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古楽の小路

30余年住んだ杜の都から東京へ。両親の介護も終了、気が付けば高齢者に。介護される身になるまで音楽生活を楽しみたいものです

ブルーカーペット

2010-05-28 18:06:26 | 映画
青い花が好きなので園芸店で新しい青い花をみるとつい
欲しくなる。この間は大好きな青紫のヤグルマギクが売って
いたので一つだけ買った。別名ブルーカーペットというらしい。
まっすぐには伸びず横に這うように茎がのびて行くようだ。
すぐ横に勿忘草、ミントがあるので植える場所を間違えたみたい。

先日まで玄関先で4-5本咲いていたブルーベルもすっかり終わって
しまった。この花が森の中に群生しているところを青年が歩く
シーンのある映画を思いだした。「ハワーズエンド」。
同じ原作者、監督のイギリス映画3部作、「眺めのいい部屋」
「モーリス」そして[ハワーズ・エンド」はそれぞれいい。
「ハワーズエンド」は20世紀初頭のイギリスの階級社会
を知ったり、美しいカントリーサイドの風情、そして題名
にもなっている、家、ファッションなどいろいろな楽しみ方が
できる。出演者も豪華メンバーで(ヴァネッサ・レッドグレーブも
すこし出る)じっくり何度も観たくなる映画。「モーリス」は
もういいけど(笑)

「ハワーズ・エンド」のお二人、エマトンプソンとアンソニー
ホプキンスの出た「日の名残り」はやはり同じ監督なので似た
雰囲気がある。こちらは最近廉価のDVDが出たので、飛びついた。
「ハワーズエンド」DVDも欲しい人は沢山いるはず。廉価盤を
期待。
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「カラヴァッジョ」 観た

2010-05-19 08:07:08 | 映画
先週、本当に久しぶりに映画館に行った。ひと頃はレディス・ディを
狙ってよく映画を観にいったものだったが、いつでも1000円の年齢
になってからとんと行かなくなった。やはり映画館で観るのはいい、と
あらためて思ったけれど、音が大き過ぎて耳が疲れた。どうしてここまで
の大音響がいるのだろうか。

カラヴァッジョの面白さを世にいち早く知らしめたのは故若桑みどりさんの
功績大だが、最近はカラヴァッジョと言えば宮下規久朗氏という感じ。
2001年、東京での展覧会に付随して行われた講演を聴いた。
美術史家のイメージから遠い、一見ちょっと危ない?感じの方だったが
内容はとても面白いものだった。今回もやはり監修者となられていた。

この映画では絵が描かれた経緯やモデルが誰であったかを丁寧に
たどっている。パンフレットには登場した絵すべてについて解説が
ありよいガイドになる。宗教画にモデル(それも庶民)を使うことに
大御所の先生からの批判があったようだが、カラヴァッジョのリアルな
描写にはモデルが欠かせなかったのだろう。

カラヴァッジョの映画は以前にも作られたようだが、今回のは
分かりやすいし、カラヴァッジョの人となりは勿論、当時の都市
様子や風俗をみられるという満足感はあったが、音楽に関しては
古楽の演奏は(リュートと歌)あるものの、あまり重きをおいて
無いようだった。エンディングテーマのヴォカリーズは映画内容と
あわない陳腐な感じがして、はやく席を立ちたくなった。

一口にバロック芸術といっても音楽は抽象的なので時代の変化を
いち早く反映するのはやはり目から入る直接的な美術の方だ。
当時の人にとって非常に刺激的だったこのような絵は、その後の
様々な時代の様々な絵を観ることのできる我々にとっても刺激的で
あり続ける。余韻を楽しみたくて宮下氏の「カラヴァッジョ巡礼」
という写真中心の本を買った。「その光と闇の生涯をたどる旅」と
いう副題が付いている。映画は「天才画家の光と影」やはり「影」
より「闇」かと思う。DVDが出たら今度は静かにじっくり観るつもり。
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字幕の値段

