昨夜、遅くまで長男の禅と一緒にいた。
スタジオの練習が終わって、外に出ると星が綺麗で、空気もいつもより澄んでいた。
五橋のスタジオの前には公園があって、そこを歩き抜けるといつも停めている安い駐車場がある。
禅が、
「いやぁ・・・。」
と言っている。
「どうした?」
と聞くと、耳が柔らかくなった気がすると訴えている。
音が大きくて、聞こえがおかしいのだろう。
「音でかかった?」
「うん。」
「あれでも、多分小さい方だと思う。」
「へぇ、なんで。」
「バンド始めた頃はね、とにかく大きくしてしまうんだよね。だから、下手かどうかが分からないんだよね。」
「皆の音がちゃんと聞こえるように小さくするのか。」
「そうだね。でもドラムに合わせないとね。ドラムにはボリュームがないから。」
「そうなのか。」
「そうなのだ。それでも大きくなってしまうね、ドラムは音が大きいから。」
「いやぁ・・・。」
「今度はどうした。」
「かっこよかったなぁ。あぁなりてぇって思った。」
それは良かった。
僕は幼稚園に入る前に、なにかの機会にハウンドドッグを見て、夢はハウンドドッグになることだったなぁ。
そういう写真がある。
ソファをステージにして歌っている写真。
僕は君のことを分かっているようで分かっていないなぁ。
大工になるのは、父さんのことを思ってのことかもしれないね。
ロックスターになりたいって夢も聞いたことがある。
それは父さんも同じ。
君が生まれて、仕事に没頭して、今に至る。
趣味でやれればいいや、と諦めていたように思う。
それじゃダメだな。
そんな悩みを息子に笑いながら話した。
「父さん、ロックスターになればいいよ。」
「なれるかなぁ?」
「なれるよ。なんだって出来るじゃん父さんは。ヨーヨーも勉強も水泳も。」
「負けたくないからね。努力をするよね。」
彼にも悩みがあると打ち明けられた。
「俺ね、ブランコこげないんだよね。」
「ブランコ?」
「うん。今、座ってるこのブランコ。」
「悩んでんの?」
「バカにされちゃってさ。ブランコダメダメ人間って。」
「そうか。みんな出来んの?」
「出来ない子もいるよ。結構多いよ。」
「それは知らなかった。ごめんね、言えばいいのに。」
「うん。」
「よし!教えてやろう!」
元々、運動神経は悪くない。
数分でこぎ方を覚えた彼は、
「冬休み早く終わればいいのに!!!」
と騒ぎながらこいでました。
「なんで~?!」
と叫ぶと、
「出来ない子たちに教えてやるんだ!!」
と泣いてました。
当たり前だと思っていても、当たり前じゃない。
誰もが皆、満たされないモヤモヤを抱えて生きている。
それぞれに悩みがあって、それぞれに戦ったり逃げたりしている。
諦めないこと。
上手な人に、教えてと聞くこと。
教えてあげたくなるような、可愛がられるような人になること。
上達のカゲには、そんなことがあるのかもしれないね。
父さん、今まで気付かなくてごめんね。
もう、大丈夫だよ。
スタジオの練習が終わって、外に出ると星が綺麗で、空気もいつもより澄んでいた。
五橋のスタジオの前には公園があって、そこを歩き抜けるといつも停めている安い駐車場がある。
禅が、
「いやぁ・・・。」
と言っている。
「どうした?」
と聞くと、耳が柔らかくなった気がすると訴えている。
音が大きくて、聞こえがおかしいのだろう。
「音でかかった?」
「うん。」
「あれでも、多分小さい方だと思う。」
「へぇ、なんで。」
「バンド始めた頃はね、とにかく大きくしてしまうんだよね。だから、下手かどうかが分からないんだよね。」
「皆の音がちゃんと聞こえるように小さくするのか。」
「そうだね。でもドラムに合わせないとね。ドラムにはボリュームがないから。」
「そうなのか。」
「そうなのだ。それでも大きくなってしまうね、ドラムは音が大きいから。」
「いやぁ・・・。」
「今度はどうした。」
「かっこよかったなぁ。あぁなりてぇって思った。」
それは良かった。
僕は幼稚園に入る前に、なにかの機会にハウンドドッグを見て、夢はハウンドドッグになることだったなぁ。
そういう写真がある。
ソファをステージにして歌っている写真。
僕は君のことを分かっているようで分かっていないなぁ。
大工になるのは、父さんのことを思ってのことかもしれないね。
ロックスターになりたいって夢も聞いたことがある。
それは父さんも同じ。
君が生まれて、仕事に没頭して、今に至る。
趣味でやれればいいや、と諦めていたように思う。
それじゃダメだな。
そんな悩みを息子に笑いながら話した。
「父さん、ロックスターになればいいよ。」
「なれるかなぁ?」
「なれるよ。なんだって出来るじゃん父さんは。ヨーヨーも勉強も水泳も。」
「負けたくないからね。努力をするよね。」
彼にも悩みがあると打ち明けられた。
「俺ね、ブランコこげないんだよね。」
「ブランコ?」
「うん。今、座ってるこのブランコ。」
「悩んでんの?」
「バカにされちゃってさ。ブランコダメダメ人間って。」
「そうか。みんな出来んの?」
「出来ない子もいるよ。結構多いよ。」
「それは知らなかった。ごめんね、言えばいいのに。」
「うん。」
「よし!教えてやろう!」
元々、運動神経は悪くない。
数分でこぎ方を覚えた彼は、
「冬休み早く終わればいいのに!!!」
と騒ぎながらこいでました。
「なんで~?!」
と叫ぶと、
「出来ない子たちに教えてやるんだ!!」
と泣いてました。
当たり前だと思っていても、当たり前じゃない。
誰もが皆、満たされないモヤモヤを抱えて生きている。
それぞれに悩みがあって、それぞれに戦ったり逃げたりしている。
諦めないこと。
上手な人に、教えてと聞くこと。
教えてあげたくなるような、可愛がられるような人になること。
上達のカゲには、そんなことがあるのかもしれないね。
父さん、今まで気付かなくてごめんね。
もう、大丈夫だよ。