flight2005

航空機関連の情報をアップしています。今日もナイスなフライトをお願いします。

[新千歳トラブル]問題は、Expect Immediately take off.

2008-02-19 | 事故・事件・トラブル
<コメント>
2008年2月16日午前、新千歳空港で管制官とパイロットとの交信トラブルで、ボイスレコーダーにより新たな事実が公表されました。キーワードは『Expect』と『Immediately』。

辞書で調べると・・・
『Expect』・・・起こることを十分に計算に入れて予測する(離陸の事)
『Immediately』・・・すぐ(に), さっそく, ただちに

すなわち、この全文を聞いて理解すると『離陸に備えてただちに準備しなさい』の様な訳になる。しかし、万一何らかの事情で『Expect』がパイロットの耳に入っていなかったらどうだろう。

『ただちに離陸しなさい』となってしまう。

ボイスレコーダーには確かに『Expect』が残っていたようだが、コクピットの3人すべてが聞き逃すとは・・・何があったのだろうか?
それと、前ブログにも記しましたが、こんな悪天候で視界が悪い中、わざわざ間違えやすいような『Expect Immediately take off.』を使用したのだろうか?
『hold』『stop』『stand by』など、停止の意味をなぜ強調しなかったのだろうか?
管制官は、もし『Expect』をコクピットが聞き取れなかったらどうなるだろう?など一切考えていないのだろうか?

管制官の適性について前年ブログで取り上げ、ご意見頂きましたが、これこそ管制官としての機転、適性ではないだろうか。場面ばめんで使う言葉を選んでぜひ使用して頂きたい。マニュアル通り指示している!と答えが返ってきそうだがあえて言わせて頂きたい。

話は飛行機と離れますが・・・
店員「いらっしゃいませ、ご注文は?」
お客「ハンバーガーを200個ほどお願いします。」
店員「ここでお召し上がりですか?」

マニュアルは基本、あとは人間の感性ではないだろうか。


<関連ブログ>
航空管制官トラブルについて考える2006-01-27



<新千歳トラブル>機長「Expect」聞き逃す? 2月19日0時59分配信 毎日新聞

 新千歳空港で日本航空(JAL)502便(乗員乗客446人)が管制の許可なく離陸滑走を開始したトラブルで、国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会が回収した同機のボイスレコーダーに、管制からの「Expect Immediately Take Off(間もなく離陸できる見込み)」との指示が記録されていたことが分かった。機長が指示のうち「Expect(~の見込み)」の部分を聞き落とした上、副操縦士が指示内容の復唱を怠ったことがトラブルにつながったとみられる。
 ボイスレコーダーには、冒頭の「Expect」がはっきりと残っており、502便の機長はその部分を聞き逃し、「Immediately Take Off(すぐに離陸せよ)」だけを聞き取り、「Roger(了解)」と返答して離陸滑走を始めたらしい。
 JALは05年1月に新千歳空港で起きた同様のトラブルを受け、着陸と離陸の際の滑走路進入時は、管制からの指示を副操縦士が復唱し、それを聞いた機長が指示に疑問を感じた場合、副操縦士が管制に指示内容を確認する内容のマニュアルの見直しを行っている。
 JAL広報室は、「機長らのやりとりなど当時のコックピット内の状況は、今後詳しく事故調が調べると思うので協力していきたい」と話している。【久野華代】

[自衛隊ヘリ]民間グランドへ緊急着陸(福岡)

2008-02-19 | 事故・事件・トラブル
<コメント>
2008年2月19日午前10時前、福岡空港内航空自衛隊春日基地から訓練のため飛び立った大型ヘリコプター『CHー47J』輸送機が、エンジンのミッション部分異常により、志摩町の芥屋(けや)公民館のグラウンドに緊急着陸した。なぜ異常な警報音が鳴ったか原因は現在発表されていない(13:00現在)。

昨年3月には、陸自101飛行隊(那覇市)所属の同型機が鹿児島県・徳之島の山中に墜落し、乗員4人が死亡する事故が起きているだけに、原因究明と安全対策を徹底していただきたい。



