AKILA's えgo

気まぐれに、ドラムや音楽の気になった事上げとります。

自己を刺激

2022-09-07 20:39:20 | ノンジャンル

少し前に、MACHINE HEADのアルバムを買って漸く聴く気になったってのを書いていた。

で、
発売日から少し経ったが、こっちもやっと見つけて聴くに至ったワケである。

まァ、もう言わずと知れたってやつですよ。

前作『DYSTOPIA』から、かれこれ6年が経過。
ムステインの癌が発覚し、治療に臨んでいた期間を除けば、新型コロナによる活動制限、そしてデイヴィッド・エレフソンの解雇劇~後任採用に時間を割かれた印象がある。

前者はともかく、後者はアルバムのレコーディングが完了直後に起こった件だからね。
そこからアルバム発表までに一年以上は確実にかかっている。
エレフソンの行為から発生した所為であるのは事実であるが、そもそも解雇する必要あったのか?とも思ってしまうんよね、個人的には。

色々と言いてェところだが、ここは「くだらねェ出来事」とまとめさせてもらおう。

因みに、現在はMEGADETHが再始動時(アルバムでは『UNITED ABOMINATIONS』、『ENDGAME』)に参加していたジェイムズ・ロメンゾが戻ってきているが、本作のレコーディングに関しては、スティーヴ・ディジョルジオがベースを弾いている。
この辺りの人脈も、流石スラッシュメタルの御大だなと思わせてしまう。

結論を言ってしまうと、
起爆点はMACHINE HEADではなく、MEGADETHだな、と(苦笑)。

こりゃもう仕方が無いよ。
MACHINE HEADを知る前から、オレはMEGADETHを耳にしてファンになったし、ましてや薄れた興味を刺激するほどに楽曲は充実しているんだから。

今年になってから、MEGADETH側もMVを発表していたのは知っている。
好奇心に負けて(笑)、その一つである「SOLDIER ON!」を視聴したが、この段階では「まァ悪くはない、かな」程度の印象だった。
正直今でもそうだが、この系列の曲で言えば、前作収録の「LYING IN STATE」の方がより重々しくて好感触な雰囲気を放っていた(個人的に、『DYSTOPIA』の中でもトップ3に入る曲)。

興味を駆り立てる点では、やはりアルバムの流れが重要。
タイトル曲である『THE SICK,THE DYING...AND THE DEAD!』は、MEGADETH健在と、その威厳を再び携えた事で新旧ファンから圧倒的支持を受けた「DYSTOPIA」の雰囲気を引っ張ってきた曲であり、前作を気に入ったリスナーであれば、呼び込む/引き込むには丁度良い曲だと思った。

だが、続く「LIFE IN HELL」からはもう完全に今回のアルバムのカラーというのを放ってくる。

個人的な見解としては、前作が『RUST IN PEACE』の雰囲気を醸しているとすれば、今作は『KILLING IS MY BUSINESS...AND BUSINESS IS GOOD!』の雰囲気を醸していると思える。

もっと言えば、初期3枚のアルバムにあってもおかしくない様なアイディアを、現在のバンドの解釈でまとめ上げた様な感覚を受ける。
ファストで尖り狂った印象を持ってはいるが、ミュージシャンとして成熟した分行き届いた整合感・・・といったところか。

1stである『KILLING~』は、『DYSTOPIA』の後に実はファイナルリミックス版として再発されている。
本来はこんなだったのか、と往年のファンであっても驚きを隠せないほど楽曲の凄まじさを実感できる点では、オリジナル版と比較する上でも聴いてみる価値のある一枚だ。

今回の『THE SICK~』は、『KILLING~』を再発した事で、当人達も少なからず刺激を受けたのではないかと思う。
今回、『OF KINGDOM AND CROWN』を発表したMACHINE HEADと同じように。

コレはファンとしちゃ嬉しいところだが、今回のアルバムは、『DYSTOPIA』ほど各曲が❝コンパクトなキャッチーさ❞となっていない。
ある時に一気に切り替わる展開を含め、一曲の中で情報量が中々に多い。

耳のしやすさは当然ながら持っているが、即座に把握できる程度のものでもない。
だが、それでも今回良しと受け取れるのは、曲の持つ緊張感とドラマ性が合致しているからこそだろう。

ムステインが首を手術する前の最盛期の一つであったアルバム『ENDGAME』以降、どうにも統一感というか、緊迫感に欠ける雰囲気があった。
非難の矛先を向ける様で申し訳ないが、そこは当時関わっていたメンバーによるところがあったんじゃないかと思う。

コレも個人的見解に過ぎないが、今回のアルバムは『TH1RT3EN』と『SUPERCOLLIDER』での緩慢さの穴埋めをした仕上がりにも思えてしまう。
2枚のアルバムとも、良い曲はあるんだが、『ENDGAME』と『DYSTOPIA』というアルバムに挟まれては、印象の薄さは否めない。
寧ろ失敗作などと言われてしまっている『RISK』の方が、ある意味強烈な印象を与えていた様にも思えるよ(笑)。

嬉しいね。
MEGADETHファンとしてもそうだが、HR/HMとしてこーいう雰囲気を携えた楽曲が出てきた事が。
このバンドは最初の頃から、ギターを軸にした緊迫感と聴感的とっつきやすさに加え、曲ごとに一種のドラマ性を展開させる手法が武器だった(だから、『PEACE SELLS...BUT WHO’S BUYING?』まではヴォーカル無しでも通用する楽曲などと言われたりもしていた)。

このバンドはギターの持つ表現の可能性をスラッシュメタルとして顕現させたという点が重要であり、そのスリリングな雰囲気が、奇しくも唯一無二の存在たらしめる事になった。

いや、1980年序盤~中期までの、第一線級スラッシュメタルバンドは、それぞれの個性を発揮していたな。

それでも、オレの中ではMEGADETHがずば抜けて好印象だった。
テクニカルと言われればそうなのだが、ギター(時折ベース)に於ける表現が、素人耳にしても面白さを掻き立てられたし、曲展開の持ち運び方もテメェの音楽的好奇心をくすぐった。

現在進行形で、ソレがまだ耳に出来るワケである。
しかも「よし、もう一回聴こう」とさせてくれるアルバムを発表してくれている。

最早ライヴに関してはアレだが(苦笑)、少なくともアルバム単位の楽曲で未だに刺激をしてくれるものを生み出してくれるのだから、やはり偉大なりMEGADETH。



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