電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

返還10周年

2007-06-29 19:28:17 | Weblog
今年は香港が中国に返還されて10周年。あっという間の10年でしたが、日本の新聞も現在の香港の状況などが記事で取り上げられています。
その中で、「あなたは何人ですか?」という質問に対して、「中国人である。」と答えた人が「香港人です。」という答えを上回ったそうです。香港返還前、イギリスの統治下であった香港は、“さまよえる中国人”といったほうがいいくらい、中華圏の中でも異質な存在であったと思います。その立場が、返還が近づくにつれて混乱を呼び、富裕層は海外へ移住しました。そして返還前後から経済が落ち込み、一時はSARS問題で揺れて、失業率が8%に達した時期もありましたが、現在は経済も順調であり、われわれが知っている香港ではない、いかがわしさと汚さがなくなってしまった香港がそこにあります。
私が初めて香港に行ったのは1985年でしたが、その時、すごく印象に残っているのは地下鉄でした。レスリー・チャンの『君が好きだから』では、まだできたばかりの地下鉄を効果的に使っていますが、地下鉄の発券機がおつりをくれないことに驚いたのでした。日本はお金を入れて行き先の金額を押しますが、香港は行き先のボタンをまず押して、表示されている金額を入れるという、逆の発想の発券機だったために、ちょうどのお金がなくて、余分に入れたまんま行ってしまったという思い出があります。また、切符が何度でも使用できるようなカードだったというのも、すごく驚いた思い出があります。また、イップ・トン主演の『トップレディ』では、中環駅周辺にあるビルの1Fにあるファッションストリートを歩くヒロインの姿を見ながら、「あ、ここ歩いた。」なんて思いながらみたりしておりました。
昔の映画を見直すとすごく懐かしく思える香港ですが、10周年を迎えて今後どうゆう姿になっていくのか、映画界も昔に比べて弱体化している今、この先の動向に目が離せません。
そういえば、フェリーの中環駅が遠くになったと、この前香港に行った時に、もにかるさんと嘆いておりました。