2010-05-03 15:58:52 | 映画
実家の両親は耳が遠いので実家でテレビを見るときはもっぱら
「字幕あり」の番組でないと見られなくなってしまった。最近早口や
活舌の悪い人が多くて、私でも分かりにくい場合も多い。
もうすぐ米寿の母はクラシックが好きなのだが、この頃は難聴が進み
補聴器をつけてもあまり聴こえず、もう音楽は聴けないと落ち込んでいる。

ずっと前にNHKでBBCのシェイクスピア劇の放送があり、ブームに
なったことがあった。その頃はバブルの頃で大久保のグローヴ座で
本場イギリスからシェイクピア劇団を次から次へ呼んだりしていた。

いつだったか、2006年のシェイクスピア没後390年を記念して
作られた、全作品37巻の日本語字幕付きDVDが発売され
カタログが届いた。かつてNHKで放送されたものと同じだ。
問題はその値段。桁が違う!面白そうだとは思ったけど、そのまま
忘れていた。ところが音楽を聴く楽しみがなくなり、おまけに介護
疲れの母から先日、BBCのシェイクピア劇のDVDは出てないかと
聞かれ、この高価な全集を思いだした。

日本語字幕(小田島雄志訳)付きで全37巻で44万あまりなのだが、
半分ずつの購入もできて18万X2に値引するという。同じものがアマゾン・
UKから直接買えば英語字幕付き全巻で£70≒ 10080円まで
下がっている。(もっとも送料がいるが)こちらは信じられないほど安い。
どうなっているの?
私なら訳書片手に英語字幕で見ようと思うが、母には無理だ。
それにしても法外な値段。一つ1万円のDVDなんて信じられない・・。
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乞食オペラ

2010-02-16 13:59:25 | 映画
ぺープッシュのトリオソナタの楽譜を買ったとき、この作曲家を
調べるうちに作曲にかかわったという『乞食オペラ』に興味が湧いて
来た。その後ガーデイナーが音楽監督のDVDがあることを知り、
HMVセールの時、買ってあった。9月19日ブログでぺプシュと
書いたがペープシュとのばして表記するようだ。

DVDは日本語字幕なしで、英語字幕にしても難しくそのままに
してあった。ところが幸い翻訳戯曲本が出ていることがわかり、
図書館で借りたところなかなかいい翻訳の上、注釈、あとがきも
充実しておりこれは買ってもいい本だと思う。
安くはないけど、つまらないCD買うことを思えば・・。

再度DVDを鑑賞。パソコンでDVDを見ることにし、手前に翻訳本を
置いて読みながら画面をみたら、疲れたけれど、翻訳は字幕に忠実かつ
適訳で感動してしまった。歌に耳を傾ける余裕も出てきた。作曲家は
パーセル、ヘンデル、ボノンチーニ、サンドニなどのようだが、
サンドニという作曲家は全く知らない。曲をもっと知りたくて調べたら、
ネット上に楽譜が公開されていた。ただピアノ伴奏版で1920年
ロンドンで公演された時のもの。古楽器演奏は1983年まで待たねばならな
かったのだろうか?

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「母べえ」の音楽

2010-02-01 11:05:09 | 映画
昨日はテレビで日本映画「母べえ」を見てみた。テレビ朝日を
よくつけているのでここ数日予告編を沢山見せられて観てみようと
いう気になったのは、吉永小百合の娘役の2人が可愛らしかった
からだ。

私は戦後生まれなので実感するような戦争体験はないけれど
両親から聞いた話や、本、テレビのドキュメンタリーなどで
この時代の空気が少しはわかる。作者の野上照代という方は
向田邦子とほぼ同年代のせいか、時代背景に似た要素があった。

映画自体は最後を除き、楽しめたのだが、やはり例によって
気になるのは音楽。
バッハのオルガン小曲集BWV639『われ、汝に呼ばわる、主イエス・
キリストよ』 の拍子が大幅に変えられ、それに乗って絶叫調の
俗っぽいソプラノの声が重要な場面や最後で流れ、なんともやりきれない
思いになった。
小品だが、この上なく敬虔な美しい曲。この曲が好きならこんなことは
できないはずと思うのだが・・。

