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[スペースシャトル]ディスカバリー無事帰還

2006-07-18 | 業界ニュース
<コメント>
 今回で115回目の飛行となったスペースシャトル・ディスカバリーが任務を終え無事帰還しました。課題の一つだった機体損傷への対策についても、損傷個所が修復可能なら宇宙空間での修理で対応する体制を築くことが出来たようだ。シャトルの飛行は昨夏以来約1年ぶり、03年2月の「コロンビア」空中分解事故(乗員7人全員死亡)以降では2度目となります。
 スペースシャトルはいったい何キロぐらいで着陸しているのでしょうか?データを簡単にご紹介致します。

 水平に飛行していた機体を約40度上向きにして、大気圏へ突入します。再突入は、おおよそハワイ上空付近となり、この時の高度は約120キロ、速度は時速27,360キロ(マッハ22.3)です。(※マッハ1=約1,225キロ)
 着陸25分前では高度80.5キロを時速約26,576キロ(マッハ21.7)です。
 着陸20分前では高度70キロを時速約24,200キロ(マッハ19.7)で通過。
 着陸12分前では高度55キロを時速13,317キロ(マッハ10.9)で通過。
 着陸5分30秒前を高度25キロを時速2,735キロ(マッハ2.2)で通過。仰角は40度から10度に。
 着陸86秒前にはマイクロ波による着陸誘導を開始し、高度4,074メートルを時速約682キロに減速。
 着陸32秒前には機首引き起こしを開始し、高度526メートル、時速576キロ(311ノット)に減速。
 着陸17秒前に機首引き起こしが終了し、高度は41メートル時速496キロ(268ノット)に減速。
 着陸14秒前に車輪を出し、高度は27メートルで時速430キロ(232ノット)に減速。
 そのままフレアーを行い時速は346キロ(187ノット)で接地着陸。

 着陸時のスピードは新幹線よりはるかに速い346キロですが、フラップを持たないスペースシャトルでここまで減速し着陸出来るとはさすが英知の結集と思います。ちなみに大型旅客機の着陸速度は260キロ~280キロ(140ノット~150ノット)ですから、マッハ22.3からいかに減速したかお解りと思います。次回の打ち上げも安全に帰還できますようNASAの本領を見せて頂きたいと思います。

(読売新聞) - 7月17日23時49分更新
 【ワシントン=増満浩志】米スペースシャトル「ディスカバリー」が17日午前9時14分(日本時間午後10時14分)、ケネディ宇宙センター(フロリダ州)に着陸した。
 米航空宇宙局(NASA)は、13日間にわたる飛行中に実施した様々な点検や試験により、2003年のコロンビア事故を受けて施された安全対策の成果を十分に確認したとしており、今後、シャトル運航による国際宇宙ステーション(ISS)建設が本格的に再開されることになる。
 打ち上げ再開後2回目の飛行となったディスカバリーの役割は、地球を周回する軌道上で建設が進むISSへの物資補給や装置交換で、7人の乗組員は一連の作業を順調に行った。