大家さん達が可愛くて好き。
ゴムが緩いジャージを愛用しています。
なので、お尻が半分いつも出ています。
「お尻が出てますよ〜」
「あ?」
「ケツ出てる!」
「あ、ホントだ。」
耳が遠いのです。
そして、口が悪い。
でも優しいのです、本当に。
お母ちゃんはサッコたん。
いつも口の周りに何かつけています。
クルミだったり、みかんの白いナニカだったり。
でも可愛い。
「親方さん、毎日大事に食べてたんだけっともね…」
「へ?何の話し?」
「ん?」
「なんのはなし?!」
「うなぎパイ。大事に食べてたんだけっともさ、なくなっちゃった。」
「また買ってくるね。」
「また買って来てくれんの?」
「うん。いつになるか分からないけど。」
「ん?」
「いつになるかわからないけど買ってくるよ!」
「わぁ」
やっぱり耳が遠い。
僕の声が低いからかな。
初雪の日にサッコたんがニコニコしながら雪を見上げてた。
お父ちゃんが上着をかけてあげて、二人で雪空を見上げてて、それがなんか嬉しくて見ていたことがあります。
ちょっと泣きそうになったぐらいに素敵な二人だった。
雪が好きなんだね。
だが。
先日からの雪で、お父ちゃんは雪かきをしてくれます。
「雪コノヤロー!」
と言いながら。
サッコたんは、
「雪、嫌だ…」
と小さな声で言う。
好きじゃなかったんかーい。
店の前まで毎朝雪かきをしてくれます。
広い駐車場も全部。
そんな大家さんっているかなぁ。
ありがとう。
今日は二人でハンバーガーを食べに来てくれましたよ。
お父ちゃんはカレーを2杯食べました。
すごい食べるのね。
カウンターに移動して、
「本当に最高のお店だ。」
って言ってた。
「素敵だね。」
って言ってた。
いつまでもニコニコと話してた。

食べてた席にサッコたんが帽子を忘れそうだったから店長がそれを持って、
「サッコたん、忘れないでね?帽子、ここに置きます。」
とビリヤード台に置いた。
「いい帽子だよね。フワフワでかわいい帽子。」
と言うと、
「買ってもらったの。この人に。」
と言う。
「俺が三越で買ってやったんだ!高かったんだ。」
「そうだったの、いい帽子なはずだ。よかったねぇサッコたん。」
「いいモノは見れば分かるだろう?」
とご満悦。
冗談でも「変な帽子」とか言わなくてよかった。
変な帽子なんて思ってないけどさ。
愛されてんね。
愛してるし、愛されてる。
うなぎパイ、いつ買ってこれるか分からないけれど必ず買ってくるよ。
そう強く思った。
そして、さっき家に帰ってきたら、
「お隣さんからお土産頂いたよ?」
「ほう?なんじゃらほい。」
「うなぎパーイ。」
「……。」
「どうしたの?」
「これ、大家さんにあげてもいいかい?」
「いいよ?」
よく分からないけれど、神様っているなと思った。
そして、うまく言えないけれど人に親切にしようと思った。
これ、サッコたんにあげよう。
頂いたものだけど。
