かれこれもう何年前になるのでしょうか。
善寶寺の裏手の貝喰みの池(かいばみのいけ)にいる鯉の顔が、なんと人間にそっくり(!?)。
名づけて「人面魚」ということでマスコミに取り上げられ、人面魚みたさに人々が殺到したことがありました。
鶴岡市の名刹、
龍澤山善寶寺(りゅうたくさん ぜんぽうじ)は海の守護、龍神をまつるお寺として、広く漁業関係者の信仰を集めています。
龍神が棲むといわれているのが、貝喰みの池です。
当時、私も人面魚みたさに善寶寺に行ったことがありました。
混雑に紛れながら、懸命に池の中の鯉(とにかく数は多い)を見下ろしましたが、人面魚は特定できませんでした。
いつしかブームは去り、人面魚のことは人の噂にも上らなくなりました。
そして貝喰みの池に静寂が戻りました。
龍神様もさぞかしほっとしたことだったでしょう。
ブームとはそんなものですね。
賑わうのはほんの一時。
寂しいのはブームに乗って、いい夢を見ようとした人たちです。
当時、人面魚まんじゅうや人面魚グッズなどの土産物がたくさん売り出されていました。
写真の看板は、今でも大山寄りの県道端に建っているものです。
もうとっくの昔に役目を終えたのに、取り外してもらえなかった看板。
わびしく小屋の外壁に同化しています。