ぼちぼち日記

手作りとおはなしが好きなモリーさんのつれづれ日記。

『ひとがた流し』北村薫

2010-01-26 | 読書
直木賞にこだわるわけじゃないんだけど、前回は北村薫さんだったというのだけ
覚えていて、そう言えばもう何年も前に読んだ
『スキップ』『ターン』『リセット』の「時の三部作」と称されるあの物語が
すごくすごく良かったよなぁ。
というのを思い出し、図書館で北村薫さんの別の本を探してみました。


で、『ひとがた流し』。
表紙の、水が流れるような雰囲気だけで選んで、借りてみました。

3人の四十代女性の友情や、周りの人々との絆が、初めは淡々と日常の中で
語られるのだけど、途中から小さな波紋が少しずつ大きくなり、広がっていきます。

そして後半は胸にせまるものがどんどんと大きくなって、途中でやめられなくなりました。
最後近くには、号泣。


北村薫さんの物語に出てくる女性は、皆、芯がしっかりしていて、凛としていて、
真っ直ぐで、柔らかくて、繊細。
こうなりたいものだ、こうありたいものだと素直に共感できる。
いい本に出会いました。
しかし北村さんてホントに男?何でこんなに女性の心がわかるのかな。


あれ?全くの全くの偶然なんだけど、この間読んだ『ほかならぬ人へ』と
似たストーリーの部分がある…。
でも北村さんの表現の方が、私は好きでした。