壮さんが、キャリエールですってわかった時に、
正直、
え、シャンドンじゃなくって?
って思いましたよ。
同期で父子って、本当にオイシイのかな?
って思いましたよ。
しかし…
キャリエールが登場しただけで、度肝を抜かれました。
これは……すごくいいキャリエールだ!
と、瞬間で判ったのは、何故なんだろう。
私の好みの芝居っていうのがありますが、
間違いなく、それをやってくる、というのが佇まいに表れていたのでしょう。
表情に表れていたのでしょう。
もしかしたら、壮さんのファンの方たちの中には、
淋しさを感じてしまう方もおられるのかもしれない…
と思わないではない。
そのくらい、抑えの芝居を徹底している。
でもね、抑えても、
黙って立っている中で、表現できる力を、持っている訳なんですよ。
それに気付いておられない感じがするスターさんをお見掛けすることも、しばしばあるのですけど…
と…まぁ、
壮さんの公演を全て観ているんじゃないくせに、
偉そうに言うことでもありませんが、
壮さんが、じっと立っているその芝居の中で、
しかし、神経を張り巡らせ、自分のすべきことを冷静に判断しているキャリ氏を表現されているのが、めちゃめちゃツボで、
よくぞ、この域に!と、大変わくわくしたのです。
そう、抑えてるってのは、何もしてないってことではない。
そこに、その表現の難しさ、加減の難しさがあるんだと思う。
年齢を微かに漂わせた肩のライン。
大人……!
お稽古映像を観て、
エリックとキャリ氏に血の繋がり感じる、と書きましたが、
舞台では、確かに父子でした。
ビジュアル的にも、説得力がありますが、そういうことだけではなく。
物語のはじめから、明かされていることではないし、
エリック自身は、そう知らされている訳でもない。
よその親子関係を見たことはないだろうし…それこそ、本の中の世界と、
微かな母の温もりの記憶だけでしょう。
しかし、キャリ氏は、父だからこその愛情で、エリックを護り続けるのであり、
エリックも、見捨てられないことを感じていて、
我が儘な発言もする。
その、我が儘に当たったりする感じも、
じっと受け止め、心配顔をする感じも、
さりげなく…そう、ごくごくさりげなく、父と子なのです。
でも、エリックは、父なのかと尋ねていいものか、わからないでいる。
キャリ氏も、名乗る資格はないんじゃないかと思っている。
互いに抱えている想い、相手に対する思いやり、
気のおけない距離…
これが、クリ…ヌ嬢に仮面の下を見せた後…
あの銀橋の場面に向かって集約していくのです。
ここに至るまでに、ひとつひとつ種を蒔かれ、芽を出していたもの達が、
銀橋の台詞の掛け合い一言、一言で、ぐんっぐんっと頭を伸ばし、
一気に花を咲かせ、劇場じゅうを包みこんだかのようでした。
今まで、こらえていた、
駆け寄り、抱きしめたい気持ちが、
一言、一言ずつに、その鍵を解き放たれていく…
その二人の高鳴る気持ちに、引き込まれて行く…
歌が終わった時には、
私は思わず、夢中で拍手していました。
それは、私だけではありません。
劇場じゅうが、揺れるような拍手が……みんなが、憑かれたみたいに拍手をしていたのです。
この拍手は、拍手間だから、とか、
蘭ちゃんと壮さんのファンだから、とか、
そういう理屈を遥かに超えた、拍手だったのです。
ご紹介した嵐のイベントで、
拍手について、取り上げたコーナーがあったのですが、
そのお話を聴きながら、この場面の拍手を思い出した私の気持ち、
判ってくださる方もいらっしゃるかと。
拍手は、どんどん大きくなり…
場面は、ちょっとした中断に。
銀橋のお二人が、遮るかのように、芝居を再開したため、
慌てて拍手を止めるという空気でしたが、
(おかげで、はじめの台詞は聞こえませんでした)
あのまま、自然に任せたら、一体どのくらい続いたんだろう。
お芝居に感動して、震え泣き状態だったのに、
この拍手で、更に感動して、訳がわからない状態になる、私(笑)。
この辺りから、
涙をがんがん流す訳じゃないんだけど、
じわじわと湧いているらしく、
よく(前が)見えないっ!と、乱暴に拭っては、
オペラグラスにかじりつきながら、
一気にラストまで駆け抜けた…
というイメージでありました。
ああ…可愛らしく?はらはらと落ちる涙を抑えるつもりのタオルで、
ぐいぐいと涙を押しのけ押しのけすることになろうとは!
どうも、贔屓の芝居には、浸るよりも、
貪るように観てしまう習慣が…(苦笑)
同期だから…ってことは、すっかり忘れて観ていました。
あの芝居は、さすが同期ね、で、片付けられるものではないと思う。
仲良し同期で育ったことは、勿論役に立っているでしょうけれど、
その上に積み上げたものは、実にシビアに作りこんだものであり…
だからこそ、劇場の隅々までを魅了出来たのです。
お披露目初日の想い出の、大切な宝石の一つです。
一際大きく輝く、宝石。
感動を有難う!
