電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

ファースト・ミッションその1

2006-08-06 23:59:09 | Weblog
ジャッキー・チェン作品は、日本では東宝東和と東映が配給をしていました。これは、ブルース・リー作品をこの2社が配給したことからの関係があります。そんななか、1本だけ配給が違う作品がありました。その題名は『ファースト・ミッション』。この作品は松竹富士=松竹配給の作品として、1985年9月に松竹邦画系で全国公開されましたが、ファンのなかではこの作品を謎めいた作品と言っている人もいます。なぜ、この作品が誕生したのか、そしてなぜ松竹が配給したのか。
この作品は、私が松竹富士に入って関わった最初の香港映画でした。そして、この作品が製作されて公開されるまで、ずっと関わった作品でもありました。この目で見たこと、そして今だ謎の部分もありますが、この作品について書いていきたいと思います。
それは1984年の6月のことでした。松竹富士の宣伝部でいちばん下っ端の私は、会社内の雑務もよく頼まれていました。そんなある日のことです。当時の常務取締役だった磯谷さんから、呼び止められました。「悪いけど、これを2部コピーしてくれないかな。」1枚の紙を受け取ると、私はコピーをしていました。その時、そのコピーに書かれていたものが目に飛び込んできたのです。「題名:ファースト・ミッション 主演:ジャッキー・チェン  金額●億円」え~、おもわずびっくりしました。だってジャッキー・チェンの作品は東和か東映だろ~。なぜうちでやるのか?その日から、この作品のことが頭のなかにこびりついていろんなことを考えることとなったのでした。