
鳥海山SEA TO SUMMITの環境シンポジウムで、
角幡唯介さんの特別講演がありました。
会場は遊佐町の鳥海温泉湯楽里です。
角幡さんは極地探検家であり作家でもあります。
10数年前から毎年グリーンランドに通い、
犬橇を使って狩をしながら極地の旅を続けています。
その様子は都度書籍に著して出版されて
私たちを極地の世界へ誘ってくれます。

今回は今年1月から5月に行った旅の様子を語ってくれました。
すでに海峡を渡ってカナダのエアミズル島まで達しています。
角幡さんの私的地図は順調に拡大している様です。
いまやエスキモーでもやらなくなったという犬橇狩猟旅。
こういった旅のスタイルを続けているのは人類でも最後ではないかと。
犬橇旅で一番怖いのは犬の逃亡です。
そんな怖い体験が今年は二度もあったそうです。
角幡さん明日のアクティビティにも参加されるそうですよ。

久しぶりに松林を抜けて西浜に出てみました。
明日早朝のカヌーアクティビティの準備が進められていました。
ただ明日は予報が良くありません。
鳥海山には怪しい雲が掛かっています。

環境シンポジウムの基調講演、大野希一さんの
「日本海と大地がつくる水と命の循環
〜鳥海山はジオパーク」も興味深いものでした。
明日のアクティビティのコースを地形とその成り立ちから説明してくれました。
例えばブルーライン、小野曾集落の上もと料金所を過ぎてから急坂となるのは、
9〜10万年前の大平溶岩流の末端崖だから。
そのあとはしばらくなだらかな坂が続きますが、
駒止を過ぎてからまた坂が急になるのは、
大平溶岩流の給源に近づくから。
そして大平山荘が建っている平坦地は、
大平溶岩の噴出口の跡地なのでした。
そして大平の登山口付近から鉾立経由御浜の先
七五三掛辺りまでは鳥ノ海溶岩流の領域です。
鉾立から賽の河原辺りまでは、その溶岩堤防の上を歩きます。
鳥海湖は鳥ノ海溶岩流を貫いてできた火砕丘の
中にできた火口湖だそうです。
カルデラ湖なのかと思っていました。
御浜からしばらくは西鳥海馬蹄形カルデラの縁を移動します。
一方七五三掛上部から千蛇谷コースに下りてからは、
東鳥海馬蹄形カルデラの中を通ることになります。
現在の最高地点溶岩ドームの新山は、
誕生して224歳になるそうですよ。
まだまだ若いですねー