<航空自衛隊>輸送用ヘリが公民館グラウンドに着陸 福岡 2月19日12時43分配信 毎日新聞

 19日午前9時53分ごろ、福岡県志摩町の芥屋(けや)公民館のグラウンドに、航空自衛隊春日基地(同県春日市)の「春日ヘリコプター空輸隊」に所属する輸送用ヘリコプターCHー47J(乗組員4人)が着陸した。訓練飛行中に計器の警報が鳴ったため、点検のため降りたという。乗組員や周辺住民にけが人はなかった。
 同基地によると、ヘリは午前9時に福岡市の福岡空港内にある春日基地飛行場地区を離陸し、佐賀県唐津市や福岡県宗像市の大島、同県芦屋町などの上空を訓練飛行し、午前11時ごろに帰隊する予定だった。離陸後、数十キロ飛んだところでエンジンのミッションと呼ばれる機器の警報が鳴り、着陸した。飛行前の点検では異常はなかったという。
 基地から向かった整備員らが点検し、問題がなければ飛び立つが、必要なら現地で修理する。乗員はパイロット2人、整備員1人、ロードマスターと呼ばれる隊員1人。
 CHー47Jは輸送用のヘリで、物資のほか最大約50人を運べる大型双発機。86年から配備が始まり、全国に16機ある。春日基地では西日本地区のレーダー基地との間で物資や人員を輸送する任務に就いている。
 現場のグラウンドは志摩町の中心部から西に約5キロ離れた田園地帯にあり、以前は小学校(廃校)のグラウンドとして使われていた。公民館の上野功主幹(52)は「バリバリという大きな音と地響きがして砂が舞った。外に出るとヘリが降りていた。日の丸を付けた人が出てきたので自衛隊機と分かった。機長と名乗る人が『迷惑を掛けます』と言ってきた」と驚いた様子で話した。
【川上敏文、竹田定倫】

[ANA整備]無資格でエンジンを整備

2008-02-19 | 事故・事件・トラブル
<コメント>
今度はANAの無資格整備が発覚。昨年9月~10月に整備した機材はフレーターと呼ばれるB767貨物機。11名の無資格者が整備を行っていた。
この整備士は、B767型機の整備資格を持っていたが、貨物機の資格が発令されていなかった(資格試験には合格している)。

どうやら、資格試験に合格した後の資格発令がなされていなかったようだが、問題は整備を行った未発令者が、「資格を持っているエンジンと同じだから大丈夫だろう」と、監督者に資格なしを報告しなかった事、また監督者も「当然資格がある」と思いこんだのか、確認をしていなかった事。

どうしてこう、自分に都合良い考えで動いてしまうのだろう。『楽だから』そうなるのだろうが飛行の安全を支える重要な整備、チェックする事はする、申告する事はするを徹底して頂きたい。



全日空 また無資格整備 国交省が改善指導 2月19日8時3分配信 産経新聞

 全日空の整備士が資格のない航空機の機種を整備し、監督者も気づかずに整備確認を出していたとして国土交通省が同社を行政指導していたことが18日、分かった。同社は昨年、整備士11人が資格のない機種の整備確認をしていたとして国交省から厳重注意を受けており、資格管理のあり方が改めて問われそうだ。
 同社では機種ごとに整備資格が必要だが国交省などによると、この整備士は昨年9、10月に資格のないボーイング767フレーター(貨物専用機)のエンジンなどを整備していた。作業の確認主任者はこの整備士がフレーター機の資格を有していないことを見逃し、同機の整備終了を証明する整備確認を出していた。同社の安全総点検で発覚、昨年12月25日に国交省に報告した。
 整備士はボーイング767の整備資格を有し、フレーター機の整備試験にも合格していたが資格は発令されていなかった。
 整備士はフレーター機の整備資格がないことを認識していたが、ボーイング767とエンジンが同じで、普段の整備と変わらなかったため確認主任者に申し出なかったらしい。
 無資格者が行った整備に確認を出すことは航空法に抵触する恐れがあり国交省では同社を改善指導した。
 全日空では「試験には合格しており技術上の問題はなかったと考えるが、社内手続きに不備があったことは重く受け止めており再発防止を徹底したい」と話している。

[新千歳トラブル続報]無線担当の副操縦士候補生が復唱怠る?

