「テルマエ・ロマエ」の大ヒットで知られるヤマザキマリ著「スティーブ・ジョブズ 第1巻」を購入して一読。
本書はウォルター・アイザックソンが書いた伝記「スティーブ・ジョブズ」を漫画化したもので、現在、少女漫画雑誌「Kiss」に連載中。
熱狂的なファンというよりも、信者が多く存在するジョブズ。その伝記を漫画化する…ともなれば、厳しい目に晒されるし、本当に難しい仕事だと思うのだが、本書はそのような重圧をはねのける素晴らしい出来映え。
著者も後書きで書いていたが、アイザックソンの伝記だけでは漫画に落とすことは不可能で、著者の想像で補わざるを得ない部分も多かった様だが、コアなファンでも、本書の描写に違和感を覚えることはほとんどないだろう。コマ割り、絵を意識的にシンプルに描いているのもグッド。
しかし、絵のタッチ、展開、表情の描き方…、ヤマザキさん以外、誰がスティーブの伝記をここまで見事に漫画化できるだろうか。伝記「スティーブ・ジョブズ」を漫画化するにあたって、ヤマザキさんに白羽の矢を当てたKissの編集部グッド・ジョブ!
第1巻で描かれているのはアップル創業以前、インド放浪の旅まで。長期連載になると思うが、これから新しい楽しみが出来たな…という感じ。熱狂的なジョブズ信者から、アイザックソンの伝記は厚すぎて…という方まで、お薦めできる1冊。
個人的には高評価、英語版も出してほしいですね。これからもよろしくお願いします。