久しぶりに刃物を研いだ。
一応、まだ切れるという理由で、長いことだましだまし刃物を使ってきた訳です。
以前、人前で「木工において、切れる刃物を使うのは大事」
「切れない刃物を使うことは、危険だけでなく、木工の魅力も半減してしまう」
などと偉そうなことをいったことを思い出し、反省しているところです。
専用の研ぎ場はありませんが、仕事場の表に流し台があるので、ここで研いでいます。
長らく研いでいないと、研ぐ刃物も多くなる。
写真の刃物を研ぐのに1時間半かかってしまった。
十分乾燥させた後、椿油をコーティング。
一仕事終えた安堵感と同時に、早く使ってみたいという衝動がわいてくる。
写真右奥に見えるのが反りがんな(台の下が反っている)
スツールの脚(緩い曲線となっている)
バンドソーで墨線より1mm 外側をカットしたのが写真手前。
奥の3本は反りがんなをかけたもの。
研ぎたてなので切れ味はすごく良く、かんなをかけるのが楽しい。
かんながけ終了
数が多くて結構大変でしたが、よく切れるのでそれほど疲れなかった。
切れ味の悪いかんななら、2倍以上の労力を要したと思う。
↑こちらの杉は、写真ではわかりにくいですが、すごく色艶の良いものです。
油分を多く含んでおり、触った感じはしっとりしながらモチっとしており、
透明感があり、とても高貴な雰囲気を出しています。
屋久島の植林では、屋久杉の種子を採取して苗を作って(すべてではありませんが)いますので、
地杉の中には、育った環境にもよると思いますが、屋久杉の特徴が色濃く出ているものがあります。
特にかんなをかけると、その肌感は際立ちます。
見た目の色艶だけでなく、触った感じは格別で、とても杉とは思えない。
この感じ、言葉では説明できないのがもどかしい。
このような特別な杉はあまり多くは見られませんが、
機会があれば是非皆さんにも五感で感じて欲しいと思ってしまいます。
切れる刃物は、木材の魅力をより引き出すことができると、改めて実感しました。
福島木工家具店
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