映画の最後の姉妹が大人になった場面は必要だったのだろうか?
いつまでも美しい吉永小百合の老けメイクにはびっくりしたあまり
どうやってあの老けた首筋をつくるのだろうかと目を凝らしたせいか
一瞬ドラマの外に行ってしまった。大人姉妹を演じた女優達が
子役達と違和感ありすぎてついていけなかったし、ちょっと最後は
説明的でありすぎた気がする。
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上海の伯爵夫人

2009-11-10 17:24:44 | 映画
ジェームズ・アイヴォリー監督の映画は比較的観ている方だ。
この映画はコンビのプロジューサー・イスマール・マーチャントとの
最後の映画になってしまった。脚本がカズオ・イシグロなのは
「日の名残り」を思い出させる。真田広之が重要な役ででているのも
話題になった。

1936年の上海を舞台に盲目のアメリカの元外交官がバーで、
ある女性に会う。その女性ソフィアは元伯爵夫人でロシア革命で逃れて
きた一家を養うため意に反して夜の街でホステスとして働いている。
ソフィアはロシア貴族一家の長男嫁の立場で長男は既に亡くなり、娘が
一人カティアがいるが一家の実権は姑が握っている。嫁の稼ぎで生活が
成り立っているのに、姑や小姑らはソフィアにつらく当たり、娘の教育に
悪い、とまでいう。

一方元外交官ジャクソンは事故で家族と視力も失っている。今迄の生活と
決別すべく長い間あたためていた夢のバー「The White Countess」を
作り、ソフィアにそのマダムになってほしいと頼む。

計画は進み、バーが出来る。束の間順調だったが、やがて日本軍が
侵攻してきてロシア人貴族一家は香港へ逃げる手配をするが、一家は
ソフィアには上海に残るようにいう。やがて脱出の時が来、母子が
切り離されるかと思いきや、、、。

謎の日本人を演ずる真田広之はなかなか堂々たるもの。外国映画
によく見られるような日本人の描き方とは違ってよかった。

伯爵夫人を演じたナターシャ・リチャードソンは「ひと月の夏」では
牧師夫人をチャーミングに演じていたが、今年初めスキー事故で亡くなって
しまい、とても残念。母親の名女優ヴァネッサ・レッドグレーヴもさぞ
意気消沈のことと思う。

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?情愛と友情

2009-09-17 08:58:51 | 映画
「ブライヅヘッドふたたび」は今まで何回か読もうか
と思ったことがあるのだが、かなり厚い文庫本なので
迷っていた。小野寺健氏訳の「回想のブライズヘッド」
も出版された。こちらは上下巻。
ここ数年馴染んだ古典を新しい訳で、という傾向になって
きたのは原書で読めない読者にとって、せめて訳者選択は
できるのでいいいことだ。
ウオーは短編しか読んでいないのだが、皮肉っぽいところが
いかにもイギリス的。

先日カズオ・イシグロが脚本を書いたという、映画
「上海の伯爵夫人」のDVDを借りにレンタルショップ
に行ったら、それはなく「情愛と友情」が目にとまった。
よく見たら「Brideshead revisited」のDVDだった。
映画になっているとは知らなかった。でもなんとへんな
題名だろうか。これではジェーン・オースティン風。

厳格なカトリックの母親を演じたエマ・トンプソンの
の佇まい、演技力に圧倒された。この母親のいわば
犠牲者となった子供たち、夫の哀れさ、それをつぶさに
みる主人公にやがて生れていく、大いなる野望もよく描けて
いた。

ブライズヘッドの豪奢な貴族の館、ロンドンのフラット、
オックスフォードのカレッジ、ベネチア、モロッコなどの
背景やファッションも楽しめ、時代設定もわかりやすかった。
長大作のダイジェスト版としてはかなりの出来と感じた。
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映画「コーラス」