2008-02-19 | 事故・事件・トラブル
<コメント>
2008年2月16日午前、新千歳空港で管制官とパイロットの間のミスが原因で離陸滑走を中止したJAL502便についての続報です。

機内コクピット内には、左側のキャプテン席に58歳の教官資格を有する機長が座り、右側のコ・パイ(副操縦士)席には、27歳の副操縦士訓練中の無線担当者が座っていました。また訓練補佐のため、副操縦士資格を持つパイロットがコクピット後部に座り、コクピット内には計3人が乗務していた。

3人乗務して、なぜこのようなトラブルが起きてしまったのでしょうか?

もう一度、離陸滑走までの更新内容を復習
・管制官:「ただちに離陸できるよう準備せよ」
・副操縦士:「了解」

ここで、日航の運航規程を少なくても二つ違反している。
・復唱の義務違反
・パイロット間での確認違反

今回のトラブルは、管制とコクピット内の自分勝手な思いこみ、勘違いで発生した人的ミスの代表だと思います。防げたチャンスは・・・
・副操縦士が「了解」だけ告げ復唱しなかった時、同乗2名のパイロットが復唱するよう注意。
・「了解」と受けた管制官が、何を了解なのか確認。
・本当に離陸許可だったのか、コクピット内での再確認の徹底。

情報によると防氷液の効果を気にする(薬剤の効果が薄れ主翼の飛行援助装置が動かない)キャプテンは『Hurry-Up Syndrome』(早く行動したい)に陥っていた可能性もあり、復唱義務違反を見落としたのか・・・?

もちろん今回のトラブル主原因は、副操縦士候補生の勘違いと復唱を怠った事だが、訓練中であればなおさらその間違いを指摘し訂正する事は出来たはず。
天候、時間、氷結・・・いろんなプレッシャーの中ではあるが、その中にあって適正な判断、決まりの遵守を徹底していれば、今回のようなトラブルは起こらなかったのではと思うと残念でならない。

改善策として、復唱の徹底、コクピット内の確認徹底は今までの決まり。それ以上の改善策を出し、再発防止に向け、絵に描いた餅でない施策を打ち出し履行して頂きたい。もちろんこれはJALだけの問題ではない。


<関連ブログ>
[新千歳トラブル]重大インシデントとは認識していない!?
[JAL機]管制指示を復唱せず、無許可離陸開始!
[JAL機]管制官の指示なく離陸開始、あわや大惨事に!



日航機無断滑走、訓練中の乗員が管制指示への復唱怠る 2月19日3時7分配信 読売新聞

 北海道・新千歳空港で日本航空502便が無許可で離陸滑走したトラブルで、同便は当時、副操縦士訓練中の乗員(27)が無線交信を担当、社内の運航規程に反して、管制指示に対する復唱を怠っていたことが国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べでわかった。
 操縦していたのは教官の資格を持つベテラン機長(58)で、訓練の補佐をする副操縦士資格を持つ乗員の計3人がいたが、誰もミスや違反に気づかなかった。国交省では安全のための手順が軽視されていたとして、日航に対し厳重注意した。
 民間機では、操縦を担当していない乗員が管制交信を担当することになっており、同便では当時、管制交信の担当は、飛行時間が計約340時間の副操縦士候補生で、新千歳-羽田間の飛行訓練中だった。
 日航の運航規程では、管制指示に対しては、聞き間違い防止のため、必ず復唱することになっている。管制官から「離陸を許可する」と指示を受けた場合、乗員も「離陸許可、了解」と復唱することになる。
 ところが、502便の副操縦士候補生は、管制官が16日午前10時30分ごろ、「ただちに離陸できるよう準備せよ。着陸機が滑走路を走行中」と無線で伝えただけだったにもかかわらず、離陸許可が出たと判断。さらに、同規程に反して復唱を怠り、離陸することを伝えず「了解」とだけ返答し、同33分、機長もそのまま離陸滑走を始めた。
 同省では、「通常、『了解』とだけ返答して離陸することはあり得ない」とし、乗員が手順を守っていれば、管制官が誤りに気づき、離陸開始を制止できた事例と判断。日航に対し、〈1〉重要な無線交信については復唱する〈2〉乗員間での相互確認を行う--の2点について徹底を指示した。
 管制官と乗員との交信を巡っては、大阪・伊丹空港などで、管制指示を誤解して航空機が滑走路に誤進入するなどのトラブルが続発。国交省は昨年10月、国内の全航空会社に対し、離着陸時など重要な指示内容については復唱交信を徹底するよう命じていた。