浜や温海の温泉場に一泊しては懇親を深めた思い出があるそうです。


山頂近くにそんな由緒ある荒倉神社を抱える荒倉山へは、
当初竹ノ浦から登って日本海を眺めながら由良へ下りる計画でしたが、
由良から登山口へ置いた車まで戻る妙案がなく、
距離はあるけれど由良から往復することにしました。

登り口は看板がないので最初迷いましたが、
八乙女ホテルの真向かいから100mほど狭い車道を入ったところでした。
登り口に3台分くらいの駐車スペースがあります。


海岸に伸びる尾根に取り付きます。




地図を見ると、この道はもともとは山の東側の金山集落との連絡道だったようです。


樹間から青い海と次第に遠ざかる由良の集落が望めます。


ブナの緑が心地よい。


北側には荒倉山の南西斜面が見えます。




青い海の水平線には飛島が浮かんでいました。


ところどころにはアザミを含んだ背丈ある草が道を覆っていて
子どもたちは歩くのに難儀していました。




「もうーこんな道、帰りには歩きたくない!」








尾根の中腹まで来ると傾斜が緩やかになり歩きやすくなります。


由良と金山の峠まできました。
展望台まであと少し。


展望が開けました。
221mのピークです。
由良海岸の白山島がよく見えます。


ここまでおよそ1時間。
景色を眺めながらお弁当タイムです。


広い山頂は下草が刈られていていい感じ。
テントを張って泊っても面白そう。


ほどなく同じ由良から上がってきた登山者と合流。
かなり山旅慣れた方々で、地元の山情報をいろいろ教えてくれました。
温海岳、鎧ヶ岳、胎蔵山、経ヶ蔵などなど
これから行ってみたいところばかり。

買ったばかりというドローンを飛ばして見せてくれました。


東側すぐ真下に建つ山小屋ほっとハウス。
なかなか立派な建物でした。


中は4畳半ほどの広さ。


鞍部まで下ったら車道に出ました。
ここが鞍乗峠か。
峠は山口集落から香頭ヶ浜へ抜ける山道に位置しています。


広くてきもちのいい車道を進みます。
現在は山口から荒倉神社まで車で行けるようになっています。


地元の上郷小学校が毎年行っている植樹。




振り返ると2週間前登った熊野長峰と大谷集落、
さらに奥に聳えている湯ノ沢岳が望めました。


車道の上部を水平に進んで、
いよいよ神社の参道石段入口まできました。


狛犬ならぬ馬の像がお出迎え。
さすが馬頭観音を祀るお社です。




昭和9年に奉納された対馬集落(現三川町)の巨大絵馬。
どうやって運んだんだろう?
対馬と馬、大いに関係あるもんなあ。


立派な社殿。
割と近年に建て替えられた様子です。




分岐から荒倉山頂を目指します。
この道標がある車道最上部は社殿を建て替えるときの作業道として
整備されたとお見受けしました。


枝ぶりがユニークで思わず木登りしたくなる変形ブナ。
登り始めからこのような「あがりこ」が結構見られました。
昔、炭焼き用として伐られたブナの現在の姿です。


油戸や草井谷方面への分岐。
頂上はあとわずか。
それにしても荒倉山へは正面の竹ノ浦以外にも
いろいろな面白いルートからアプローチが可能なのですね。


山頂手前で北面の展望が望めるところがありました。
鳥海山と酒田の海岸が見えました。


荒倉山の頂307m到着です。




山頂はなだらかな広場になっています。
そういえば最初の社殿は山頂に建てられたと書いてありましたね。


下山の途中西日が当たる展望台から。

今回、歴史ある荒倉山に上り神社に参拝することができました。
竹ノ浦や山口など西目地区の山というイメージだったのですが、
海岸に近いだけあって由良や油戸からも登れる興味深い山でした。

庄内はまだまだ行ったことのない知らないところが多いよなあ。

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