正直、
え、シャンドンじゃなくって?
って思いましたよ。
同期で父子って、本当にオイシイのかな?
って思いましたよ。
しかし…
キャリエールが登場しただけで、度肝を抜かれました。
これは……すごくいいキャリエールだ!
と、瞬間で判ったのは、何故なんだろう。
私の好みの芝居っていうのがありますが、
間違いなく、それをやってくる、というのが佇まいに表れていたのでしょう。
表情に表れていたのでしょう。
もしかしたら、壮さんのファンの方たちの中には、
淋しさを感じてしまう方もおられるのかもしれない…
と思わないではない。
そのくらい、抑えの芝居を徹底している。
でもね、抑えても、
黙って立っている中で、表現できる力を、持っている訳なんですよ。
それに気付いておられない感じがするスターさんをお見掛けすることも、しばしばあるのですけど…
と…まぁ、
壮さんの公演を全て観ているんじゃないくせに、
偉そうに言うことでもありませんが、
壮さんが、じっと立っているその芝居の中で、
しかし、神経を張り巡らせ、自分のすべきことを冷静に判断しているキャリ氏を表現されているのが、めちゃめちゃツボで、
よくぞ、この域に!と、大変わくわくしたのです。
そう、抑えてるってのは、何もしてないってことではない。
そこに、その表現の難しさ、加減の難しさがあるんだと思う。
年齢を微かに漂わせた肩のライン。
大人……!
お稽古映像を観て、
エリックとキャリ氏に血の繋がり感じる、と書きましたが、
舞台では、確かに父子でした。
ビジュアル的にも、説得力がありますが、そういうことだけではなく。
物語のはじめから、明かされていることではないし、
エリック自身は、そう知らされている訳でもない。
よその親子関係を見たことはないだろうし…それこそ、本の中の世界と、
微かな母の温もりの記憶だけでしょう。
しかし、キャリ氏は、父だからこその愛情で、エリックを護り続けるのであり、
エリックも、見捨てられないことを感じていて、
我が儘な発言もする。
その、我が儘に当たったりする感じも、
じっと受け止め、心配顔をする感じも、
さりげなく…そう、ごくごくさりげなく、父と子なのです。
でも、エリックは、父なのかと尋ねていいものか、わからないでいる。
キャリ氏も、名乗る資格はないんじゃないかと思っている。
互いに抱えている想い、相手に対する思いやり、
気のおけない距離…
これが、クリ…ヌ嬢に仮面の下を見せた後…
あの銀橋の場面に向かって集約していくのです。
ここに至るまでに、ひとつひとつ種を蒔かれ、芽を出していたもの達が、
銀橋の台詞の掛け合い一言、一言で、ぐんっぐんっと頭を伸ばし、
一気に花を咲かせ、劇場じゅうを包みこんだかのようでした。
今まで、こらえていた、
駆け寄り、抱きしめたい気持ちが、
一言、一言ずつに、その鍵を解き放たれていく…
その二人の高鳴る気持ちに、引き込まれて行く…
歌が終わった時には、
私は思わず、夢中で拍手していました。
それは、私だけではありません。
劇場じゅうが、揺れるような拍手が……みんなが、憑かれたみたいに拍手をしていたのです。
この拍手は、拍手間だから、とか、
蘭ちゃんと壮さんのファンだから、とか、
そういう理屈を遥かに超えた、拍手だったのです。
ご紹介した嵐のイベントで、
拍手について、取り上げたコーナーがあったのですが、
そのお話を聴きながら、この場面の拍手を思い出した私の気持ち、
判ってくださる方もいらっしゃるかと。
拍手は、どんどん大きくなり…
場面は、ちょっとした中断に。
銀橋のお二人が、遮るかのように、芝居を再開したため、
慌てて拍手を止めるという空気でしたが、
(おかげで、はじめの台詞は聞こえませんでした)
あのまま、自然に任せたら、一体どのくらい続いたんだろう。
お芝居に感動して、震え泣き状態だったのに、
この拍手で、更に感動して、訳がわからない状態になる、私(笑)。
この辺りから、
涙をがんがん流す訳じゃないんだけど、
じわじわと湧いているらしく、
よく(前が)見えないっ!と、乱暴に拭っては、
オペラグラスにかじりつきながら、
一気にラストまで駆け抜けた…
というイメージでありました。
ああ…可愛らしく?はらはらと落ちる涙を抑えるつもりのタオルで、
ぐいぐいと涙を押しのけ押しのけすることになろうとは!
どうも、贔屓の芝居には、浸るよりも、
貪るように観てしまう習慣が…(苦笑)
同期だから…ってことは、すっかり忘れて観ていました。
あの芝居は、さすが同期ね、で、片付けられるものではないと思う。
仲良し同期で育ったことは、勿論役に立っているでしょうけれど、
その上に積み上げたものは、実にシビアに作りこんだものであり…
だからこそ、劇場の隅々までを魅了出来たのです。
お披露目初日の想い出の、大切な宝石の一つです。
一際大きく輝く、宝石。
感動を有難う!