2009-08-08 07:56:40 | 映画
フランス映画「コーラス」はボーイ・ソプラノの少年で
大分話題になった映画。昨日午後NHK・BSで放送があった。

今や功なり名を遂げた指揮者が若き日の自分の進路を
決定づけてくれた音楽教師を回想するという筋立てに
なっている。なんだか同じような始まりの映画があった
と思ったら、「ニュー・シネマパラダイス」だった。
おまけに俳優も同じジャック・ぺラン。昔はひ弱な感じの
青年だったが最近は渋い味わいが出てきている。年を
とるのいいものだ。

何らかの問題のある生徒達を収容する全寮制の学校が舞台。
ここに舎監として、音楽家の夢は果たせなかった音楽教師が
赴任する。厳しい体罰を課する校長に反発し、合唱を通じて
荒れた子供たちの心をほぐしていく・・。

教師は最初、面喰う生徒を前に、発声練習から始め、徐々に
自ら作曲した曲や、ラモーの賛美歌「夜」を歌わせる。
この曲はラモーのオペラ「イポリテとアリシー」から
とられたようだが、どの場面の曲かはわからずじまい。

ここで実際にソロを歌っている少年が実在のサンマルク
少年少女合唱団員でおまけに「美少年」なのでまたさらに
話題を呼んだらしい。
映画は2004年制作だからもう声変わりしたことだろう。
何よりこの音楽教師を演じた俳優(ジェラール・ジュニョ)、
脇役陣が素晴らしいのでより深い感動がある。
私はこの美少年君よりもなんとも味のあるおじさん俳優の方に
興味がわいた。監督もしているという「バニョールおじさん」の
ヴィデオを借りてみたくなった。
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昨日のドラマの収穫

2009-07-22 17:30:58 | 映画
昨日のルイ14世のドラマは歴史上の権力者シリーズ
の一つだった。そういえばヘンリー8世を比較的最近
観たことを思い出した。女優が進行役をし、無くてもよい
解説を作家?が少しするというパターンで気がついた。

普段、吹き替えものに慣れてないせいかフランス人俳優が
日本語をしゃべるということにまず抵抗があり過ぎたが、
日本語字幕でも見ることができたのかはわからない。

ともかく田舎町だったベルサイユに壮大な贅をつくした
宮殿を建てるという途方もない計画が実行されたのだから
やはり絶対主義君主制というのは怖ろしい。建設には多くの
犠牲を伴ったという当たり前のことを改めて認識。

作曲家の登場はリュリだけで寂しかったが、ルイ14世の
侍従のボンタンが出てきて嬉しい驚き。
というのはクープランの11組曲にはボンタン夫人を
冠した題名の曲が2曲あるのだ。松前紀男氏の労作
「クープラン」によると「1693年に王の侍従となった
ルイ=ニコラ ボンタン夫人を描いている」とある。
クープランが宮廷クラヴサン奏者として正規の資格を
得るのは1717年なのでルイ14世亡きあとだが、
宮廷のコンサートでボンタン夫妻を知っていたのだろう。

楽譜はフゾー版。かなり多くの箇所がアルト記号に
なっている。他の版に比べ「譜めくり」がなくてすむと
いう点はいいのだが、やはり判読に苦労しそうだ。
慣れなくては。
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ランジェ公爵夫人

2009-05-26 21:03:41 | 映画
朝、マレのヴィオール組曲を聴きながら、あらためて平尾さん
の演奏に感動してしまった。マレというとどうしてもあの映画
「めぐり逢う朝」の場面がちらつく・・

