AKILA's えgo

気まぐれに、ドラムや音楽の気になった事上げとります。

メロパワ王者の帰還。

2022-09-26 23:00:18 | ノンジャンル

前作『ETERNAL』から7年。
リリース以降も順調にツアー/ライヴをしている傍らで、メンバー各人でソロ活動も行っているのは情報として知っていた。

が、それにしても待たされた感が強かった。

先行MVで、表題曲である「SURVIVE」が配信されたが、コレを聴いた瞬間、「これはまた新たな領域にバンドが踏み込んだか?」と思うと同時に、「新たな名曲の誕生」も感じた。

元々、STRATOVARIUSと言えば、ティモ・トルキのバンドという認識が強かったし、事実、初期は正しくそう見えてもおかしくないほどに、トルキのソングライティングは冴えわたっていた。

尤も、
ソレにしたってバンドのメンバーの関わり方も影響していたし、現実として、トルキが脱退してからも、このバンドの「らしさ」は維持されてきた。
この点に関しては、後任であるマティアス・クピアイネンがバンドを理解している優れたギタリスト/コンポーザーであったのと同時に、バンド最古参であるティモ・コティペルトと、イェンス・ヨハンソンの存在が重要だったと言える。

『POLARIS』以降、トルキ不在に於けるわだかまりを少しずつ解消させていきながら、現行STRATOVARIUSがかつてと変わらない事を立証させてきた様に感じる。

現編成に於ける傑作とされる『NEMESIS』がリリースされた段階で、このバンドがネクストレヴェルへ到達した(=トルキ不在による不満の声がなくなった)事を証明されたと思うが、今回のアルバムは、これまでとは明らかに違う。

BURRN!でのコティペルトのインタヴューや、今回のアルバムでのイェンスによるコメントで、何故ここまでアルバムリリースに時間がかかったのかという理由も納得がいった。

確かに、このバンドはこれまで、2年くらいのペースでアルバムをリリースしてきた。
それだけ多作であるという、ソングライティングの充実ぶりの顕われだと思えるのだが、一部メンバーはそのサイクルに疑問を抱き始めたというワケだ。

「このペースで、本当に自分達にとって良い曲を作れていると言えるのだろうか?」と。

ビジネスとして携わるミュージシャンと、純粋にアートしての感性を信頼したいプレイヤーとしての間に揺れる葛藤、と言えるだろう。
イェンスのコメントで、その辺りの感情の揺れ動きが判る。

その段階で、コティペルトも新たに曲作りの工程に対して提案をしている。

古参メンバーの2人による動きが、今回のアルバムの充実度に反映されていると捉えると、興味深いものがある。
まァ、勿論他メンバーの貢献ぶりが、今回のアルバムに大きく反映されているのも間違いない。

全11曲は、今のSTRATOVARIUSの強靭さを物語る。
「SURVIVE」、「BROKEN」は新生バンドとしての攻撃的な面を強調した新境地の一つであったりもすれば、「DEMAND」や「GLORY DAYS」の様な、かつてのバンドが得意としていた手法による楽曲も入っている。

7年もの歳月が経てば、それなりに新鮮に聴こえるというのもあるワケだが、アルバムに貫かれている一本線が、揺るぎない程に強靭なのだ。
他にも幾つかの曲を作っていたという事だが、この曲数に落ち着いた理由は、理解できる。

『NEMESIS』以降、バンドのドラムはロルフ・ピルヴが務めているが、彼の参加も、STRATOVARIUSが進化していく上で重要な存在となった。
今回のアルバムを聴けば、彼のドラマーとしての力量が如何なく発揮されている事が判ると思う。

また、
伝統的という点では、ベースのラウリ・ポラーの存在も大きい。
彼も曲提供する事があるのだが、その曲が大体にして、往年のバンドらしいスタイルを持つものが多い。
STRATOVARIUSに加入してから約15年ほど経過しているが、もう立派なメンバーと言える。

SINERGYやWARMENと言ったバンドでも腕を振るってきたベーシストが、このバンドでここまでの貢献をしているのは、知っている側としても嬉しい限り。

この5人が結束している限りは、今のSTRAROVARIUSに翳りというのは見えないだろう。
それくらい、『SURVIVE』は充実している。
今後のライヴも、また盛り上がるようになってくるだろう。



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