農村ライフ 日々是好日

山形・庄内平野でお米を作る太ももの会広報部長の農村日記

飯米缶

2014-02-24 22:51:41 | 暮らし

大きなブリキの円筒。
飯米缶(はんまいかん)です。

ひと昔いやふた昔前だったら、
お米を生産している農家には必ずあったと思います。

農家自身が食べるお米(飯米)を保存していた容器です。
商品名は「米麦貯蔵器」とあります。

不要になったものを知り合いから頂きました。
蓋をくり抜いて、くん炭を焼く缶として使うのです。

写真左手の大きい缶は10俵用、
右手の小さい缶は6俵用と書いてあります。

排気筒の付いた二重通気式構造なので
比較的新しい年代ものですね。

農家ではこれらの飯米缶を土蔵などに設置して、
玄米を入れて保存していました。

缶の上にお米の投入口があって蓋が付いています。
お米を出すときには、正面下方の丸い口から抜き出します。

新米のうちはいいのですが、土蔵に置いてあるとはいえ
梅雨から夏になる頃にはどこから入るのか、
穀ぞう虫が沸いてしまうものでした。

さらに私のこどもの頃は玄米ではなくて
精米した白米を入れて保存していました。

コイン精米機の普及した現在では考えられませんが、
当時は1年分の飯米を、秋のうちに全部精米してしまったのです。

当然季節が進むごとに品質が劣化して、味が落ちます。
夏になるとお米が変質して黒っぽくなるものでした。
そんな米を食べていた時代があったのです。

だから古米から新米に切り替わったときの感動が
現在の比ではなかったことはもっともなことですね。

今日はもらってきた飯米缶の蓋を
5つもハサミで開けたものですから、
手の指に豆が出来てしまいました。

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