昨年、映画「ランジェ公爵夫人」が公開されたが、岩波のPR誌
「図書」8月号にこの映画を観たある翻訳家が文章を寄せておられた。
私の興味を惹いたのは映画の主題歌が「虚栄の市」にもでてくる
『タホ川の流れ』であるとの指摘だった。
フランスの流行歌のようだが、どんな曲か知りたくなりすぐ検索したら、
なんと楽譜まで出てきた。本当に恐るべき時代だ。
曲は単純なものだったが、かのベルリオーズもこの曲を元に作曲していた。
この曲が映画でどう使われているのかとずっと気になっていたのだが
最近ようやくDVDを借り、観ることができた。

面白くて最後まで息をつけなかった。音楽の使われ方も憎いし、
バルザック原作だけあって人間の愛憎模様が完膚なきまで描かれている。
時代は1818年、舞台はパリ社交界。フランス革命後30年、
貴族階級がまた復権し豪奢な生活を享受している。そんな中での
公爵夫人と独身の将軍とのいわば不倫なのだが最初は遊び心から
始まった2人の関係がやがて屈折した愛にかわり、地獄をみ、
公爵夫人は世を捨て修道女に。二人の再会から映画は始まり、
回顧場面へ、そして数年後の「奪還」へとなんともドラマチック。

主演の二人も上手いし、特にドパルデユー2世は「めぐり逢う朝」で
マレの青年時代を演じた頃に比べると年もとったとはいえ、圧倒的な
存在感でモンリヴオー将軍を演じている。
もうこの俳優をみられないとは本当に残念だ・・・
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映画「ガス燈」

2009-03-13 19:06:33 | 映画
BSで午後映画があった。昼間から映画、と思ったが、
なんだか疲れ気味で何もする気が起きず、名画らしいが
見たことはなかったのでちょっとみてみようと思ってみたら
面白くて最後まで釘付けでみてしまった。

舞台はロンドン。シャーロックホームズの時代のような
霧の立ち込めるなかガス燈がほんのり辺りを照らす。
でも題名のガス燈は家の中の照明に使われる方のガス燈で、
これがこの映画の重要なカギになっている。

有名な歌手であった叔母を殺された姪のポーラ(イングリット
・バーグマン)に近づき結婚するなぞの男(シャルル・ボワイエ)
には目的があった・・・
最初は幸せいっぱいに見えたポーラが夫の手により異常な
人間に仕立てあげられて行くのは心理サスペンスとしても
上出来だ。歌手のファンで、今は刑事という(ジョセフ・コットン)
がうまくからみ事件を解決する。女中2人に近所の物見高い婦人
など、芝居を見ているみたいだと思ったら、この映画は芝居
のリメイクだそうだ。1944年アメリカ映画。白黒。
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私の最古映画パンフレット

2009-01-20 09:56:00 | 映画
「インスブルックよ、さようなら」はよく知られているドイツ・
ルネサンス時代のイザークの曲。今朝の「バロックの森」では
ウィーン少年合唱団による演奏を聴いた。
今日のお話によれば当時の皇帝マキシミリアン1世によりこの
ウイーン少年合唱団が創設されたとか。知らなかった!
そんな前からあったの・・

「野ばら」の映画パンフレットがまだ有ったのを最近確認した
ばかりだったので、難なく取り出せた。昭和33年!印刷。
中にはヴェルナーの「野ばら」はもとより、シューベルトの
「アヴェ・マリア」、モーツアルトの「子守唄」の楽譜が載って
いる。それに載ってる広告が古くて面白いこと。
村田武雄氏の解説には「4年前にわが国を訪れて『天使の声』を
聴かせたウイーン少年合唱団は今から460年前にオーストリア
皇帝マキシミリアンⅠ世が宮廷礼拝堂の為に組織した世界最古
の合唱団です…」とちゃんと書いてあった。
あれから50年経ったわけだ。

映画そのものもまだあまり観ない時期だったけれど、この映画
は感激したものだった。この子役ももういい爺さんになってるはず。
原題は「わが人生最良の日」というのを「発見」。
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ラヴェンダーの咲く庭で

2008-08-31 22:01:14 | 映画
ラヴェンダーの咲く庭に憧れていたのも随分前。
何回か植えたり挿枝したりしたが、長くは続かず、今は
よその庭に咲くラヴェンダーを羨ましく眺める。

この映画は3年前、珍しく封切り直後に観に行ったが、また
観たくなってDVDを借りてきた。

原題は「Ladies in Lavender」で「ラヴェンダー色の服を
着た婦人たち」という意味らしい。小説翻訳はまだないようだし、
どうしてこういう題なのかわからない。同じく邦題の方もよく
わからない。イギリス・ラヴェンダーの庭という言葉に「魔力」
があるのだろう。

若きヴァイオリ二ストが船の難破で海に投げ出され海岸に
流れ着く。近くの老姉妹が見つけ助けて回復まで面倒をみる
話だ。老姉妹をイギリスの名女優2人が見事に演じ、お手伝い、
医者などの脇役も芸達者が演じ、まさに大人の映画。

丁度映画が封切られた頃に、同じく海岸で発見された、
記憶喪失?のピアノマンという話題が随分マスコミを騒がした
ことを思い出した。

この女優2人が脇役で出ている映画「眺めのいい部屋」もまた
久し振りに観たくなってしまった。
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オランダの光

2008-07-30 11:25:01 | 映画
オランダ・ベルギーは古楽の魅力にとりつかれてからは
特別な国々になってしまった。
オランダへは30年以上も前にイギリスの南東の港から船で
渡り、ロッテルダムに着いた。ロッテルダムは第2次大戦で
破壊されたので近代建築が多く、ちょっとがっかりした覚え
がある。すぐアムステルダムに少し行っただけだが、
それももう忘却の彼方。

この映画はフェルメール、レンブラントの絵でよく指摘される、
「オランダの光」という特別なものが存在するのかいうことを
探ったドキュメンタリー。
水に囲まれ、平坦な(地平線のみえる)地にカメラを持ち込み、
一年間同じ場所で定点観測した映像をはさみながら、画家、
評論家、研究者、物理学者、長距離トラックの運転手・・・
などがオランダに果たして独得の光があるかないかについて
しゃべる。
何が正しい、間違いということはないので(物理学者の説明は
わからなかったが)ああ、あなたはそうお感じですか・・・
というまでの話。押し付けがましさがないところがよく、
よけいな音楽もなく、淡々と映し出される映像は美しい。
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クリスティーナ女王

2008-07-27 20:04:43 | 映画
17世紀後半のバロック時代の作曲家を調べるとローマで
スウェーデン女王クリスティーナ(1626-1689)の庇護を受け
という箇所があり、かねてから気になっていた。
後世の歴史家は彼女を『バロックの女王』と呼んだそうだ。
スウェーデン女王が何故ローマにいたのか・・

1933年というからやっとトーキーになった頃?の映画に
「クリスティーナ女王」(グレタ・ガルボ主演)があり、
こちらも気になっていたのでDVDを借りてみた。
同じスウェーデン出身の絶世の美女ガルボをみせる映画
なので、史実とは違う可能性が大きい。非常に簡単にいえば;

「男の子のように育てられた、クリスティーナは父グスタフの
戦死後6歳で王位を継ぎ、従兄弟のカール・グスタフと婚約
させられるが、訪れたスペイン大使と恋に落ち、自分が女性
ということを再認識させられ、王でいるという不自由な立場
にも嫌気がさし、27歳で王位を従兄弟に譲り、悲しむ国民を
あとにローマに旅立つ」というもの。

ローマへの船が出るところで映画は終る。
そのあとの「元スウェーデン女王」としての生涯のほうが、
興味があったのに。なんんだ。と欲求不満に終った。

ガルボは惜しまれながら早く引退し、その私生活は謎に包ま
れていたらしい。伝説の美女だけに男装姿も美しく見事に
決まっている。
ハリウッド映画だから米語なのはしょうがない。
この辺の時代のイタリアを舞台にした音楽映画が作られたら
いいのに・・といつも思う。
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